ぐれ

耳鼻科で言語聴覚士として働いています。

ぐれ

耳鼻科で言語聴覚士として働いています。

記事一覧

子どもの難聴 どこの耳鼻科にいく?

耳鼻科は日本中にたくさんあるため とくに考えずに近場の耳鼻科に行きがちです。わたしも同じです。ただそれは子どもの場合には より慎重に選んだほうがよいです。  ま…

ぐれ
2年前
1

加齢性難聴は20代から始まっている

~加齢による難聴の特徴~ 1.高音域からきこえなくなる 2.左右耳のきこえにくさは同じ 3.なにか言われていることはわかるんだけど、   一つ一つの言葉がはっきりき…

ぐれ
3年前
1

聴くことの役割

1.聴こえることが生活の質を高める 日常生活は手足の動きに問題がなくて「見る」「きく」ことができれば大部分、問題なく生活を送ることができます。 社会生活で人との会…

ぐれ
3年前
2

聴覚障害児の言語活動におけるつまづき

聴覚障害児の特徴 1)一次障害   音が聞こえにくい、聞こえない 2)二次障害   音声によるコミュニケーションに困難が生じる  例)多量な情報処理困難(記憶)  …

ぐれ
3年前
1

学力の実態

聴覚障害児は【書かれていない情報を無意識に補う】が育ちにくい!?こんな算数の文章題を一緒に考えてみましょう 子ども(聴覚障害児)の解答 「0人」 なぜこんな解答に…

ぐれ
3年前
3

診断後の家族の気持ち

子どもが生まれたばかりのころは 無事に生まれてくれただけでうれしいという気持ちでいっぱい。でも育てていくにつれ、普通の子であってほしいとう気持ちが生まれ、発達の…

ぐれ
3年前
2

新生児聴覚スクリーニングの課題(人災編)

新生児聴覚スクリーニングをパスしたといって、その後も安泰と喜んでいてもいいのだろうか。 新生児スクリーニング検査はあくまでも新生児期だけの状態を表すもの。その後…

ぐれ
3年前
1

新生児聴覚スクリーニング検査の落とし穴

聞こえにくさがあると どうしても言葉の発達や社会性に影響をおよぼします。難聴を早期に発見し療育へつなげることで 言語発達の獲得につながり 補聴器や人工内耳 手話…

ぐれ
3年前

きこえないって どういうこと

一般の人に『きこえない』とはどういうことか伝わるように、なるべく目で見てわかるようにしてみました。 難聴になるには耳から脳への通り道のどこかに故障がおきること。…

ぐれ
3年前
3
子どもの難聴 どこの耳鼻科にいく?

子どもの難聴 どこの耳鼻科にいく?

耳鼻科は日本中にたくさんあるため とくに考えずに近場の耳鼻科に行きがちです。わたしも同じです。ただそれは子どもの場合には より慎重に選んだほうがよいです。 

まず、子どもが幼ければ幼いほど 検査は正確にできにくくなります。
そのため 子どもに特化した検査機器をそろえているところが 理想となります。

乳幼児聴力検査これらの子ども向けの検査があってはじめて難聴かどうかがわかる。
成人の聴力検査(健

もっとみる
加齢性難聴は20代から始まっている

加齢性難聴は20代から始まっている

~加齢による難聴の特徴~
1.高音域からきこえなくなる
2.左右耳のきこえにくさは同じ
3.なにか言われていることはわかるんだけど、
  一つ一つの言葉がはっきりきこえない
4.早口でいわれると わかりにくい
5.騒がしいところでの会話がわかりにくい

※加齢による難聴・・・純粋に加齢のみによって聴器および聴覚中枢が障害されている状態。いわゆる感音性難聴のこと。伝音機構(主に中耳)に起こる変化は聴

もっとみる
聴くことの役割

聴くことの役割

1.聴こえることが生活の質を高める
日常生活は手足の動きに問題がなくて「見る」「きく」ことができれば大部分、問題なく生活を送ることができます。
社会生活で人との会話は大事で難聴になって初めて不自由さを感じてしまうのではないでしょうか。それくらい健康なときは『きこえない』ということに対し実感がないものだと思います。

2.難聴が心理面に与える影響 
きこえが悪いという症状は、他人にはもちろんですが本

もっとみる
聴覚障害児の言語活動におけるつまづき

聴覚障害児の言語活動におけるつまづき

聴覚障害児の特徴

1)一次障害
  音が聞こえにくい、聞こえない
2)二次障害
  音声によるコミュニケーションに困難が生じる
 例)多量な情報処理困難(記憶)
 例)誤った判断(推測などの思考の困難)
 例)少ない経験
 例)知識の寡少

聴覚障害というと見えない障害といえるが、一次障害も二次障害も見えにくい障害です。
一次障害だけなら聞こえを補う手段を考えればよいのですが、やっかいなのは二次

もっとみる
学力の実態

学力の実態

聴覚障害児は【書かれていない情報を無意識に補う】が育ちにくい!?こんな算数の文章題を一緒に考えてみましょう

子ども(聴覚障害児)の解答 「0人」
なぜこんな解答になるのか

この子どもは文字は読める。問題文で使っている語や構文は既知である。
なのになぜ読みの理解ができないのか。
この問題文を読んで どういうふうにイメージしてしまっているのか。
気になりますよね。

視覚化してみます
正答なら 「

もっとみる
診断後の家族の気持ち

診断後の家族の気持ち

子どもが生まれたばかりのころは 無事に生まれてくれただけでうれしいという気持ちでいっぱい。でも育てていくにつれ、普通の子であってほしいとう気持ちが生まれ、発達の指標を見ては「うちの子は遅れているのではないか、いまだに初語がないなんて」。発達には個人差があるはずなのに。そんなことが気になってしまう。

そして最近早まっている新生児聴覚スクリーニングで突然「お子さんは聞こえに問題があるかもしれません」

もっとみる
新生児聴覚スクリーニングの課題(人災編)

新生児聴覚スクリーニングの課題(人災編)

新生児聴覚スクリーニングをパスしたといって、その後も安泰と喜んでいてもいいのだろうか。

新生児スクリーニング検査はあくまでも新生児期だけの状態を表すもの。その後、成長とともに中耳炎になるなどで難聴になることもある。また内耳の機能は問題ないからパスだったけど伝音性難聴(耳小骨の骨化 外耳道閉鎖などなど)が隠れてたなんてこともある。

やはり普段から子どもの言語発達や聞こえに敏感であり、なにかおかし

もっとみる
新生児聴覚スクリーニング検査の落とし穴

新生児聴覚スクリーニング検査の落とし穴

聞こえにくさがあると どうしても言葉の発達や社会性に影響をおよぼします。難聴を早期に発見し療育へつなげることで 言語発達の獲得につながり 補聴器や人工内耳 手話 要約筆記などの情報保障など その子どもにあったコミュニケーションの方法をアドバイスしてもらえます。さらには多方面から言葉の発達を促していくことにもつながります。

<新生児聴覚スクリーニング検査(NHS)>

1000人に1~2人は生まれ

もっとみる

きこえないって どういうこと

一般の人に『きこえない』とはどういうことか伝わるように、なるべく目で見てわかるようにしてみました。

難聴になるには耳から脳への通り道のどこかに故障がおきること。

故障の場所によって難聴は3つの種類にわけられている

1.伝音性難聴

2.感音性難聴

3.混合性難聴

伝音性と感音性では聞こえ方が全く異なるということを知っておこう

まず、「こんにちは」と話しかけられたら耳にどう届くかというと

もっとみる