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「それ自体が奇跡/小野寺史宜」を読んで感じたこと

夫婦三部作の三作目です。
もう大丈夫。この夫婦もの、読み慣れてきました。

「それ自体が奇跡」

仕事がいまいち出来ないけど人柄が良く見た目も良い貢と、目立たないけど仕事が出来る綾。
貢がJリーグ入りを目指すクラブチームでアマだけど本気のサッカーをやることになったと事後報告をしたことから、そろそろ子どもをと思っていた綾は相談もなかったことに不満をつのらせる、そんな結婚して3年目の田口夫婦のとある1月1日二人が勤める百貨店唯一の定休日から、その翌年の1月1日までを描いていました。

貢のサッカー練習も試合も綾は見に行かない。夫婦の会話は必要事項の伝達だけ。お互いに気の合う異性の接近があったり。危機な夫婦あるあるですね〜。

貢の行動を見ているうちに、現状で小さく満足している自分に気づいた綾が仕事でチャレンジを考えるようになり、夫婦の関係も前進するという。マイナス要素がプラスに転化する化学変化が起こるって良いです。

 「その愛の程度」では結婚や離婚を経験して夫婦は愛情を表現していくことが大切だということを、「近いはずの人」では夫婦の愛情はお互いの理解が深めていくものだということを描いていたのだと思います。
この「それ自体が奇跡」は夫婦の愛情はお互いを認め合っていくことで成長するということを描いていたんだと思います。

「結婚はそれ自体が奇跡。紙切れ一枚で、あなたが他の誰よりもすきだと公的に表明し、表明してもらえる。それは人として大きな自信になる」という貢の言葉があるのです。確かにそうだな〜!

因みに田口夫婦の住まいは、みつば南団地D棟501号室です。

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