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クリープハイプが聞こえない

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クリープハイプの曲を聞いてイメージしたお話を書いています。一話完結。大目に見てください。
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クリープハイプが聞こえない Vol.5『蜂蜜と風呂場』

クリープハイプが聞こえない Vol.5『蜂蜜と風呂場』

 眠たい目を擦りつつキッチンへ向かうと、彼女はまだ起きていた。ダイニングテーブルに座りパソコンを叩く姿に「仕事?」と聞けば、「まぁね~」となぜか得意げに笑う。
「そっちは?こんな時間にどうしたの?眠れないの?」
「うん、まぁ」
「なかなか眠れないならゆっくりお風呂に浸かるといいよ。それかハニーラテ作ろうか?」
 ハニーラテ、は、料理の苦手な彼女が唯一作れる得意料理らしい。本人がそう言っていた。得意

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クリープハイプが聞こえない Vol.4『左耳』

クリープハイプが聞こえない Vol.4『左耳』

 ゆーゆは、一度寝たら絶対に朝まで起きない。彼の家に泊まる時は必ず借りるライブTシャツは、ずっごくダサくて嫌いだけどダボダボ具合が丁度いい。今回は、そのダボダボにミッションを阻まれたりした。小さく寝息をたてるゆーゆの腕の中からそっと抜け出して、下敷きにされたダボダボ部分を引っ張り出すと、なんと、彼が「ん、」と身じろぎしたのだ!
 これは私が悪いんじゃない。これは必要悪である。というか、歯切れの悪い

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クリープハイプが聞こえない Vol.3『イノチミジカシコイセヨオトメ』

クリープハイプが聞こえない Vol.3『イノチミジカシコイセヨオトメ』

 久しぶりに返ってきた地元は、田舎過ぎて何も変わっていなくて、ただ実家の塗装は少し剥がれていて、壁も汚れていた。「昔は新築だったのにね」と母に言うと「20年も経てばそりゃ汚れるよ」と興味なさげに返され、話題はすぐに今夜何食べたい?という内容に移り変わった。私は今年で20歳になる。人間も、20年も経てば汚れるものなのかなぁ、お母さん。



「突然帰ってくるから驚いたわ」
 大して驚いた様子もなか

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クリープハイプが聞こえない Vol.2『栞』

クリープハイプが聞こえない Vol.2『栞』

 ソータとの出会いは、カフェだった。注文したコーヒーを取り違えてしまったのは私にも関わらず、「すいません、そっちが僕のかも」と丁寧に声をかけてきてくれたのが印象的だった。すいません、すいません、を繰り返すものだから、私のほうが謝りそびれてしまって、居心地が悪いまま席を探しに行った。結局、座席はカウンターの隣合った二席しか空いていなくて、居心地が悪い中、彼と隣り合わせで座った。
 カウンターから見下

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クリープハイプが聞こえない Vol.1『エロ』

クリープハイプが聞こえない Vol.1『エロ』

「ねぇ、聞こえない。私このバンド好きなの、ボリューム上げて」
風になびく髪を片手で押さえながら、助手席の彼女がそう言った。ボリュームくらい自分で上げればいいし、まずは窓を閉めたらいいのに、と多少不服に思いながらも、俺は握っていたハンドルから片手を離してボリュームを上げた。運転はもちろん道案内をするわけでもない彼女は、さっきから、ペットボトルの蓋を開けてほしいとか靴を脱ぎたいのにサンダルのボタンが外

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