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『さくらのはなをすごくもやした/櫻樹紀』 玉野勇希/黑田依直
さくらのはなをすごくもやした/玉野勇希 記念日に啓翁櫻の枝ひとつ買ふ咲かぬまま腐ると知りつ
アスファルトに花片ちらちら散り首都に土鳩は還る土を持たざり
鳩の屍は鴉に食まれつすこしづつ櫻色へと変はりゆきなむ
中指を噛むくせ直せないきみは櫻の樹にはなれない
多分 逆さまの水面に映すダァリヤをレンズ切り取る欲望機械
さりさりと霙降る街(tabula rasa)零時過ぎ頃夜は凍てつき
星痕の光なき夜にをとめはなたれ 幾何学俳句実験
骸たる夢骸の堕つ夜曼珠沙華 れんごくの火焰の天毘沙門天
屍骸形骸化死者を弔う術なし たけだけしき血筋は天の天上
青き骸の花の這う夜われ生れ なめらかにくるう君の天と地
天骸の骸から死よ甘く来たれ はなれゆく心は狂い天の天蓋
骸の火の骸と堕ちるわれ海底 にげだせよ美し君天使終の天
にえたぎる想念詩歌となる
ヨブ海を死す海原を眺め
星の骸 自動記述実験掌編
墜ちゆく鳥は架空に繭籠められた天使の似姿だ。そのフレスコ画の月天にわたしの星辰は震え、朱に染まった眼という球体の見極める溶けた蝶の屍を手に取り、その姿を君も美しいと言う。落下、そして受胎。落ちてきた生命の源を享受する美しい彼女の口から蛾のような、もしくは蝶のような小さな天使が溢れ出す。そして月天は去り、憎き日が昇る。きみの蒼い頸筋につたう紫水晶の涙は脆く太陽に背き、わたしの頌歌はまた美しい彼女を歌
もっとみる使者 半自動記述の実験
王権神授の繭に籠れる天使のうたごえは清くわたしの虚を貫き通す。その星辰の藍の美しさに城壁は溶け、暫くの後に中から国王軍の骸が吐き出され、また溶ける。そして星蝕の闇へ。手に孔を持つ彼は傍観者ではなく、扇動者としての役割を求め天使の手を取り溶け切った硝子の天蓋を砕き、死者を弔う虚偽の御言葉として書を綴り、そこにわたしは記述されていない。不在の闇から神の子への挽歌を奏でる為にわたしは此処に来た。神殿から
もっとみる好きな音楽、文学、映画、漫画、絵画。
完全に自己満足ですが自己紹介という事で。
音楽
My Bloody Valentine、Pia Fraus、Ringo Deathstarr、Pains Being Pure At Heart、Slowdive、Pinkshinyultrablast、Noir for Rachel、Life on Venus、Nothing、Kraus、Sore Eyelids、Niights、死んだ僕の彼女
3月のベストアルバム。
取りこぼした旧譜ばかり聴いていた一カ月でしたが、ブラックメタルがやたらと多かった気がします。Apple Musicのログがブラックメタルで埋まってました。シューゲイザーの新譜があまりリリースされなかったのでその辺に触れられなかったのも心残りです。
Hilary Woods / Birthmarks
ダークウェーヴとある種の神々しさを感じる歌の折衷というか、ゴスな感性とシンガーソングライター的な
最近聴いて良かったブラックゲイズ。
・Misertus
2019年デビュー、マンチェスター発の現行ブラックゲイズ。Discogsに登録が無いのでメンバー編成等の詳しい情報は手に入れられませんでしたが、サウンドと楽曲だけでも鮮烈な存在感を誇っていると思います。
・1stアルバム、Daydream。
その後の展開を知っている者から見ると荒々しく、バンドのルーツの一つであるDeafheavenの影響を感じさせつつよりラフである様で、