27.「伸び続けるサービス」に大事なものとは何か?【起業・新規事業】
今回は、持続的にサービスを伸ばすために最も必要だと思うことを
テーマに書きます。
▼伸びるサービスには、何が必要か。
新規事業、スタートアップがグロースできるかどうかは、
外的環境、タイミング、優秀なモデル、など様々な要素があります。
一時は、破竹の勢いで成長をしていても、いつの間にか失速している
ということは日常茶飯事です。
いわゆる「約束された成功」は存在しないと思っていますが、
伸びる=持続的な成長をつくると定義したときに
「核」となるポイントは以下の3つだと僕は思っています。
1つ目は、前回のPMFというエントリー(以下)でも詳細を書いたのですがそのサービスが、その時のユーザーにとって必要不可欠なものや
仕組みを創ろうという点にフォーカスをしていることが多いと思います。
2つ目は、サービスの魅力です。
「そんな抽象的なこと言わないでくれ」と指摘されそうですが、
ここで言いたい「魅力」とは、
相手に感じてもらいたい価値を「一言で」もしくは
相手にわかるように「言い換えて」言語化したものです。
僕は、サービスがシンプルな強さを持っていることは、
とても大事だと思っています。
例えば洋服、食品、コスメなど、
実際に目で見たり、手に取ったりすることができるものであれば、
魅力が一目瞭然なことも多いですが
サービスやソリューションなど、無形の商材は、
魅力を伝えるということが、なかなか困難です。
例えば「営業支援のシステム、ソリューション」などの類は
世の中に数えきれないほどあります。
なので、どんなに素晴らしい機能や、導入のしやすさを前面に出しても
それが、自分たちに何をもたらしてくれるのかがわからなければ、
なかなか必要性を感じてもらうのは難しいと思います。
なので、「相手の課題解決」+「自分・自社の在り方」この2つを
存在させることが重要なのだと思っています。
例えば
・「あの件どうなった?」がなくなる営業管理の仕組みを提供します。
・契約更新の時期に胃が痛くならないマネージャー向けの営業管理の仕組み
など。これも1つめの習慣化に通じますが、
利用する人が、常日頃、頭を悩まされている、うんざりしている負の感情をなくすことです。
ここがどれだけ具体化されているかが、顧客の支持を得られるかがポイントです。
そして、3つ目。これが僕は一番大事だと思っていますが、
サービスを行う「人、組織そのもの」です。
よりよいサービスは、よりよい組織の上に成り立ちます。
どんなに対外的なメッセージや営業トークが素晴らしくても、
顧客の期待を満たせず、失望されてしまえば二度と戻って来てくれません。
解約率を下げるために、リプレイスを防ぐことに躍起になっても
穴の開いたバケツに気づかず、頑張って水を注ぎ続けることと同じです。
サービス初期で、一人~数人でもサービスが担保できるなら良いですが、
顧客が増えて、組織としての体制が必要になってくると、
急ピッチで採用や人を集めなければいけないという課題がでてきます。
次節で、少しこの部分を深掘ってみたいと思います。
▼人員拡大を急ピッチで進める上で必要なこと
人員拡大をするときに、採用側、特に社長や経営陣が、
明確にしておかねばいけないことが
以下の2つだと思っています。
▶1.組織としての判断や決定の基準を明確にすること
▶2.なにを評価するかを明確にすること
これだけでは抽象的なので、それぞれ補足してみます。
▶1.組織としての判断や決定の基準を明確にすること
事業拡大で採用を進めていく場合には、
まずはプレイヤーとして採用し、
実務を通じてパフォーマンスを見るという
例が多いと思います。
まだ規模が小さいうちには。
自走してもらうことは必要ですが
僕がそれよりも重要だと思うのは
「組織としての一員」であってもらうことです。
よくあるパターンですが、
例えば営業(後々は責任者候補)として雇用したが、
枠組みや教育などは存在してないので、
頑張って自走してねと、個人に任せることです。
もちろんそういった環境やマインドをウェルカムだという
人財を雇用するとは思うのですが、一つ間違うと
自走を促す→やり方がわからず試行錯誤する→自己流になり共有知がない→そのまま人員が増える→新しい入社者にも伝わらない→組織というか個人の集まりになる。
と、組織としてあまり宜しくない循環が起こります。
(いわゆる、どこでも起こりうる「属人化」です)
もちろん個人、個人の力は突出したものかもしれませんが、
先述した通り、サービスは組織(仕組み)の上に成り立ちますから
個人がいくら優秀でも、組織全体を通じて顧客満足を上げなければ
穴が開いたバケツ問題はそのままになります。
なので、組織拡大の採用を進める上で何が必要かというと、
採用要件にあった人を雇うことだけではなく
「組織としての規範」なのです。
つまり
・大切にしなければいけない考え方(社長が自ら言葉にする)
・人を育てるという長期的マインドを持っている
・どういう判断をするか(※指揮命令に現れるかもしれません)
このあたりを社員にインプットしてもらいながら
自走してもらうということです。
「スタートアップなどの小規模な組織では、がむしゃらな試行やパフォーマンスこそが優先で、組織論や行動規範的なものは後付けでもよい」
という意見もあるかもしれません。
もちろん、そうした見方があることも承知していますが、
僕は、個人の納得感が組織を生み、組織としての強さが
サービスのパフォーマンスを生むものだと思っていますので
むしろ逆に考えています。
なので、共感をしてもらえる方は、
是非、早期のうちに取り組んでみてほしいと思っています。
▶2.なにを評価するかを明確にすること
採用と評価をセットで考えている方も多いと思いますが、
これも特に初期のうちに設定をしておきたい、
大事なポイントがあります。
それは▶1にあげたことを、
どう評価に反映させていくかということです。
評価には、様々な考え方はあると思うので、
こうでなければいけないという定石は中々定めづらいものです。
一点、将来的に、経営陣の代わりに組織を率いる方
(つまり組織のマネジメントを行う方)というのは
共通項があると思います。
それは
「人の成長や他人を喜ぶのが好きな人」です
よく「優秀な営業マンが、優秀なマネジメントと限らない」
といわれますが、
どの場面でも、「主語が自分」になっている人は、
組織を成長させることよりも、興味が常に自分に向いています。
圧倒的なパフォーマンスを出すのは得意かもしれませんが
組織を育むのは違うスキルがいるのです。
サービス自体の根底にあるのは、「利他の精神」ですし、
組織も、互いの成長を喜び合えるような尊重が無くしては
大きくはなりません。
ただ、このあたり明確さがないと、個人のパフォーマンスや
組織の中で目立つかどうかで、評価が決まってしまうということも
少なくありません。
その采配自体が否定されるべきものではないのですが、
評価を決める経営サイドとしては、
・組織運営を任せられる人(大切にしたい規範を理解し伝えられる人)
・売上成果を挙げ続ける人(成果をガンガン挙げていきたい人)
これらのポジションは切り分けて考えるべきですし、
キャリアパスも異なるものが必要です。
なので、よりよいサービスを磨いていくということにおいては
1にあげたような、「組織として大切なことを理解している」
ことを評価の柱の一つに置くことが大切になってくるのです。
これは事業規模の大小やフェーズを問わず、
組織を創っていくと決めた瞬間に明確にしておかねばいけないことだと
僕は考えています。
▼まとめ
今回は、事業やサービスをグロースさせていくにあたって
大切だと思うことを、組織にも踏み込んで書いてみましたが、
サービスの成長=組織の成長と連動しているということが
最も伝えたいことです。
サービスや事業は、単体で存在しているものではないので、
それを動かす人(開発する人)と、
使い続けてくれる人
の両社が膨らんでいくことで初めて成り立つものだと思っています。
これから事業を拡大していきたい、
新規事業を生み出していきたいと思っている方は
是非、チェックしてもらえればと思っています。
今回はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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