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もしこの花が人間のような生き物だったのなら

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もしこの花が人間のような生き物だったのなら 僕らは彼らをもっと違う視点から 愛でることができるのではないか 僕らがもっと沢山の視点を持って生きたら 僕らの世界はもっと花やぐんじゃ…
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#自由散文

もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(3)-

もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(3)-

まえのお話

「だから きみはもう ぼくにあえないとおもったり あいたいとおもったり しなくても かなしむことはないんだよ だって ぼくは きみといっしょに いきてるんだから」

「どうして?」

「どうしたってさ」

わたしにはカルミアのいってることがわからなかった
きっと カルミアは
ぬりえや ドーナツがすきじゃないんだとおもった

だからわたしと あえなくてもいいんだ
わたしはとっても かな

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もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(2)-

もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(2)-

まえのおはなし

カルミアはいま なにをしてるかな
わたしはねるまえに
かんがえていた

カルミアのいるところでも いまは夜なのかな
カルミアと いっしょに ねむれたら
きっとたのしくって
おしゃべりが とまらなくって
とりが チヌチヌと なくのがきこえても
ねむれないのかもなあ とおもった

ゆめのカルミアは わたしにいった
「ぼくのおたんじょうびは3つあるんだ
キサラギの11にちと 20にち

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もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(1)-

もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(1)-

小さなころ
“おほしさま”だとか
“こんぺいとう”
と呼んでいたその人は
カルミアという名まえだった

カルミアはわたしのゆめの中にいて
出てこれないんだと思っていたけれど
最近すこし背ののびたわたしは
カルミアがほんとうにいる人なんだと知った

カルミアは遠くにいて、
話しかけても 声をきくことはできないし
ふたりで ぬりえをしたり
いっしょにドーナツを食べることはできない

ポップコーンがパン

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