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「あずかりやさん/大山淳子」を読んで感じたこと

ハードな本を続けて読んでたので、優しい気持ちになる本を手に取りました。

「あずかりやさん」
可愛い装丁🩷これ実はダブルカバー、つまり
オビなんです
「あずかりやさん」
オビを外すとこんな感じ
こちらも可愛い🩷

1日100円で、どんなものでも預かります。
東京の下町、明日町こんぺいとう商店街の片隅で藍染ののれん「さとう」を掲げて、ひっそりと経営しているあずかりやさん。
店主は桐島透さん。屋号は「桐島」です。
正しい屋号を知っているのは開業手続き窓口の職員さんだけ。
その理由は、店主が目が見えない者で、そののれんの文字を知らないからです。

と、そこはあまり重要ではないのに、いたく面白く感じてしまいました。
私の旦那様が個人事業主で、私は銀行員で融資担当だからという個人的な理由からです。

この物語の語り手はその店主ではありません。6つのストーリーで語り手がそれぞれ違うのですが、人間目線だったのは1つだけ、その他は、のれん、自転車、ガラスケース、猫の目線で描かれていました。

どれも優しくてほろ苦くて温かい気持ちになりました。
共通点は優しい嘘です。
最後の特別収録の「ひだりてさん」の最後の会話で出てきた言葉がこの一冊を象徴してました。

誰しも事情がある。不思議な行動にもちゃんとわけがある。でもそれはひとにはわからないし、他人が踏み込んではいけない。

当たり前ではあるけれど、忘れがちな大切なことを再認識させてもらいました。

このシリーズ、全部読もう!

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