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14_「起業」には「愛」が必要。


▼このテーマを読んでほしい方
・いつか起業をしたいと思っている方
・自分の強みがわからないという方
・起業をしたが、このままでいいのかまだ迷っている人
・プライシング(値決め)に迷っている方


いきなり変なタイトルですが
今回は、「起業」というものについて
ちゃんと考えてみようというエントリーです。

背景と主旨を述べておきますと、
筆者は、約1年前に起業をしました。
そして「起業を応援している派」です。
ただ手放しで、「どんどん起業しようよ」とは、勧めません。
人には様々な事情があるわけですし、成功しようとすれば、
全精力をつぎ込み、総力戦で挑むくらいの根気と時間はやはり必要です。
生活スタイルや、家族・友人との関係も変化するかもしれません。

そんな中で、巷には、起業や経営者を目指す方向けに、
アドバイス、セミナー、書籍、無料相談会などたくさんあります。
この中で言われるアドバイスは本当に有益で、糧となるものなのか。

今日現在、自分が持っている視点で書いてみようというのが主旨です。

■起業のハードルは下がっている?


「起業」というと、多くの人が、構えてしまうのではないでしょうか。
しかし起業するだけならば、この瞬間からでもできます。
会社だってすぐに作れます。

仮に手元に、元手も何もなかったとしても、
「自分は〇〇の専門家だ」と宣言し、
そこに価値を感じて、お金を払ってくれる人がいれば、起業は成立します。
(もちろん法律・道徳など、世の中のルールは守った上で、です)

今は発信の手段も充実しています。
SNSを使えば、簡単に人と繋がれます。
クラウドソーシングなどプラットフォームもたくさんあります。
それだけでも、そのような整備がまだ乏しかった時代と比べて
起業の道は、踏み出しやすくなったと言えるでしょう。

ただ多くの人が止まってしまうのは
何を、誰にどう売ればいいのか。
どうやって自社と自分のことを知ってもらうのか。
どうやって事業を大きくしていくのか

ここを明確にイメージできないことです。
いざ起業してみて左右を見れば、
自分と同じことをしている人は山のようにいます。
トップ層のプレイヤーとは相当な実績数の差があります。
ブルーオーシャンは、みんな探しています。
おいそれと見つかるものではありません。
ただ待っていても、助けてくれる手は差し伸べられません。

つまり
起業のハードルは低くなっていますが
同時に成長のハードルは高いままなのです。

実際に起業後3年以内に半数以上が廃業をするそうです。
起業をして、さらにそのビジネスを軌道に乗せていけるのは
本当に一握りで。甘いものではありません。

話を主旨のほうに戻しますが、
だからこそ、なにをどう考えるべきかを
少しでもお伝えできればのです。

ただ、これは個人の経験に基づく見解が含まれていますし、
自分よりも、優れたやり方をしている人は沢山いると思いますので
あくまで参考にということです。
また批評・否定をする意図はもちろんありませんので、予めご容赦ください。

■起業時によくあるアドバイスの一例
1)「立派な志もビジョンもなくてもいい」
2)「自分の強みや得意分野を探すことが正しい」
3)「いいもの(プロダクト)を創ることにこだわれば、自ずと売れる」
4)「実績を作るため、初めは格安・無料提供するのが良い」

1)「立派な志もビジョンも無くてもいい」のか


いわゆる「想い」です。

目的次第ですが、起業家そしてその先の経営者を目指していくなら、
これを明確にしないまま、起業してはダメだと思います。

理由は色々ありますが、
やっぱり「苦しい時の拠りどころ」は「自分の想い」になるからです。

起業後は
「中々、売上につながらない」
「取引先もいつまで契約が続くかわからない」
「融資も下りるかわからない」
「まわりの起業仲間の順調なら話を聞いて、打ちのめされる」

こんな「不安や焦り」が、常に心中に渦巻いています。
もちろん逆境に自己奮起して、進められる人も一定はいます。

ただどんな強い人間も、苦しく、もがく状態が長く続くと、
だんだん適切な判断を下せなくなっていきます。
そうなると、いつの間にか、
「自分たちのためにお金を稼いでおくこと」が
第一の目的に変わります。

これがトッププライオリティになることによる作用は
やりたくない仕事を、我慢して受けてしまう
・極端に安い値段の仕事でもOKしてしまう。
・すぐにお金になるかどうかしか基準にならなくなる。

こういう意思決定を繰り返してしまいやすくなることです。
一応補足ですが、
自分たちが食べていくこと=「ライスワーク」はもちろん重要です。

ただ、まずは飯を食えるようになるためと「我慢」に終始してしまうと
「なんのために起業したのか」という問いに対して
答えに詰まる瞬間がやってきます。

「いやいや、志を語ることなんて、誰にでもできることだ。
 まずは食い扶持を稼げるようになってからであって
 その前に、志があるかどうかなど、ちゃんちゃらおかしい」


このような話になると、必ずこのようなご意見をもらいます。

ただ不思議なことに、「とりあえず食っていけるようになる」
ということを目指していくと、そこがアッパーとなってしまい
その後伸び悩んでしまうというケースをたくさん見てきました。

いわゆる「今はトントンで何とかやれています」という状態です。

勿論、それでも良いという人はいます。
ただ、自分は何のために起業をしたのか
事業を通して何を成しえたいのか、

突き詰めると
何をやって、何をやらないのか」
これは心のど真ん中に置いておく必要があります。

暑苦しい理想論。時代にそぐわない。スマートじゃない。
といった批判があるかもしれません。

それを踏まえたとしても
筆者はやはり「志」は重要なことだと痛感しています。

ただ、初めからガチガチに固めておく必要はないということです。
初めは粗削りでもよいということは強調しておきます。
色々な人との折衝や話を通じて意見を取り入れることで
自分が何をすべきかは、磨かれていくからです。

2)「自分の強みや得意分野を探すことが正しい」のか


起業をする人にとって、これは何度も聞くフレーズだと思います。

答えは「YES」なのですが、
ただ筆者はこの強みということに、
どこか引っかかりと言いますか、違和感がありました。

それは
自分で、自分の強みがしっくりこないということはありませんか?」

先に述べた通り、同じ分野でも、自分よりもできる人
すなわち、「上位互換」は山ほどいます。
自分にとって「強み」だと思っていたものでも、
何倍も上手に、実績も、発信もたくさんしている人に溢れています。

そこで心が折れて、別の強みを探そうとして
強みさがし迷子」になってしまうことも少なくないように思います。

かといって、差別化だ、差別化だ、とこだわりすぎても、
行き過ぎると「それって誰が欲しがるの?」というものが
できてしまうこともあります。

何が言いたいのかというと、

なにを「強み」にするかは全く自由です。
ただ、それは漠然と探すものではなく、
自分で決めるものだということです。

例えば、「WEBマーケティングコンサル」が
自分の強みだというのは自由です。

しかしそう言っている人のことを、
WEB上で露出が全くなかったとしたら
その人の言葉に説得力を感じることはできません。

自分の能力を盛りなさいというつもりはないですが
一度、自分の中核となる強みを決めたならば、
それを本当にしていく努力」のほうが大事だということです。
これは一足飛びはなく、愚直さと真っすぐさが必要な努力です。

例えば
「マーケティング力」に強みと置くとしたならば
人間の思考のメカニズムをわかるために、
人間心理や認知・行動を研究し続けるような努力。

「営業力」に強みを持つとしたならば、
どんな業界も開拓できるように、人脈やネットワークを
増やし続ける努力などです。


強み」とは、積み上げの結果です。

そして、それを言い続け、人からフィードバックをもらい、
研磨することで、段々と輪郭が出ていきます。

なので、「自分の強みは何だろう?」と思っている方は
好きなことでも、できることでも何でもよいと思います。

まずは「決める」ということに
フォーカスをした方がいいと思います。

3)「いいもの創りにこだわれば、自ずと売れる」のか。



売れないです。

語弊がないように言うと、その時のタイミングや時勢など、
色々な偶然が重なるなどで、一気に導入が加速するケースもあるにはあります。
だだ、それは定石ではなく、レアケースです。

どんなに善いものを提供しても、
見つけてもらう、知ってもらうための努力は必要不可欠です。

「プロダクトアウト」、「マーケットイン」という言葉は
聞いたことある方も多いのではないでしょうか。

前者は、創り手側が、創りたいものを創って、市場に投入する手法。
後者は、市場の課題を見つけて、そこに合わせたサービスを提供する手法。

です。
ここで言いたいのは、
どちらかが良くて、どちらかが悪いということではないのです。
なぜなら、これは経営戦略などによって変わるからです。

ただどちらも「誰に届けるかが明確でないといけない」ということです。
つまるところ、ターゲットありきなのです。

いいものをつくろうという姿勢は前提条件ですが
それが善いかどうかを判断するのは、相手です。

例えば、自分のサービスを紹介するページ(LP)や
物販であれば、ECモールやネットショップのページを作ると思います。

多くの場合は、制作をする際に、
ターゲットや検索するキーワードなどは意識すると思います。
もしかしたら「広告」を出すことも念頭に置いているかもしれません。
ただ、前述の通り、どこにいっても競争相手はほぼ確実にいます。
どうやって、あなたのサービスや商品を良いと思ってもらうのか。

そのためには、「誰が」にピントをもっと合わせる必要があります。

・見てほしい人(ターゲット)には、どこで出会うのか。
・その人は、どんな時に、どんな言葉で検索をするのか。
・その人は、自分のサイトをどうやって見て、どこに注目するのだろうか。
・何を期待して、購入もしくは問い合わせをしてくれるのだろうか。
・なぜ話を聞いてみようと思ってくれたのだろうか。
・購入するかどうかを判断するときに、頭の中で何を悩むだろうか。
・その時にはどんな表情をしているだろうか。

このような、顔の見えない方の動機を想像し、
導線や戦略を設定します。

タイトル回収ですが、
このように、いいサービスや商品を創り、
顧客のことを考えて導線や営業戦略などを突き詰めることは
」がなければできないのだと思います。

ターゲットや導線を考えるなんて、当たり前のことだ
と、客観的には思うかもしれません。

しかしこれは筆者も経験済みですが、
思った以上に、「創ることだけに集中してしまう人」が多いのです。
多くの場合、アクセスやリアクション、ひいては販売数が伸びないと
モチベーションが保てなかったり、見切りをつけて
別の手段に活路を求めたりします。

しかし、顧客のことを「愛」のレベルで考えてくと、
悩む前に、やるべきことはもっと明確になってきます。
同時に、仮説を検証をしなくてはいけないことが
尽きないくらい、沢山出てくるはずなのです。

4)「実績を作るため、初めは格安・無料提供するのが良い」のか


これは、3)にも関連してくるテーマだと思います。

実際に筆者も実施したことがありますが
実感したことは「モニター」とか「無料」とかは、
客寄せではなく、その先につながる改善と戦略がありきだということです。

とりあえず無料でもいいからやらせてもらって実績を創りましょうよ

と、こんな提案をする人もします。
でも、そのあとは具体的にどうするのでしょうか?
また無料でいいですよ、という触れ込みで乗ってきた人は
どれだけあなたのサービスや商品を本気で使ってくれるでしょうか。

起業したての事業は、まだふわふわとした状態です。
十分に顧客の課題解決ができているかはわかりません。

3)の通り、仮説検証を繰り返し、
商品・サービスを磨かないといけないのです。

顧客は、本当に敏感です。
サービスの提供の仕方、内容、伝え方を一言間違うだけで、
ズレや違和感を覚えてしまいますし、顧客満足度に影響します。
それだけで、もう買ってくれなくなることもあります。

これは、たぶん自分が顧客になっても同じことをしているのです。

顧客の課題に、商品やサービスをフィットさせるためには
走りながら、何度もサービスを変更(ピボット)をして
脱皮しないといけないかもしれません。

なので無料というのは「実績を創るために」よちも
「価値を磨くために」というのが正しいかなと思っています。

ただ、先述の通り、思っている以上に注意すべきです。
「無料ならいいよ」というニュアンスの顧客は、
その後に、一生懸命に関係を築こうとしても、
フェードアウトしてしまうケースがやはり大半です。
「営業力の問題ではないか」と言えばそれまでですが、

基本的に、「価値」に対しては、必ず「費用」が存在します。
その原則を無視すると、安売りになってしまいます。

WTP(Willingness To Pay)という考え方があります。

顧客が、「この値段だったら、その価値にお金を出すよ」という最大価格の指標です。

もちろん、「業界相場」というものは存在しますが、
あなたのサービスの価値は唯一無二のはずです。
このWTPを見つけることが、経営においては骨子の部分になります。

変に「格安」や「無料」戦法を武器にしてしまうと
ここの実感を得ることが難しくなってしまうリスクもありますので
注意をする必要があります。

■やはり起業は「愛」だと思います


本当はもっとたくさんの書きたいですが
今回はここまでにいたします。

起業をしようという方の、バイタリティは凄いですし、
尊敬されるべきだと思います。

これからの日本にとって、起業家から成功する経営者を
増やすことは、最大のテーマになると考えています

難しい経営理論や格言みたいなものは沢山ありますが
やっていることは
皆に喜んでもらうものを創る
それを届ける
利用して多くの人に喜んでもらう
自分も利益が出て喜ぶ

このシンプルなサイクルの繰り返しだと思います。

経営のセンス、アイデア、資金調達能力などはたくさんありますが
ここに寄り添っていくことが一番大事な能力になると思います。

かなり長文になってしまいましたが
「起業をどうしようか考えている」
「いつかは起業を目指したい」
という方にとって、一部でも参考になる部分があればと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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