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旅と映画と本と。

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訪れた街とお気に入りの映画と本のお話。
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#旅エッセイ

ミモザと春を告げるカーニバル

ミモザと春を告げるカーニバル

ニースに行ったのは、ちょうど2年前の今頃。
夏がベストシーズンの南仏だけれど、2月は素敵なお祭りがあります。
このお祭りはヨーロッパ三大カーニバルのひとつと言われており、その歴史は15世紀の謝肉祭から始まります。毎年2月の中頃から2週間ほど開催され、昼間はたくさんのお花で飾られた山車とミモザの花が綺麗な花合戦、夜は「王様」をテーマにしたパレードが行われるのです。
曜日によってイベントも違うので、詳

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雪のノイシュヴァンシュタイン城

雪のノイシュヴァンシュタイン城

せっかくなら雪に覆われた城を見てみたいと思い、1月にミュンヘンを訪れた。
雪が少ないロンドンに比べて、到着したミュンヘンは雪で真っ白だった。
街に着いたのは金曜日の夜。ホテルに荷物を置いてから夕飯を食べに行くことに。
雪が音を吸収しているせいか、金曜なのに街は静かに感じる。繁華街に着いても煩い感じはなかった。 
観光地のはずなのに不思議に感じたが、その謎はすぐに払拭された。

観光雑誌にもよく掲載

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クリスマスマーケット-2

クリスマスマーケット-2

宿に着いたのは23時はとうに過ぎていたと思う。
朝ごはんを食べてから、ドイツのクリスマスマーケットを目指す。
夜には気づかなかったけれど、外は深い雪に覆われていて、空からは今にも雪が降り出しそうだった。

最初の目的地はハイデルベルク。ドイツ最古の大学があるこの街は、ゲーテやショパンにも愛された歴史ある街である。
クリスマスマーケットは前日に訪れたものより小さい。
ドイツのクリスマスマーケットだけ

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クリスマスマーケット

クリスマスマーケット

到着した空港はドイツのシュトゥットガルト。
最初に目指したのはフランス、アルザス地方のクリスマスマーケットだった。

友人がレンタカーを運転し、牧場とワイン畑を横目に他のメンバーはGoogle MAPを確認していた。
1つ目のマーケットはコルマール。
ここはハウルの動く城に出てくる街のモデルと言われている。
微妙に歪んだ木の柱と窓枠、クリーム色やミルキーピンクで塗られた壁が童話の世界を彷彿とさせる

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夢と挫折と欲望と成功の街。

夢と挫折と欲望と成功の街。

私がはじめてひとり旅をした街、ニューヨーク。
その後2回、旅行で訪れた。

ギラギラと光るネオンと、高く聳える摩天楼。
この街ではいつも何かが『満たされない』ように感じる。
実際は美術館やお洒落なカフェ、セントラルパークでの散歩や、ルーフトップバーでお酒を飲むなど、
十分過ぎるほどニューヨークを楽しんでいるわけなのだけれど。
それはニューヨークという街のせいなのかもしれない。

街はいつも人で溢れ

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Veneziaという街。

Veneziaという街。

はじめて訪れたのは、大学の卒業旅行。
なぜだか私はどうしようもなくこの街に魅せられてしまったのだ。
2度目は社会人3年目。少し仕事に疲れて、お酒の味も覚えはじめた時だった。
3度目はついこの前。カーニヴァルに行きたくて、随分前にチケットを抑えた。
何度訪れてもこの街の空気は、不思議なほど私の身体に馴染んでいく。

「あんなところ、ただの観光地だよ」
2度目の旅行の前に、当時の上司が言った言葉だ。

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