おかき

読書は、どこにでもどんな時代にも連れて行ってくれる、何にでもなれて色々な体験をさせてく…

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読書は、どこにでもどんな時代にも連れて行ってくれる、何にでもなれて色々な体験をさせてくれる最高のレジャーです。 読書感想文を徒然に綴っていきます。

記事一覧

「君と宇宙を歩くために/泥ノ田犬彦」を読んで感じたこと

「これ、すっごくいいよ!」という友人の声が気になってまして、やっと読みました。 メチャクチャいいマンガでした。マンガ大賞2024の選考委員さんにでかした!と誉めてあ…

おかき
1日前
1

「777/伊坂幸太郎」を読んで感じたこと

大大大好きな殺し屋シリーズの4作目、面白かったー!!! 不運な男・七尾(=天道虫)の仕事は高級ホテルの一室にいる男に誕生日プレゼントを届けること。だけ。一般的には…

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2日前
2

「あずかりやさん・満天の星/大山淳子」を読んで感じたこと

1日100円で何でも預かるあずかりやさんのシリーズ5作目です。 今回の語り手は、万能ナイフ、やきそばパン、犬、桐島君の亡祖父の霊。 預かり物と一緒にお客さんの色んな事…

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3日前
5

『あずかりやさん・まぼろしチャーハン/大山淳子』を読んで感じたこと

100円でなんでも預かってくれるあずかりやさん、シリーズ4作目です。 1話目の「ラブレター」は栗原一歩という名の男の子が語り手でした。あれ?普通の青春キュンキュン物…

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6日前
2

「あずかりやさん・彼女の青い鳥/大山淳子」を読んで感じたこと

目の見えない桐島くんが店主で1日100円でどんな物でもあずかるという商いをするあずかりやさんのシリーズ3作目。 語り手はノミ、老婆、青い鳥、原稿、柱時計と、なんだか…

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6日前
4

「あずかりやさん・桐島くんの青春/大山淳子」を読んで感じたこと

1日100円でどんなものでも預かりますという商いをしている「あずかりやさん」 シリーズ2作目。 文机とオルゴールのもの目線のお話しが2つ、そして、ある女の子目線のお話…

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9日前
1

「あたしとママのファイトな日常/山本幸久」を読んで感じたこと

ものすごーく気持ちの良い作品でした。 やっぱり山本さん、好きだわぁー。 ムカつくいじめっ子の公平を一発殴ってやりたいという気持ちでボクシングを始めだ小学校4年生の…

おかき
4週間前
5

「未明の砦/太田愛」を読んで感じたこと

大手自動車メーカー「ユシマ」で働く4人の若い非正規工員達が指名手配される事になったのはなぜ?逮捕寸前で彼らを逃がすために密告電話をしたのは誰? 謎だらけで始まり、…

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1か月前
8

「阪急電車」をオタク的に楽しむ旅

わたくし、オタク気質な本スキーです。 時折、聖地巡礼的な旅をしたくなります。 随分前のことですが、「阪急電車15分の奇跡の旅」を感じる旅と題して楽しんだオタク旅行…

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1か月前
6

「ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ」を読んで感じたこと

・マイディアレスト ・ベストフレンド ・罪深き女 ・優しい人 ・ポイズンドーター ・ホーリーマザー 6遍の短編集です。 母と娘、妹と姉、仕事上のライバル、同級生と、ど…

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1か月前
5

「それ自体が奇跡/小野寺史宜」を読んで感じたこと

夫婦三部作の三作目です。 もう大丈夫。この夫婦もの、読み慣れてきました。 仕事がいまいち出来ないけど人柄が良く見た目も良い貢と、目立たないけど仕事が出来る綾。 貢…

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1か月前
3

「近いはずの人/小野寺史宜」を読んで感じたこと

夫婦三部作の二作目です。 読み終わってすぐは、どんよりな気分。微妙…でした。 しばらく寝かせてて、感想を書こうと思い起こしてみたら、なるほど〜!とわかってきました…

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1か月前
4

「その愛の程度/小野寺史宜」を読んで感じたこと

小野寺さん夫婦三部作の一作目です。 う〜ん、微妙。モヤモヤする〜。 上司だった年上妻と結婚した豊永守彦はそこそこ顔が良くてそこそこ優しくて点数をつけると平均点以…

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2か月前
1

「渋谷に里帰り/山本幸久」を読んで感じたこと

山本幸久さんのお仕事小説は大好物なのです。 随分前の本だけど手にとってなかった本を見つけたので、わくわくと読んでみました。 寿退社する営業成績トップの先輩の後任…

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2か月前
2

「あずかりやさん/大山淳子」を読んで感じたこと

ハードな本を続けて読んでたので、優しい気持ちになる本を手に取りました。 1日100円で、どんなものでも預かります。 東京の下町、明日町こんぺいとう商店街の片隅で藍染…

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2か月前
4

「母という呪縛 娘という牢獄/齊藤彩」を読んで感じたこと

2018年3月に発覚した「医学部9浪母親バラバラ殺害事件」を覚えていますか? 滋賀県守山市の30代の看護学生が母親を殺害後に遺体を解体して遺棄した殺人事件です。 本書は…

おかき
2か月前
5
「君と宇宙を歩くために/泥ノ田犬彦」を読んで感じたこと

「君と宇宙を歩くために/泥ノ田犬彦」を読んで感じたこと

「これ、すっごくいいよ!」という友人の声が気になってまして、やっと読みました。
メチャクチャいいマンガでした。マンガ大賞2024の選考委員さんにでかした!と誉めてあげたいです←謎の上から

同時に沢山のことを進めるのが苦手な転校生の宇野くんは生きる工夫テザーを書いたメモ帳を頼りに日々懸命に生きています。「泣くのは帰ってから」のメモには目の奥が熱くなりました(;ω;)
誰もが簡単にできるバイトが上手

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「777/伊坂幸太郎」を読んで感じたこと

「777/伊坂幸太郎」を読んで感じたこと

大大大好きな殺し屋シリーズの4作目、面白かったー!!!

不運な男・七尾(=天道虫)の仕事は高級ホテルの一室にいる男に誕生日プレゼントを届けること。だけ。一般的には簡単かつ安全な仕事です。
だけど、七尾だもの、巻き込まれて不運の連続連鎖雨あられなのがデフォルトです。
以前は新幹線からどうしても降りられなかった七尾、今回はホテルからどうしても良い出られないという。笑笑
コーラとソーダ、マクラとモウフ

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「あずかりやさん・満天の星/大山淳子」を読んで感じたこと

「あずかりやさん・満天の星/大山淳子」を読んで感じたこと

1日100円で何でも預かるあずかりやさんのシリーズ5作目です。

今回の語り手は、万能ナイフ、やきそばパン、犬、桐島君の亡祖父の霊。
預かり物と一緒にお客さんの色んな事情や感情を受け止めてきた桐島君。今回の一番の変わりだねは、ナイフを持った強面の男性の憤怒を預かりました。そして、その後のその男性の人生に大きな大きな影響を与えてるんです。すごいなぁ。

プロローグの手紙はなにかな?って思ってたのです

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『あずかりやさん・まぼろしチャーハン/大山淳子』を読んで感じたこと

『あずかりやさん・まぼろしチャーハン/大山淳子』を読んで感じたこと

100円でなんでも預かってくれるあずかりやさん、シリーズ4作目です。

1話目の「ラブレター」は栗原一歩という名の男の子が語り手でした。あれ?普通の青春キュンキュン物語?っと思ってよみすすめたら一の瀬はずみの名前が出てきました。「青い鳥」と「彼女の犯行」に繋がるその後のお話しでした。良かった〜、一の瀬はずみは元気でした。

そのほかの語り手は長年大事にされてきた黒電話、ヴィトンの鞄、盆栽。

桐島

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「あずかりやさん・彼女の青い鳥/大山淳子」を読んで感じたこと

「あずかりやさん・彼女の青い鳥/大山淳子」を読んで感じたこと

目の見えない桐島くんが店主で1日100円でどんな物でもあずかるという商いをするあずかりやさんのシリーズ3作目。
語り手はノミ、老婆、青い鳥、原稿、柱時計と、なんだか意表をつくものが多かったなぁ。

預かった幼い子供が置き去りにされたのでは疑惑があったり、預かった時計が盗品だという疑いで警察が来たりと、ざわつく事案に巻き込まれていても桐島君はいたって平静です。こんな青年いる?!

こんな桐島君だから

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「あずかりやさん・桐島くんの青春/大山淳子」を読んで感じたこと

「あずかりやさん・桐島くんの青春/大山淳子」を読んで感じたこと

1日100円でどんなものでも預かりますという商いをしている「あずかりやさん」
シリーズ2作目。

文机とオルゴールのもの目線のお話しが2つ、そして、ある女の子目線のお話しと高校生の頃の桐島くん目線のお話しの4遍でした。

店主が大切にしている文机やオルゴールや星の王子さまがあずかりやさんにやってきた経緯がわかりしみじみとしました。
店主はどのようにして視力を失ったのか、店主は幼い頃から学生時代をど

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「あたしとママのファイトな日常/山本幸久」を読んで感じたこと

「あたしとママのファイトな日常/山本幸久」を読んで感じたこと

ものすごーく気持ちの良い作品でした。
やっぱり山本さん、好きだわぁー。

ムカつくいじめっ子の公平を一発殴ってやりたいという気持ちでボクシングを始めだ小学校4年生の風花、そして、職場の後輩にイラつく日々を送りつつ洋裁店で働いている母親の陽菜子、この二人の目線で交互に語られる物語でした。

ボクシングを通じて知り合った人達、ボクシングを始めたことでの出来事、ジムでの練習や自宅での自主練や試合などボク

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「未明の砦/太田愛」を読んで感じたこと

「未明の砦/太田愛」を読んで感じたこと

大手自動車メーカー「ユシマ」で働く4人の若い非正規工員達が指名手配される事になったのはなぜ?逮捕寸前で彼らを逃がすために密告電話をしたのは誰?
謎だらけで始まり、夢中になって読んだ616ページのこの作品、驚いたり、憤ったり、ホロリとしたり、感情が揺り動かされまくりで大変でした。

それぞれの事情で寮にいるしかない夏休みを過ごすはずだった4人に海辺の田舎での夏休みを与えてくれたのは「ユシマ」のベテラ

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「阪急電車」をオタク的に楽しむ旅

「阪急電車」をオタク的に楽しむ旅

わたくし、オタク気質な本スキーです。
時折、聖地巡礼的な旅をしたくなります。

随分前のことですが、「阪急電車15分の奇跡の旅」を感じる旅と題して楽しんだオタク旅行を思い起こしていきましょう✌️

「阪急電車」は宝塚から西宮北口までの短い路線、今津線での群像劇を描いた作品です。
たまたま乗り合わせていた人達の人生が微かに交差する様子を覗き見してるようで、とっても興味深いのです。

まずは梅田から宝

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「ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ」を読んで感じたこと

「ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ」を読んで感じたこと

・マイディアレスト
・ベストフレンド
・罪深き女
・優しい人
・ポイズンドーター
・ホーリーマザー

6遍の短編集です。

母と娘、妹と姉、仕事上のライバル、同級生と、どれもこれも女同士のイヤミスです。
同じ事柄でもそれぞれの見方、捉え方でガラッと風景が変わるもの。
何が正しいのか?正しさは人の数ある。
読み終わった後のザラっとした感じ、ずっしりと重い気分になるんだけど、湊かなえさんを読んだなぁ〜

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「それ自体が奇跡/小野寺史宜」を読んで感じたこと

「それ自体が奇跡/小野寺史宜」を読んで感じたこと

夫婦三部作の三作目です。
もう大丈夫。この夫婦もの、読み慣れてきました。

仕事がいまいち出来ないけど人柄が良く見た目も良い貢と、目立たないけど仕事が出来る綾。
貢がJリーグ入りを目指すクラブチームでアマだけど本気のサッカーをやることになったと事後報告をしたことから、そろそろ子どもをと思っていた綾は相談もなかったことに不満をつのらせる、そんな結婚して3年目の田口夫婦のとある1月1日二人が勤める百貨

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「近いはずの人/小野寺史宜」を読んで感じたこと

「近いはずの人/小野寺史宜」を読んで感じたこと

夫婦三部作の二作目です。
読み終わってすぐは、どんよりな気分。微妙…でした。
しばらく寝かせてて、感想を書こうと思い起こしてみたら、なるほど〜!とわかってきました。

結婚して4年目、33歳の北野俊英はタクシー転落事故で妻を失いました。
不思議なことに、妻は友達と旅行に行ったはずなのに一人でタクシーに乗っていたのです。
哀しみと困惑の俊英は毎晩500mlビールを4〜5本飲みながら妻の携帯電話のロッ

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「その愛の程度/小野寺史宜」を読んで感じたこと

「その愛の程度/小野寺史宜」を読んで感じたこと

小野寺さん夫婦三部作の一作目です。
う〜ん、微妙。モヤモヤする〜。

上司だった年上妻と結婚した豊永守彦はそこそこ顔が良くてそこそこ優しくて点数をつけると平均点以上だけど、あと一歩が踏み込めない。
妻の職場の親睦会を兼ねた河原でのバーベキューで、妻の連れ子葉月と妻の職場女性の子ども留衣の二人が川で溺れた時に守彦が葉月と思って助け出した子が留衣だったことから歯車が狂うのです。

その後は別居、離婚、

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「渋谷に里帰り/山本幸久」を読んで感じたこと

「渋谷に里帰り/山本幸久」を読んで感じたこと

山本幸久さんのお仕事小説は大好物なのです。
随分前の本だけど手にとってなかった本を見つけたので、わくわくと読んでみました。

寿退社する営業成績トップの先輩の後任となった峰崎稔が引き継いだエリアはよりにもよって渋谷。稔にとって渋谷は鬼門で20年も避けてきたところだったのです。

鬼門というのは、稔は渋谷で育ったけれども小学生の頃に家業のパン屋の経営難で父親が店をたたむことになり、友達にも黙って渋谷

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「あずかりやさん/大山淳子」を読んで感じたこと

「あずかりやさん/大山淳子」を読んで感じたこと

ハードな本を続けて読んでたので、優しい気持ちになる本を手に取りました。

1日100円で、どんなものでも預かります。
東京の下町、明日町こんぺいとう商店街の片隅で藍染ののれん「さとう」を掲げて、ひっそりと経営しているあずかりやさん。
店主は桐島透さん。屋号は「桐島」です。
正しい屋号を知っているのは開業手続き窓口の職員さんだけ。
その理由は、店主が目が見えない者で、そののれんの文字を知らないからで

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「母という呪縛 娘という牢獄/齊藤彩」を読んで感じたこと

「母という呪縛 娘という牢獄/齊藤彩」を読んで感じたこと

2018年3月に発覚した「医学部9浪母親バラバラ殺害事件」を覚えていますか?
滋賀県守山市の30代の看護学生が母親を殺害後に遺体を解体して遺棄した殺人事件です。

本書は、著者がこの事件を起こした女性を公判中は接見を続け、服役してからも文通を重ね、詳細な取材から書かれたノンフィクションの渾身のルポタージュです。

彼女が母親を殺害した理由は、医者になるよう強要する母親から9年間も医学部受験を強いら

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