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短歌②

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題詠短歌
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短歌 題詠「カメラ」

スマホよりわざわざ昔の選び撮る
流行ってるから酔いしれたくて

*井上

小窓よりのぞきし地球(ほし)の狭しこと フィルム回せど手の中にあり

*広瀬凌也

短歌 題詠「エアコン 」

田舎から出てきて暑さにバタンキュー片手にアイスとゼロ距離エアコン

*井上

小さき部屋に氷河期来れど地球には温もりきったエゴの洪水

*広瀬凌也

短歌 題詠「風」

短歌 題詠「風」

凧揚げに掴まり忍者になれるかな?昔の夢をあの風に乗せ

*井上

草花は空から吹ける風に飢えている ほどよくゆれていたくて

*広瀬凌也

短歌 題詠「草」

短歌 題詠「草」

花よりも妥協されては踏まれる草更に目立たず日陰者でくさ

*井上

夏草の得る陽光を遮って知らぬばかりに背徳は来ぬ

*広瀬凌也

短歌 題詠「空」

短歌 題詠「空」

ふわふわと泳いでいこうと思うほど雲一つない逆さまの海

*井上

草も木も生を求めてその茎を空に伸ばさん 行く末は......でも

*広瀬凌也

短歌 題詠「店員」

常連の銘柄覚えスタンバイ感謝に一言今日も頑張る

*井上

人間を捨てて演じている君の観覧料はいつも0円/h

*広瀬

短歌 題詠「時」

短歌 題詠「時」

我が家にて時を知らせていた音は時間の波が押し流したよ

*井上

現在はすぐ死ぬから誰か秒針は抑えて海へ行こうっ……雨だ

*広瀬凌也

短歌 題詠「眼鏡」

短歌 題詠「眼鏡」

長いこと連れ添い生きる今生きるそれは眼鏡もう1人の僕

*井上

レンズ そこから見えるのは本当に君か だんだん遠くなりゆく

*広瀬凌也

短歌 題詠「夕方」

短歌 題詠「夕方」

日に比べ気分は上がる目は霞むだんだん海に底に昇るよ

*井上

夕刻を知らせるチャイムいつまでも遊びたかった声が聞こえる

*広瀬凌也

短歌 題詠「別れ」

ああすれば幾度も無駄に悔やんでは昨日の僕にサヨナラしよう

*井上

残されて我は漂う 地平線すらない無味の世の塵になり

*広瀬凌也

短歌 題詠「桜」

短歌 題詠「桜」

徒桜 君と見比べ酒を飲む次も共にと手を繋ぎながら

*井上

見頃とか無いと思うよ 君と会うその時だけに来る春心

*広瀬凌也

短歌 題詠「再会」

短歌 題詠「再会」

行く道をずれて彷徨い夜を見る 再会の日を祈るみたいに

*広瀬凌也

よく会うねなんて顔ではにかむ君とのプチ再会に続く幸せ

*井上 

短歌 題詠「観覧車」

短歌 題詠「観覧車」

やはりまた回り続けるこの町を永遠に眺める(まだ見えないよ)

*広瀬凌也

景色よりガラスに映る横顔に見とれてたから
また回りたい

*井上

短歌 題詠「春」

春雨に煽られて散る花びらの墓地に変わりし舗装路を踏む

*広瀬

今日こそは家の外へと這い出ては虫のように季節を嗅ぎたい

*井上