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これが憧れの景色 縄文人の呟き

“何したいですか?”の問いに
“何も無い”と答えた。
何食べようしか 考えて無いから

ただ 憧れの景色はある。

鮎漁師は おやすみ

“柿 ちぎってくれないか?
枝付きで…”坊に呟く

一本だけある 渋柿の木
去年の景色は知らないが
今年は 程よく 実っている

柿袋の アートを見ろと
坊が騒ぐ
森羅万象だ...

奇特な蝉だこと...

ひたすら柿の皮を剥く
黙々と 剥いていく
リハビリ リハビリ

重たい投網で鍛えた左手
何千回も網を裁いた右手
夏前の 酷い震えは少し落ち着いて来た
リハビリ リハビリ

“宜しかったら 渋柿いりませんか?”
毎年 この時期 尋ねていた。

今年は 尋ねるエネルギーが無くて
時間はある。

全て剥き 紐をかけ
軒先に 吊るす。
脚立は 危ないから坊に手伝ってもらう
ずっと ずっと 憧れていた景色

弾きこなすには
 超絶技巧がいる様な 並びだけど
我が家で 初めて 観る景色

“一日中 柿と戯れる日”

そんな日も あっていいんだ。

平安な暮らしをする縄文人
鮎漁師 浮世雲

こんな質問もありました?

全く動かなかった身体
少しずつ 少しずつ 出来る事が
増えて行く

ギランバレーに恋して
回復期リハビリテーション
やってごらんよ…

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