星痕の光なき夜にをとめはなたれ 幾何学俳句実験
骸たる夢骸の堕つ夜曼珠沙華 れんごくの火焰の天毘沙門天
屍骸形骸化死者を弔う術なし たけだけしき血筋は天の天上
青き骸の花の這う夜われ生れ なめらかにくるう君の天と地
天骸の骸から死よ甘く来たれ はなれゆく心は狂い天の天蓋
骸の火の骸と堕ちるわれ海底 にげだせよ美し君天使終の天
にえたぎる想念詩歌となる
ヨブ海を死す海原を眺めよ
きえる海焔海そして死と眼
なきごゑ海に消え転生へと
リゴー海へ海の墓標に花を
かふ海の光に海の照応せる
ひかりなき燦爛造花の死の
黒き羊の黒き眼の夜焼却場へ にらむ眼の花々は血盟の凝血
漆黒の黒のフランセーヌ美し すいと泳げる鳥の瀉血の血筋
咎の黒その火をこそ視罪の果 さばくのきみの聖者の血かな
暗黒の黒に墜落イカロスの翼 がのやうに纏わる出血の血華
黒死病の黒のばせる神話崩壊 ぺとりこーるとふ血流れぬ血
藤原月彦『夕月譜』へのオマージュです。
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