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turtle
2020年6月29日 17:30
就活破れ大学院入れず縁談終わり......と愚痴ってもしょうがない。私は自分の人生の目標の一つとして、甥に勉強を教える事を当てた。 しょうもない義兄は甥に飲み込みが悪いと直ぐ腹を立て、教える事を放棄するらしい。仕事の後疲れているのは分かるが、それでは子供はたまったものではない。大体分からない奴に限って偉そうなのだ。私は家庭教師のスキルをフル活用し、甥に接した。 子供に勉強を教えるのは楽し
2020年6月20日 22:07
姉が反りの合わない嫁ぎ先から戻ってきたのは3ヶ月前だ。 人間が2人いたら個性と能力に差が出るのは当然だ。一卵性双生児ですら差がある。しかし、姉はどうしても納得できなかった。 姉には妹が生まれて喜び可愛がる場合と、自分だけに愛情が独占出来ずに僻む場合と2つのタイプがいる。姉は、後者だった。私が生まれた時の家族写真で姉は私から顔を背けていた。 私が幼少期で分別がまだない頃、姉は自分の新しい
2020年6月19日 20:05
「お前、いい感じになったなあ。」 義兄の粘りつくような視線に気づき、慌てて浴衣の胸元を正す。義兄の職場環境が改善されたのを機に多少なりとも病状が回復した姉が義兄の元に戻り、義兄発狂前から続けられていた毎年恒例温泉旅行を再開したのだ。 空虚な形だけの心の無い家族旅行。隣で義兄がべらべらと薄っぺらい時局論を延々と述べる。父が力なく聞き流している。話は焼き物が冷えても続き、甥は硬くなった肉を食いち
2020年6月19日 11:07
1階で姉と義兄と甥が両親と歓談している。私は2階のベットの上で膝を抱えている。彼らは甥の治療の為1月に2泊3日する。そして両親の目を盗んで私に嫌がらせをして、憂さを晴らして去っていく。 なんでこんな事になったのだろう。私の脳裏には姉と義兄の結婚顔合わせの為、義兄一家と我が家がホテルで顔合わせをした頃が浮かんでいた。 ものすごい高級でもなく、かといって顔合わせの席にふさわしくないほど低レベルで
2020年6月19日 10:42
「死ぬ~!」 姉は2階の寝室から喉が引きちぎられそうな声で叫ぶ。1階の洗面所から駆け上がった私は淡々と2重窓を閉め、カーテンも閉める。向かいの住民は目を背けて奥に引っ込む。彼らが私と口を利かなくなり、ゴミ出しの時に顔を背けるようになって久しい。 ベランダに向かおうとする姉を仁王立ちで遮り、泣き崩れる姉をベットへと向かわせ、機械的に背中をさすり、声が漏れないように口元に当てるよう枕を渡す。ある程