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義母の企み〜姉妹仕舞い

 1階で姉と義兄と甥が両親と歓談している。私は2階のベットの上で膝を抱えている。彼らは甥の治療の為1月に2泊3日する。そして両親の目を盗んで私に嫌がらせをして、憂さを晴らして去っていく。
 なんでこんな事になったのだろう。私の脳裏には姉と義兄の結婚顔合わせの為、義兄一家と我が家がホテルで顔合わせをした頃が浮かんでいた。
 ものすごい高級でもなく、かといって顔合わせの席にふさわしくないほど低レベルでもないホテル。財閥系企業系列のお見合い所紹介から勧められたホテル。
義兄は上記企業の系列とはいえ、大手電気メーカーの孫企業に勤めている。「ほどほどでいいの。」という姉の要望にちょうどいい規模とレベルを満たしていた。

その席で、義母は姉との縁談を褒めそやし、
「是非お宅のお嬢さんとの縁談をお願いしたい。私共は、息子を養子にしてもいいと思っているのよ。」
とまで口にした。
 この言葉に私の両親は感動した。私もこのように言ってくれるのなら姉は大切にされるであろうと姉の為に喜んだ。姉のコンプレックスは肥大化の一方を辿り、実家では家族がどれだけ彼女の美点を見つけ褒め励ましても嫌味にしかとらない。であれば新天地で人生を送った方が幸せになるであろうと考えたのだ。しかし、この言葉はカッコウが托卵するという意味だと理解するのに長くはかからなかった。


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