見出し画像

《球事好事》東の海を越えて注目された甲子園の土

◎京都国際高校の甲子園優勝は、同球場100周年の節目を飾る画期的な出来事だった。

 甲子園球場創設100周年の節目に、夏の全国高校野球選手権大会の頂点に立ったのは、全校生徒わずか160人の京都国際高校(以下、京都国際と記す)。互角に戦った関東一高の善戦も見逃せない。両校の健闘に心から喝采を送りたい。

球児を見つめる側にも必要な多様性

 さて、純粋な感動の域から外れて、京都国際が韓国系民族学校が前身であり、校歌が「東海を越えて…」から始まる韓国語の歌詞が、全国中継されたことへの反響は大きかった。ただひたすらに白球を追いかける球児達へ、そしてスポーツの世界に政治性や民族性を持ち込み、偏狭なナショナリズムで同校を貶める書き込みを見て、教育の大切さをまざまざと痛感させられた。
 筆者に言わせれば、実力で勝ち上がった京都国際の校歌が、たまたま日本語でも英語でもなく韓国語であった。それ以上それ以下でもない。例えば今後、アメリカをはじめ他国のインタナショナルスクールが母体の学校が勝利し、同様に頂点に立って英語や外国語の校歌が流れても、彼らは同じ反応を示すのだろうか?

 ところで、韓国側マスコミの報道では、以下の報道が目立った。
1)韓国系学校の京都国際が日本の夏の国民的行事で頂点に立った
2)韓国語の校歌が7回もNHKの生放送で全国に轟いた
3)甲子園とは一体、日本の球児や国民にとってどんなものか

 1)と2)は、スポーツの世界では選手同士の健闘を称えるのが第一ながら、国際大会で国の威信をかけたプライドを切り離すことは難しく、今回の同校頂点も同様の心理が働いたと自己弁護しながらの報道だった。

日本海の向こうからは、甲子園を初めて知り、表彰式と閉幕式の荘厳さが羨ましいと語った人が多くいた

 更には現地報道を見た韓国民の反応はやはり、韓国が勝って日本が負けたという冒頭の日本側ナショナリズムの逆バージョンもあれば、
一、甲子園には100年超の歴史があり、日本の野球文化の奥深さを初めて知った
一、韓国のプロ野球は熱狂的だが、高校野球もそうあってほしい。地域と学校の名誉をかけた戦いが素晴らしい
一、坊主頭の若い選手の躍動は青春そのもの。敗者も称える礼節ある姿は美しい
一、高校野球の一大会の閉幕にこのように荘厳な儀式があるとは凄い

(以上趣意翻訳)
との、日本の野球文化へのリスペクトも多く見られた。
 最後に心に残ったのは甲子園の土に注目し、敗者は甲子園の土を持ち帰り、勝者は持ち帰らないのか?という素朴な疑問の声(韓国の球場は内外野総天然芝)があり、なるほどと思った。
 因みに甲子園の土について筆者は、競技者目線から先日以下の持論を述べている。

 日本の高校野球の試合環境が世界で通用し、出場チームの多様性を成熟した目で見守りながら、聖地「甲子園」の名が更に世界に轟くことを願っている。

https://youtu.be/58o1gIKYx-s?si=uPJ9KlLTRI1eeM3q

(以下随時追記)


#甲子園 #京都国際高校 #関東第一高校
#高校野球 #優勝 #校歌 #教育

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?