【SLAM DUNK GI】162話「輝く星を見据え」
愛知の星と呼ばれた諸星大の周囲の扱われ方は、メディアのみならず、学校内や街中でも顔が差した。時にその状況にストレスを感じることはあったが人気者の宿命とも言える状況を諸星自身も理解していたし、いいプレーをして試合に勝てば、通常の何倍もの声援、黄色い声援をも浴び、それは決して嫌なこととくくることは出来なかった。普通の人には味わうことの出来ない快感であることも事実だったからだ。
大学バスケット界でも河田雅史をはじめとする山王勢、付属高校である海南大学と強豪の勢力図は継続した。
そして河田雅史がその頂点に立ち去就が注目されていた頃、同学年のライバル達は一足先に進路が決定していた。
牧紳一、南烈はCBAリーグ、
https://note.com/tyimage/n/n811939d48cb9
土屋淳はJBAリーグ、
藤真健司はJBAリーグのオファーを断りストリートバスケ界へ、
諸星大もその実力、人気が認められ、JBAリーグからのオファーが絶えなかった。プロ化に積極的で地域に根ざしたチーム、リーグ運営を掲げ、そのタレント性で広告塔としての役割も担って欲しいという触れ込みがあったのは察していた。
それでもバスケットを続け、職業に出来る喜び、そしてタイトルを獲るというモチベーションがJBAリーグ入りを決断させた。
しかし諸星にとっても驚きのニュースが飛び込んでくるのであった。
河田雅史のJBAリーグ参戦だった。JBAリーグ所属選手は日本代表に選出されない。
日本代表の未来を担う若き逸材の河田は当然、日本代表、選出資格のあるCBAリーグ入りが当然の流れだと誰もが疑っていなかったからだ。
「河田がJBAリーグか、、、、三度、立ちはだかるんだな、、、?」諸星
河田雅史は2年後に海外挑戦を前提として異例の契約として注目を浴び、河田自身も目標が明確になりタイトル獲得をミッションとしてプレーした。
諸星大も入団後、チームの看板としてスタメンを獲得し、文字通り人気選手としてプレーし、時にはチームイベントのメインとして矢面に立った。
「諸星君! サイン下さい!」「キャー 諸星君が手を振ってくれたー!」
「諸星! もっと笑顔ふりまいて。」チーム関係者
「あっ。はい、、。」諸星
会場は黄色い声援にも包まれ、イベントは盛況に終えた。
「これも仕事の一つなんだよな、、。。」諸星
その姿を目に焼けつけた諸星大。
「もっとやらなきゃ、、、もっとやらなきゃ 俺が奴に勝つためには、もっとやらなきゃだめなんだ。」
そう自分に言い聞かせていた。愛知の星が真の意味で輝くその姿を見据えながら、諸星大は来シーズンに向けて、オフ返上で始動するのであった。
続
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