見出し画像

【デビルハンター】「ジュディ婆さん」シリーズを読もう【老いと人生】

よくきたな。お望月さんだよ。
たったいま【デビルハンター】シリーズの第五話が完結したところだ。俺は拳を握り人生を全うする難しさと悔しさと美しさの奔流に耐えている。俺は近々渋谷へ足を運ぶつもりだ。

今日はNote屈指の高濃度ババアアクションノベル「ジュディ婆さん」シリーズを紹介する。ジョン久作先生(あえて"先生"と呼ぼう!)の連載シリーズは多くのパルプスリンガーを虜にして、なお連載中だ。しかし、まだ一般層へのアプローチは少ないため、こうして筆をとった。(末吉 宏臣さんがキャッチしていたので広範囲へ訴求できる魅力があるはずだ!

物語:悪魔による事件が多発するアメリカ大陸で魔女の末裔ジュディ婆さんが特殊能力を用いて事件を解決する。ジュディの母親を殺した因縁の"あの男"を殺害するため、ジュディらデビルハンターは今日も悪魔を狩るのだ。

作品ジャンルは、ハードボイルドババア、アクション、サスペンス、バイオレンス、退魔師、必殺仕事人、バディ/ケイパーもの、群像劇、人間椅子、その他たのしいものいーっぱい。実写化したらR15だろうか。

▼連載マガジンだ。フォローしよう。

この記事では物語のマイルストーンとなるポイントについて解説をしていく。(あくまで私が読んでグラッと来た部分です)

◆パイロット版/逆噴射小説大賞投稿作

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #1 (第1話:1/4)

山中に老婆の死体。そこへ追い老婆が追加されて死体を喋らせる。悪魔の仕業と見抜いた老婆は手斧を撫で獰猛な笑みを浮かべる。

逆噴射小説大賞でも大賞候補となっていた作品。非常に好評で私は一発でハマった。しかし、真価は連載開始後にやってきたのだ。

◆連載開始!デビルハンターの真意が明らかに!

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #2 (第1話:2/4)

いきなりFBIゴードンの首が舞うという完璧なロケット導入。小説大賞に応募したので話が進んでいるという前提で「現状こうなってまっせ」という場面を見せつつ《叙述トリック》を仕込んでいる。

話を少し巻き戻す。狂言回しとしてどんどん場面を進めるジュディ。追う一般人ゴードン。自信満々で「扉をバーンとやって、アーッ! ズン! YES!」こんな婆さん好きにならないはずがない。しかし、事態は急転、冒頭の首が舞うシーンに辿り着き、鮮血が雪原を赤く染める!多くの謎を提示して、次回へ続く。

ちょっとまって。聞いてないぞこんなの。イタコ婆さんが殺人犯を追い詰める話じゃなくて、バーン!アーッ!ズン!な婆さんと異能を備える悪魔の戦争じゃないか。やべえ!面白すぎる。

#3の種明かしパートや #4のエピローグ&ブリッジ回でも加速するんだけど、続きはぜひ確かめてくれ。

◆強大な敵が出現する。奴を殺さねばならない。

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #5 (第2話:1/3)

小柄な婆さんがでかい車に載っている。車のスペックは乗り手に比例するという。つまりジュディ婆さんは見た目では測れない六輪駆動車のような婆さんということだ。 孫娘くらいの年代のエリザベスと共にジュディ婆さんは山間部の寒村へ向かう。
寒村の教会で奴らの歓待を受けたエリザベスが規格外の異能を発動して瞬く間に片づける。この能力には事前にヒントがあり伏線があったのでまったくもって不自然ではない。能力の出しどころと演出がめちゃくちゃうまい。

このエピソードは、デビルハンターに対抗する勢力の顔見せになっており、短いながらも濃密で徹底的に描かれている。徹底的にだ。 #7冒頭のジュディのセリフには身を凍る想いをした

こうしてジュディ達を取り巻く世界観が明らかになり、老婆がハンターとして戦いに身を投じる理由が明らかになり、我々はデビルハンターに肩入れすることになるのだ。

◆これまで名前だけ出てきたキャラクターが強そうに登場。読者の何割かはここで達した。

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #8 (第3話:1/5)

幹部級会議。なんと胸の躍る言葉か。
ジュディ敗北の顛末が、無数の死体に5秒ずつ喋らせるという壮絶な光景と共に明かされる。奴らの目的。人質の奪還。彼らがこなさねばならない事件は多い。そのため物語は群像劇として展開していく。ジュディ婆さん不在のエピソード本編は、有名な「アレ」をモチーフとした事件だ。悪魔の悪罵のキレが凄まじくドライブ感のあるバトルと共に一気に楽しむことができる。こいつは読むコロナだ!

◆ミニエピソードを挟みながら壮大な伏線を張るヤツ。

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #13 (第4話:1/3)

今回はミステリー回だから、あんまり内容を書けない。犯人を推理してみよう!一方、老紳士ヴィクターは日本へ向かう。

◆日本編大人気御礼!センターカラー!

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #16 (第5話:1/4)

アル中の老紳士ヴィクターは"助手"と共に少年を保護するために日本へ向かう。そこには無鉄砲な復讐鬼イタルに迷惑を掛けられたという在日ハンターの姿が。

最新話です。ジュディ婆さんが不在、第三勢力同士がぶつかり合う構図。やたら丁寧な人物描写等、いつものテイストから若干離れたエピソードだ。ヴィクターがよくしゃべり、非常に読みごたえがあり、クライマックスでどうなったのかは、私の冒頭の様子を見てほしい。

よくきたな。
たったいま【デビルハンター】シリーズの第五話が完結したところだ。俺は拳を握り人生を全うする難しさと悔しさと美しさの奔流に耐えている。俺は近々渋谷へ足を運ぶつもりだ。

是非、続きはみんなで確かめてくれ。
結局マイルストーンと言いながら全話レビューになったが許してほしい。

今後のジョン久作先生のご活躍をお祈り申し上げます。

未来へ

未来なんてない? あるよバカタレ。

このところコンテンツ大渋滞なのでNote内を巡回しきれていませんが、これからも長編連作を読んでヤっていきます。急に大量通知がいったらゴメンね。

◆追記◆

本記事投稿以降に連載されたエピソードへのリンクです。(シリーズのクライマックスなので解説を避けます)

第6話

第7話

◆Here come the new old lady!!◆

さらなるババアが出現!! 今度はダンジョンアタックだ!!
これまた大評判なので早く読みたいぞ!(手元の本とKindle Unlimitedを全部を片付けなきゃ)

関連記事

▼作者作成の見出しだよ。

▼末吉 宏臣さんのジュディ評

▼お望月さんの逆噴射小説大賞以降の作品ピックアップ


この記事が参加している募集

推薦図書

コンテンツ会議

いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。