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自愛の檻

常にわたしは光だけを追いかけてきた。

わたしが盲信し、傾倒するのは偶像でも思想でもなくきみじゃなきゃいけないの。
わたしはきみを、きみたちを信仰しているように見えるし、きっとその信仰はとても尊く映る。

でもわたしの信仰は慈愛と信仰心という皮を被った只の自己弁護の具現化でしかない。信仰をすることで傾倒するわたしを愛したいだけで、きみたちはそんなわたしの身勝手な欲望にとって只都合が良いだけ。汚くて醜いわたしはきみたちを尊ぶことで自分を愛しているの。

わたしはそれに気づかないふりをしてきた。きっとこれからも気づかないふりをし続けるの。わたしは深い慈愛の心を持った献身的で可哀想な女の子。愛の宛先に恵まれずわたしの愛は土足で踏みつけられてばかり。本当に世界はわたしに理不尽で、わたしは世界に愛されない可哀想な女の子。

わたしが自分を憐れまなければ自分を愛せないから敢えてそんな結果になるように自分の感情を操っているなんてわたしが知ったらどうなっちゃうだろう。その時が真に自分を殺すべき時なのかもしれない。だから、だからこそ、いつかきっと自分の醜悪さを赦せる日が来るといいね。

そうすればわたしは初めてわたしを赦して、初めてきっと心から自分を愛すことが出来るから。

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