哲學徒

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芥の妾

盲目的感情に価値などなく君の殺すその獣を捨てることがぼくの救いなのだ 故に不安や恐れは本質的に君を救えぬぼくを救う糧であり君が捨てた残穢を拾い集めることが僕の救いなのだ 衒うことも嫌うこともぼくには恐れである 消えゆく憧憬を捨て去ることが正しき道であると思うことが心の弱さだ 消えた君を追いかけて自分を失うことは新たな創造の糸口となる つまりこれは終わりだ つまりこれは憧れだ つまりこれは生誕だ 捨てるのだ 足りぬ思考を欲するその脆弱さがお前の優しさであり お前の正欲だ 捨て

    • 自死への思索

      世界がぼくがぼくを神とせしむことを妨げる。 一個人がそれぞれぼくを冗長で有害な単体とすることに不愉快があっても不条理はないが、世界が不条理を押し付ける、つまりぼくの思考内には常に邪神が棲みついており、彼がぼくの天命に於ける不条理をすべて我々による、つまり邪神による業であると吹聴することにより自身が唯一神であるというぼくの哲学を瓦解させんと企てていることがあまりに不愉快でいたたまれないのだ。 さて、ぼくでない何かを尊ぶとき、その行為には常に深く無窮の愛が含有されている。故にその

      • 弔辞

        遠巻きにぼくを視ていた彼女は外界を照らす光のような唯一性を持たず、されど同様に美しさを求める大志をを持ち合わせていたのだ。故にぼくは彼女の光岠を求め彷徨った。しかし其れは果たされず、低迷した思考の中決して消えず輝き続けていたのは其の心の崇高さであった。優しき彼女を世界は絆さず、然し彼女は世界を見捨てなかった。これは甘さとも表現できるがしかし、彼女のその甘さが彼女の矮小な世界を少しだけ変革させたのだ。ぼく達がそれに身を窶すことはあまりに彼女にとって残酷で、故に彼女をただ一人の人

        • 言葉と美学の相対性

          自分の言葉のみを愛さなければいけない。借りてきた他人のモジュールを作品に落とし込むなど君を敢えて失っているようなものだ。美しくまとめるのではなく奔り抜けてきたその残穢ひとつひとつに美しさが滲み出ることこそが美しさであり、それを形成する為の品位、経験、才能を培う過程に於いて初めて既出の措辞に意味が生まれるのだ。推敲は最低限に抑え、極限まで初期衝動を失わぬことがその作品の唯一性を生むのだ。 言葉を愛することは人生を愛することだ。故に他人の言葉を尊ぶことはある種最も本質的に対象を愛

        芥の妾

          形骸的光空記録

          僕は望んだものを全て手に入れられるのに、望んだことを全て叶えられるのに、僕を許さない君が全てを崩し全てをはじまりに戻そうとする、僕の人生はその繰り返しだ。自分より傑れたものを引き摺り落とし自分のところに引き戻そうとするその君達の努力に意味があると本当に思っているのか?僕は不思議でたまらない。君達の住む国家は表面的に資本主義を謳っているはずだ。一方で其処に生きる君達は横に並ばぬ物に数奇の目を向ける。それは果たして思考停止した末の単なる嫉妬なのか。それとも自分とは違うものへの恐怖

          形骸的光空記録

          傲岸不遜、其故に芽生える寵愛

           ぼくのぼくへの愛は所謂自己愛に留まるものではなく、一種の宗教的傾倒の見られるようなものであり、ぼくを世界で一番愛していてぼくに一番期待しているのがぼくだからこそ、ぼくはぼくが世界で一番大嫌いなのだ。ぼくは所謂世間一般的な半端で一貫性のない浅薄な自尊心と同じ括りにされるのがとても不愉快である。故に、故にぼくが世界で最も美しいにも関わらず世界に受け入れられないのはぼくのぼくへの期待が肩透かしにされ続けている嘔気に依るぼくの退廃的情調の浮世離れがすぎる為だと考える。ぼくを愛すこと

          傲岸不遜、其故に芽生える寵愛

          親愛なる 擦れた小石の存在しない空集合である同士諸君へ 愛を込めて

          私の日本語を噛み砕いて凡人に伝える事が私に必須なのは私の日本語が少々婉曲した表現であるからであって私が貴方達に合わせる理由は貴方達が理解できない事に貴方達が愚鈍で矮小な存在である事に私が寄り添わなければいけない理由が見つからない。社会に沿った言葉ではないと言う事は社会に於いて不都合であるだけであり、こと社会に於いて私がズレていると言う事は私が君達のような愚鈍な存在に合わせる理由足り得ない。何故ならば人間は社会が全てでは無いからである。君達の様な人間にも理解し易い例を出すと、傑

          親愛なる 擦れた小石の存在しない空集合である同士諸君へ 愛を込めて

          游雲

          私と世界における軋轢は、私が怠惰に生きてきた結果の産物ではなく、世界が私を受け入れなかった結果のものである。世界が私という存在を忌避し、社会が私という存在を抑圧し続けた結果、私は世界の圧力に敗走し今此処で社会から隔絶され生きる結果となってしまったのである。 社会というものはかくも奇妙であり、私のような天賦の才を持つ者を口では賞賛し、貴女は未来を生きる若者の希望だ、などと宣う割に社会生活という側面ではしばしば私というコンテンツを忌避し、まるで出来るだけ私の生きづらい世界が創ら

          天命

          わたしの憧憬は如何やら凡て天の下命によって破壊する事が是とされているようで、これではまるでわたしの幸福の内容物を検閲され一つずつ瓦解させる作業をされているようだ。わたしが望むのは自死であるのに天はわたしに自死を促するのみで絶対に殺しはしないのはわたしの怠惰の贖罪のための辛苦なのか。または単に私の不快を促す為のものなのか。 天はわたしが苦しむことがわたし自身にとって何かを明察しておりわたしが直接的に破滅する様な崩し方はしない。何故ならば私はそれにより自己憐憫を得ることで幸福を手

          私は私に能く 周囲から私は不快で傲慢で喧しい迷惑な存在としか取られておらずお前の存在が世界中に日本中にお前の愛する人間全員にとって不快でしかないと何度も何度も回帰、回帰、回帰、回帰、回帰、回帰、反芻、反芻、反芻、反芻、私は許されない私の魂への贖罪、贖罪をしなければいけないのです。お前は宣うが私の脳は私の脳で1人に1つしかないのにこれではまるで私は私を分離して私を糾弾しているようだ。では糾弾されるべき私の半身はどうだ?怠惰ではないか?私も私の一部なのに私の半身が幻聴という形で糾

          自愛の檻

          常にわたしは光だけを追いかけてきた。 わたしが盲信し、傾倒するのは偶像でも思想でもなくきみじゃなきゃいけないの。 わたしはきみを、きみたちを信仰しているように見えるし、きっとその信仰はとても尊く映る。 でもわたしの信仰は慈愛と信仰心という皮を被った只の自己弁護の具現化でしかない。信仰をすることで傾倒するわたしを愛したいだけで、きみたちはそんなわたしの身勝手な欲望にとって只都合が良いだけ。汚くて醜いわたしはきみたちを尊ぶことで自分を愛しているの。 わたしはそれに気づかない

          自愛の檻

          自責に縋る

          私の中では疾うに消え去った筈の私の中の自愛心-利己心を自覚したことに依り、私の中の底辺に存在すると思って居た肯定感は見ないふりを続けていたことに所以して膨れ上がっていたようで、私に手に負える範疇を優に超えてしまっていたようでした。 私にとって自己肯定をしないことはアイデンティティであり、私を認めない私でしか私は私を許せないのです。私の中の二面性は私を殺し続けていたことの代償であり、自分自身の所為で私は苦しみ続けているのです。とても滑稽な話。 故に私は私の人生の不合理を世界

          自責に縋る