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社会人を15年やって気づいた「手に職」の真意

[手に職]の3文字でググると、それはまぁ大量の職種名が出てくる。
医師、看護士、薬剤師などの医療系を筆頭に、美容師、栄養士、宅地建物取引士、エステティシャン、ネイリスト、マツエクまで、実に多種多様だ。

確かにこれらは資格や検定の試験があり、突破しないと名乗れないものも多いという。

しかし、本当にこれら全て、手に職つけて生きていける仕事だろうか。逆に、これ以外は「手に職をつけられていない仕事」なのだろうか。

そもそも[手に職]って何?

僕は、どんな仕事もプロフェッショナルじゃないと務まらないと思っている。どんな職業にも、その職業なりの難しさ、コツがあるのだろうと思う。

むりくり例えるなら、打楽器奏者が、「俺トライアングルなら出来る〜!」と軽んじられるとブチ切れる、と(一部で)言われているあの感覚である。
確かにトライアングルは、本格的に音楽を経験していない者には分かりやすい楽器かもしれないが、ただ「チーン」と叩けばいいと思ったら大間違いだ。
気が遠くなるほど天井が高く奥行きのあるホールで、周囲がシーーーンとした状況の中、ピアニッシモの音を1つだけ奏でなければならないあの状況に、貴様の豆腐メンタルは耐えられるのか、という話だ。

これを言い始めると無駄に熱が入るので、話を職業に戻す(当方音楽経験者のため例えがこれしか思いつかない)。

僕の主観では、現職に納得感のない女性転職者に「手に職をつけたい」という希望の声が多いように感じる。しかし僕は問いたい。あなたが今までやってきた仕事は、手に職にするほどの価値が感じられなかったのですか、と。

僕は「信念を持ち、この仕事を極める、という気持ちで取り組み続けたら、いつしかそれは[手に職]になるのではないか」と考えている。

この世は不確実性で成り立っている。確かなものなど何もない。
現状、医療系の資格は絶対的に必要だが、例えば薬品で全ての病を治せる時代が来たら、極論、医師という資格が不要になるかもしれない。
自動車の電動化が進んだりしてシンプルな構造になったら、自動車整備士という国家資格もなくなるかもしれない。

こういうことを考えると、そもそもの意味の確固たる[手に職]なんて存在しない気すらしてくるのだ。

転職を考える前に、今の仕事の意義と目的を再考すべし

小林一三氏の、大好きな言葉がある。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」

僕の仕事は資格がなくとも出来るし、正直最初は「この仕事を極めたい!」という高い志があったわけではない。
しかしこの仕事の意義や社会にもたらす影響を僕なりに考え、誇りを持ってやってきたつもりだ。その中で、クライエントが問題を抱えているなら解決策を見出すべく頭を抱え、笑顔が見られれば幸せを噛み締めてきた。
僕に話を聞いてほしいというクライエントも、僅かだが存在する。有り難いことこの上ない話だ。

その信頼関係が構築できたら「手に職がついた」と言ってもいいのではないだろうか。日本一になれたかどうかなんて烏滸がましい話だが、要は、誇りを持って誠実にその仕事に取り組んでいるか否かという点に尽きると思うのだ。

やめることは簡単、続けることは難しい

どんな仕事も、続けた者には敵わない。僕の職歴などまだ「続けた」うちに入らないが、手に職がついたその先には、新たなビジネスや世界が広がっているのかもしれない。

退職理由の1位は、人間関係だというデータもある。転職の理由はそれぞれだが、自分のため、そして次に出会う仕事のために、ぜひもう一度考えてみてほしいと切に願う。

今まで自分が取り組んできた仕事が、自分にとって、社会にとって、どんな意味があるのかを。

サポートしてくれたら嬉しいです。 微力でも"若者が生きやすい社会"を目指す力にします。 ちなみに、❤️はジョーク神籤にしてみたので 気が向いたら運勢占ってみてください。