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年末のご挨拶と、ウォンバットのうんち
あっという間に今年が終わる。年々はやくなるというが、ほんとうにそのように感じる。思えばクリスマスも年越しも、子どもの頃みたいに特別なものではなくなった。自分の誕生日すらもそうだ。幼いときには毎月29日がくるたびに「あとなんヶ月」とゆびおりかぞえて、いよいよ12月になり、27、28と近づいてくればそわそわと、日付が変わる瞬間をいまかいまかと待ち侘びたものだった。そんな暇なガキだった私も、おとといぬ
もっとみる『私からの眺め』からの眺め
涼しげに咲いていた紫陽花も暑さのあまり色褪せて、あっという間に夏がきた。
日本の夏は蒸し暑くてかなわない、と海外の人はよく言うけれど、私はこの水分をたくさんふくんだ空気が好きだ。
冬のあいだはするどい風のかたちをしていた空気が、むわりとやわらかい姿に変わり、あらゆる植物のにおいを漂わせてみっちりと街を満たしていて、どこまでも続く海の、ぬるい波をおしのけて歩くようで心地いい。
とくに夜の散歩は
サッカーボールが飛んでくる
小学生のとき、私は休み時間のグラウンドを歩くのがきらいだった。
サッカーボールが飛んでくるからだ。
ある放課後、校門に向かう途中でクラスメイトの男子が蹴ったボールを顔面キャッチ、鼻血を出して保健室に運ばれたが、それからというものグラウンドを歩けばサッカーボールにあたるようになった。
サッカーボールの呪いである。
グラウンドのど真ん中を横切ったり、ゴールの前に立ち塞がったりなどしていない。