11_個人がチームに変わるとき
1.事業も戦略も、人がいなければ動かない。
事業を成長させるのは、まぎれもなく人の力です。
モノでも、カネでもありません。
特に創業初期のメンバーは
「社長の右腕」的な存在でもあります。
経営サイドに立ち、ほぼ更地の状態から仕組みを創り、
自走できる人である必要があります。
だからこそ、「創業期に誰を仲間に招くか」というテーマは、
事業を軌道に乗せることよりも難しく、重要な、組織の生命線です。
ただ、そのような超重要プロセスにも関わらず
その集め方や、ひいては信頼関係の作り方については、
教えてくれる人はあまり多くないように感じます。
なので、今回は、創業初期に強固な組織体制を創る、というテーマで、
筆者の過去の経験則も交え、トピックを書いていきたいと思います。
2.まずは「行動規範」からです
・ペースを揃えることの重要さ
まず時間について同じ感覚(時感覚)を持つようにすること。
これは重要なポイントです。
例えば、重要度と優先度の高い仕事をお願いしたが、
思うように進捗しないというケースがあります。
相手も重要性を理解し、一生懸命取り組みはしてくれている。
ただ取り組むペース、時間的な感覚にややズレがあって
確認すると、求めるところの50%くらいしか進めていない。
「マネジメントの悩みあるある」なテーマかもしれませんが
これは初期の段階でも発生しうることです。
そもそもスタートアップの組織では、マルチタスクが基本で、
お互いに時間がない環境です。
「なにをいつまでにやるか」という
期日管理的なコミュニケーションは重要ですが、
社長が、都度タスク管理しなくてはいけないのは非効率ですし、
何より互いにストレスを抱きやすくなります。
これが、組織が少し大きくなり所掌範囲(いわゆるCXO)が
明確に分かれてくると、乖離はますます広がります。
なので、まず初めに、時間の感覚を合わせておくこと。
そのためのコミュニケーションが重要です。
具体的には、「時間×行動」に紐づく考え方を規範化しておくことです。
ポイントは、これをただのルールづくりにしないということです。
「なぜそうする必要があるのだろうか?」を話し合いながら、
明確にしていきます。
・志と価値観、どちらが先か?
初期は特に「バリュー」=「価値観・行動規範」が重要です。
多くの場合、まず事業として「なにを目指すか」から考えます。
なので「パーパス」「ミッション」「ビジョン」といった
「志」の言語化が先行しがちです。
しかし「バリュー」こそ、個人から組織に進化していく過程において、
最優先、必要不可欠であり、組織の「土壌」となるものだと思っています。
以前の記事で書きましたが、
バリューは、社長個人の中で内発的に育ち、磨かれていくものです。
ただ相手も同様に、自身の価値観や判断基準を持っています。
組織で動くということは、ここのリンクが大変重要です。
無理くり、相手に迎合する、もしくは迎合させる必要はありません。
双方の考え方を尊重しながら
「組織として何を価値基準にしなければならないか」という
行動規範を言語化する必要があります。
もちろん、「たかだか数名規模でそんな話は全く早いのではないか」
という声もあると思います。
ただ「組織としての在り方」が存在していないという影響は確実にでます。優秀な社員がコンプラ的にアウトなことをしていたり、認識の齟齬による社内の不満・不信感が現れたりという形で、表出してきます。
これは実は2~3人の組織だろうと、100人の組織だろうと変わりません。
むしろ、結構早い段階で発生してきます。
なので規模の大小によって、優先度を変える類のものではないのです。
3.相互にカバーできる関係であること
忙しい時に、「自分があと3人ほしい・・」
と一度は思ったことはあるのではないでしょうか。
創業初期は、こういう感覚で、人を探しはじめることも
多いように思います。
たしかに自分と同じような能力があって、
自走してくれる方がジョインしてくれれば、とても心強いです。
ただ大事なのは、自分と同じ能力を持つことではなく
「自分のニガテを補ってくれる人」のほう。
これを見極めることです。
人が二人いれば、チームになります。
そして、チームワークとは強みのかけ合わせです。
パズルのピースのように、お互いに補完しあえることは、
特に初期の組織においては重要なファクターです。
これだけなら、当たり前だよね。でおしまいなのですが
これを本当の意味で実践していくために、筆者が大切だと思うことは、
社長が、自己の弱みの部分も深く理解し向き合うこと
だと思っています。
そこがないと、信頼関係において重要な
「相手への敬意を持つ」ということが難しくなりますし、
「相手の悪いところにばかり目が向く」ようになります。
なのでこれから一緒に仕事をしていく段階で、
しっかり自己開示をしたうえで
「だからこそあなたに〇〇を任せたい」というミッションにつなげていくことが正しい順序だと思います。
4.苦しい時にどう動くか
・苦しさは平等。その時に本音が現れる。
ここは避けては通れないと思います。
イケイケで伸ばしていた売上が伸び悩む=「踊り場」は必ず訪れます。
その時は、社長のみならず、みな苦しいです。
苦しい時に、人の行動は分かれます。
大きく分けて
「他責で動く人」「自責で動く人」です。
よく、苦しい時であればなるほど、
自分はやっているが、相手が動かない(自分にはボールがない)という
スタンスになる人が沢山います。
これでは組織はますます停滞します。
面接などでもよく出る質問フレーズの1つかもしれませんが、
苦しい時に
「周りに対してどういう言動をするか」
「どう行動してきたのか」
が実は一番重要です。
ただし自責で考えるといっても「自責」=「自己犠牲」ではありません。
やみくもに大量行動をするだけではなく、
自分の行動で変えられる範囲のことを考えつくし、見定めて、
やりきる姿勢を持っているかどうかです。
・苦しい時に冷静でいられるか
前項の通り、特に社長の右腕となるような人であれば、
苦しい時にこそ、どんどん開拓・推進をしていく必要があります。
ただ同時に「冷静さ」という冷却装置を組織が
もっておくことは大事だと思っています。
調子が悪い時には、組織全体に余裕がなくなります。
余裕がなくなれば、お互いに会話やコミュニケーションが減ります。
つまり視野も世界も狭くなります。
これは先の補完の関係例であげた、
「ロジカルタイプ」×「パッション(感覚)タイプ」
に近いかもしれませんが、
経験上、ロジカルがベースの社長でも、
余裕がなくなってくると
「なぜ今その行動を選択したのか?」
という合理性のない行動にたどりつくことが多くなります。
そこに一石を投じてくれる存在が大事なのです。
ただ頭や字面ではわかっていても、
余裕がない時ほど人の忠告が入ってこない
ということも、組織・現場のリアル、あるあるだと思います。
なので、もしあなたに右腕的な人がいるとするならば
冷静さを欠く判断をしようとしたら「自分を諫めてほしい」という約束をしておくことや、予めお互いにしかわからない「キーワード」のような言葉をきめておくなども有効に働くと思います。
相手が気後れして、意見ができなくなってしまわないように
そういうことを言い合える規範を創っておくということも大事になります。
「くるしい時こそクールに」ということを大事にしていきましょう。
5.まとめ
今回は、創業初期の仲間集めというテーマで書きました。
あくまで個人の見解なので、これ以外にもたくさんの手法があると思いますし、実際にもっと上手くやっている例はもっとあると思います。
組織は2人以上になった瞬間に、マネジメントが発生します。
それは上司・部下という文脈もそうですが、
同じ温度感スピードを持ち、組織としての在り方を定め、遵守できるよう、
管理するということです。
一見、地味な活動ですが、これが将来的なカルチャーや
将来的にはガバナンスなどにも発展していきます。
初めての雇用の段階から取り組むことは決して早計ではありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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