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超短編小説の文字数。

 カーテンを閉めて、夜の街並みに別れを告げる。暖房のスイッチを入れて、そのまま本棚へ移動する。一冊の本を抜き出してから、机に戻り写経をはじめた。( ちなみに写経とは、誰かの文章をそっくりそのまま書き写すことをいう )

 本のタイトルは、『夜のくもざる( 新潮社 )』である。表紙には安西水丸さんが描いた親子らしきくもざるが二匹。親くもざるの背中に子くもざるが乗って二匹ともわらってる。タイトルの上には、こう書かれている。「村上朝日堂超短篇小説」。文章を書いているのは村上春樹さんだ。

 しばらくのあいだブックカヴァー鑑賞を愉しんだあと、大きく深呼吸して適当なページをパッとひらいた。スパナ、と太文字で書かれていた。冒頭からぱたぱたと規則的にタイプしはじめる。

 真由美が最初に鎖骨を砕いた若い男は、スポイラーのついたニッサン・スカイラインに乗っていた。
・・・
(中略)
・・・
 そりゃ、ま、そうだろうけど。

 冒頭と締めくくりの一文だけでも、ちょっと読みたくなる人もいるのではないかと思う。じっさいに書き写していてもおもしかったし、短い文章の流れやリズムも勉強になった。しかし今回の目的は別のところに置いていて、ひとつの超短篇小説の文字数を知りたかったのである。

 816文字。

 原稿用紙二枚ぶん。ふむふむ、なるほど。そうしてちなみに、どうしてこの文字数をチェックしたかったその理由は、コレだ。

 400文字でしのぎを削る「逆噴射小説大賞」に選ばれた作品自体もおもしろかったのもあるのだが、その400文字という制限がよかった。さらっと読み終えられて、その世界観にすうっとひたれたのだ。

 web小説というジャンルにおいては、短い文字数はひじょうに相性がよいと思った。僕は先日こういう宣言をしたのもあるが、( ある程度の分量の )小説を書いている。ただしその作品はnoteでは発表しない予定だ。

 だけれども、このnoteでも小説を発表したいという思いはやっぱりあって。この超短編小説という分量はちょうどいいかも。と、ピンときた。そこで、村上春樹さんの超短編小説の文字数を知りたくなったのである。

 その結果、400文字だとすこし短すぎて書ききれない感じがするが、800文字だと( ほんとうに ) 小さなお話だったらば完結させられる感じがした。

 ただ、ま、どうするか決めてはないけど。

 もし書くことに決めたら、ぜひ読んでくださいね。

追伸、、、
「第1回逆噴射小説大賞」の大賞ではないのですが、個人的にはこの作品がすきでした。この冒頭の言葉にやられましたね。いいわぁ。

死人に口なし? あるよバカタレ。
-ジュディ-


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