あぐ

小説ときどきノンフィクション。裏垢とセフレと人妻の話。 Twitter▶︎https:/…

あぐ

小説ときどきノンフィクション。裏垢とセフレと人妻の話。 Twitter▶︎https://twitter.com/ugly_jonny

マガジン

  • 短編小説

    1000文字前後の短編まとめ。私のオナニー散文です。過去を引きずる男たちは綺麗。記憶の中の女は、もっと綺麗。

  • クリープハイプが聞こえない

    クリープハイプの曲を聞いてイメージしたお話を書いています。一話完結。大目に見てください。

  • 有料小説

    自伝(Autobiography)×創作(Fiction)。自伝要素があるので鍵の意味で有料とさせて頂きます。

  • 裏垢小説

    かのん、シノミヤ、ゆめ子、人妻つー 4人の裏垢女子のお話。連載中。 ※フィクションです

  • 選抜小説

    始めましての方はこちらから。プレビュー数の多かった小説まとめです。

最近の記事

  • 固定された記事

私、レスなので離婚します!~ツイートには書かなかった、本当のこと~

※こちらは2021年6月9日に公開した記事を再販するものです。内容は変わりませんのでご注意ください。 ※前回購入済み方は、購入時のメールより読み返して頂けます。 ・ 皆さんこんにちは。結婚6年目にして、その生活に終止符を打ったあぐです。 先日のお離婚ツイートには、たくさんの反響を頂きありがとうございます。 只今、出戻り独身生活を絶賛お楽しみ中ですが、やることと言えば仕事のみ。 あー仕事が捗る。ひとりだとなお捗る。仕事以外、全く捗らない。 ということで、ツイートに出来

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2,480
    • DELETE -sideB-

      家に帰ると俺はまず、とりあえずベッドにダイブする。ダイブした後にあー喉乾いてるんだったとか、シャワー浴びてからにすればよかったとりあえず目覚ましを、なんて思うけど、もう遅い。この定位置についたら俺はなかなか起き上がらない。 今日もありがとう楽しかった、というLINEが届いているのに気づき、読むのも億劫でそっとスマホを閉じる。未読数を知らせる数字は自分に好意を寄せている女性の数。そうなるように自分で仕向けたくせに、なんとなく、もう疲れた。 女性の心を動かすというのは何も難しいこ

      • DELETE -sideA-

        家に帰ると私はまず、とりあえずベッドにダイブする。ダイブした後にあー喉乾いてるんだったとか、シャワー浴びてからにすればよかったせめてメイクを、なんて思うけど、もう遅い。この定位置についたら私はなかなか起き上がらない。 今日もこのアングルだな、なんて思いつつ、さっき撮ったばかりの写真を眺める。例えば彼専用写真フォルダがあったとして、どれだけ遡っても変わり映えしないんだろう。この男はいつもそう。店に入って、ご飯を頼んで、それが出てくるまでスマホをいじって食べたらまたいじる。 目が

        • 裏で花咲く

          1.かのんの場合 人は人生のうちで、何度セックスをするんだろう。そんなことを考えていたら、トイレに立った彼があっという間に戻ってきた。グラスがもうすぐ空きそうだから、もう一杯ハイボールを頼んでおこうと思ったのに。気の利く女を演出したいという私の気持ちは儚くも無残に砕け散り、私はせめてと笑顔を作る。「何飲みますか?」そう言いながらメニューを渡すと、彼は「いや」と小さく言い淀んでから、私を見た。 「そろそろ、行こうか」  店員さんに会計をお願いする彼の姿を見ていたら、なんともいた

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        • 短編小説
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          10本
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        記事

          AutoBioFiction Age:18

           数年ぶりに再会した圭ちゃんは、大型ビジョンの中だった。その日、私は渋谷のスクランブル交差点を歩いていて、離婚が成立して心機一転、この土地を去ろうかと考えていて、だけど、ふと見上げたビジョンに彼の作品が流れていたから、私は泣いて、そしてこの土地に踏みとどまった。その時初めて気づいた。私は案外、離婚したことが悲しかったんだなぁということと、彼のことが、本当に好きだったんだなぁということ。

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          AutoBioFiction Age:18

          クリープハイプが聞こえない Vol.5『蜂蜜と風呂場』

           眠たい目を擦りつつキッチンへ向かうと、彼女はまだ起きていた。ダイニングテーブルに座りパソコンを叩く姿に「仕事?」と聞けば、「まぁね~」となぜか得意げに笑う。 「そっちは?こんな時間にどうしたの?眠れないの?」 「うん、まぁ」 「なかなか眠れないならゆっくりお風呂に浸かるといいよ。それかハニーラテ作ろうか?」  ハニーラテ、は、料理の苦手な彼女が唯一作れる得意料理らしい。本人がそう言っていた。得意げに胸を張っている姿が子供みたいで可愛かったので、それは料理とは呼ばないなんて無

          クリープハイプが聞こえない Vol.5『蜂蜜と風呂場』

          クリープハイプが聞こえない Vol.4『左耳』

           ゆーゆは、一度寝たら絶対に朝まで起きない。彼の家に泊まる時は必ず借りるライブTシャツは、ずっごくダサくて嫌いだけどダボダボ具合が丁度いい。今回は、そのダボダボにミッションを阻まれたりした。小さく寝息をたてるゆーゆの腕の中からそっと抜け出して、下敷きにされたダボダボ部分を引っ張り出すと、なんと、彼が「ん、」と身じろぎしたのだ!  これは私が悪いんじゃない。これは必要悪である。というか、歯切れの悪いゆーゆのせいである。そう自分に言い聞かせながら彼のスマホを手に取った。暗証番号は

          クリープハイプが聞こえない Vol.4『左耳』

          クリープハイプが聞こえない Vol.3『イノチミジカシコイセヨオトメ』

           久しぶりに返ってきた地元は、田舎過ぎて何も変わっていなくて、ただ実家の塗装は少し剥がれていて、壁も汚れていた。「昔は新築だったのにね」と母に言うと「20年も経てばそりゃ汚れるよ」と興味なさげに返され、話題はすぐに今夜何食べたい?という内容に移り変わった。私は今年で20歳になる。人間も、20年も経てば汚れるものなのかなぁ、お母さん。 ・ 「突然帰ってくるから驚いたわ」  大して驚いた様子もなかったくせに、母は何度もそんなことを言う。相変わらずの散らかったリビングで適当にテ

          クリープハイプが聞こえない Vol.3『イノチミジカシコイセヨオトメ』

          クリープハイプが聞こえない Vol.2『栞』

           ソータとの出会いは、カフェだった。注文したコーヒーを取り違えてしまったのは私にも関わらず、「すいません、そっちが僕のかも」と丁寧に声をかけてきてくれたのが印象的だった。すいません、すいません、を繰り返すものだから、私のほうが謝りそびれてしまって、居心地が悪いまま席を探しに行った。結局、座席はカウンターの隣合った二席しか空いていなくて、居心地が悪い中、彼と隣り合わせで座った。  カウンターから見下ろす桜並木は、まだ五分咲にも関わらずたくさんのカップルで賑わっていて、本当ならあ

          クリープハイプが聞こえない Vol.2『栞』

          クリープハイプが聞こえない Vol.1『エロ』

          「ねぇ、聞こえない。私このバンド好きなの、ボリューム上げて」 風になびく髪を片手で押さえながら、助手席の彼女がそう言った。ボリュームくらい自分で上げればいいし、まずは窓を閉めたらいいのに、と多少不服に思いながらも、俺は握っていたハンドルから片手を離してボリュームを上げた。運転はもちろん道案内をするわけでもない彼女は、さっきから、ペットボトルの蓋を開けてほしいとか靴を脱ぎたいのにサンダルのボタンが外れないとかくだらないことばかり頼んでくるから、その度に車を路肩に寄せた。到着予定

          クリープハイプが聞こえない Vol.1『エロ』

          金木犀

          彼とは、夏に出会った。夏が似合う人だった。 私と一緒にいる時、彼は私の二日間をすごく大事に扱うけれど、私と一緒にいない時、彼は私の一カ月を酷く軽く扱う。彼は、夏が似合う人だった。 ・ 「会いたかった」 その言葉で始まるのも、これで何度目だろう。ぴったり月に一回の頻度で彼の部屋を訪れるようになって、もうすぐ二度目の秋が来る。 彼に何人、セフレがいるのかはわからない。恋人がいるのかもわからない。結婚してると言われても別に驚かない。ただ、必ず第三週目の、金曜日の夜から土曜日の

          金木犀

          ギムレットには遅すぎる

           行きつけのバー。雰囲気のある店内。気のいいマスター。見知った常連。美味しい酒。  それだけ全て揃っていれば僕の心は洗われ癒され幸せを感じるはずなのに、ただ一つ、そこに異分子が加わるだけで、いとも簡単に世界が崩れる。 「ねぇ、聞いてる?」  異分子が隣で声を上げた。元々幼い顔を更に幼くして、全身で『構ってほしい』とアピールしてくるそれが、僕の平穏を壊していく。 ・ 「だいたい、彼は私のことなんて好きじゃないんだと思うの」  そのセリフはもう300回は聞いた。彼氏と上手くい

          ギムレットには遅すぎる

          世界征服

           世界を征服しようと思ってるの。  初めて会った時、彼女はそう言って笑った。その笑顔が、まるで陶器で出来ているみたいな肌が、ずっと、僕の心に吸い付いて、いつまで経っても離れてくれない。 ・  カーテンの隙間から漏れた明かりが、昨夜の情事を映し出していた。生まれたままの姿でベッドに横たわる彼女の長い四肢に、シーツが絡みついて、一番『見たい』部分を見せてはくれない。 「美緒、おはよう」  彼女の体を跨ぎながら声をかける。吐息のような、鼻に抜ける音を漏らして美緒が体を揺らす。美

          世界征服

          AutoBioFiction~とあるレスの話~

           パソコンの画面の中では、裸の男と女が絡まり合っている。女の喘ぎ声に混ざって聞こえる肉と肉がぶつかる音。その合間に、男の熱を帯びた吐息。  これはAVではない。いわゆるハメ撮りである。男は私の夫で、では女のほうは私なのかと聞かれるとそうではない。女は、夫の元カノである。  そもそもなんで私がこの動画を見つけたのかと言うと、私たちが共用で使っているパソコンにデータが残っていたからで、なぜ残っていたかと言うと、このパソコンは元々夫の私物だったからで、なぜ私がパソコンのデータを漁り

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          AutoBioFiction~とあるレスの話~

          まるでタンポポの綿毛のような③【最終話】

           人は人生のうちで、何度セックスをするだろう。そんなことを考えていたら、トイレに立ったケンイチさんがあっという間に席に戻ってきた。グラスがもうすぐ空きそうだから、もう一杯ハイボールを頼んでおこうと思ったのに。気の利く女子を演出したいという私の気持ちは、儚くも無残に砕け散り、私はせめてと笑顔を作る。「何飲みますか?」そう言いながらメニューを渡すと、彼は「いや」と小さく言い淀んでから、私を見た。 「そろそろ、行きましょうか」  店員さんに会計をお願いするケンイチさんの姿を見ている

          まるでタンポポの綿毛のような③【最終話】

          まるでタンポポの綿毛のような②

           スマホを睨み続けて、恐らくもう一時間近く経つ。短い文章を打っては消し、打っては消し。そんなことを繰り返している私は、一体何がしたいのか、自分にだってよくわからない。  ケンイチさんのIDを検索して、フレンド登録した。だから相手にも、もう私の連絡先はわかっているはずだし、私が連絡を取ってもいいと思っていることだって伝わっているはず。  昨夜はありがとうございましたとか、楽しかったですとか、ご迷惑をおかけしましたとか、当たり障りのないことだけ送って、あとは相手の出方を待てばいい

          まるでタンポポの綿毛のような②