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在庫の話⑤ 在庫日数と商品回転率

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。
日曜は在庫の話。

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商品回転率と在庫日数

この2つが表現しているものは、
実は同じでその見え方が違うだけです。
公式を見ればそれは明らかです。

【商品回転率=売上高/在庫高】
【在庫日数 =在庫高/売上高】
基本的には「売上」と「在庫」から算出され、
どちらが分母かの違いです。

前回、在庫日数のお話で
「日数」を出すなら1日の売上で割り、
「月数」を出すなら月の売上で割ると言いました。

在庫回転率も同様で月回転率など出せますが、基本的に特に指定が無ければ年に換算して表現しますので、在庫日数も年換算に合わせてみます。

掛け合わせたら「1年」になる

商品回転率は
【1年】の<売上高>を<在庫高>で割る
在庫日数(年数)は
<在庫高>を【1年】の<売上高>で割る

この関連性がよくわかるのは、両方を掛け合わせてみることです。
商品回転率と在庫日数をかけてみると
「1年=12か月≒360日」になります。

逆に1年を「商品回転率」で割ると「在庫日数」に
1年を「在庫日数」でわると「商品回転率」になります。

分かりやすく例を出して計算してみます。

■月に10個売れるものを20個在庫していれば
 商品回転率は「6回」
   →年間売上120個/在庫20個
 在庫日数は 「2か月分」(1/6年)
   →在庫20個/年間売上120個

では、掛け合わせてみます
 月で表現するなら 
  2か月分×6回転=12か月(=1年)
 年で表現するなら
  1/6年分×6回転=1年 

1年を回転率で割ると、在庫日数になります。
 →12か月(=1年)÷6(回転)=2(か月)

■月15個売れるものを12個在庫していれば
 商品回転率は「15回」
   →15(月売数)÷12(在庫数)×12(月)
 在庫日数は 「24日」
   →12(在庫数)÷15(月売上数)
    =12/15=24/30月分=24日分

やはり在庫日数と商品回転率を掛けると1年になります。
   →24日×15回転=360日≒1年

1年を在庫日数で割ると回転率が出ますし、
回転率で割ると在庫日数が出ます。
  →360日(≒1年)÷24日=15回転
   360日(≒1年)÷15回転=24日

増えたら減る相関関係

在庫日数が増える(売上に対して在庫量が増える)と
 回転率が下がり、
回転率が上がる(売上に対して在庫量が減る)と、
 在庫日数が短くなります。

表現しているものは同じで、見える数字としては
増えたら減る、減ったら増える、と
お互いの増減が逆になる相関関係になります。

回転率も上がって、在庫日数も増える、
回転率が下がるとともに在庫日数も減る、
等といったことは起こりません。

この数字の関係性がわかっていれば
その状況や着目点に応じて、どちらかを見ればよく、
両方を同時にマークする必要はないことがわかります。

私は上司から、商品回転率を聞かれ、「○○回転です。」と答えると、
「回転率はまぁまぁだな、在庫日数はどうだ?回転率だけじゃなく、いろんな面からしっかり数値を見ろよ」と返されることが時々ありました。

数字がしっかりわかっていれば、このような質問や指摘は起こりません。

私の上司たちは、彼らの世代が学んでこなかった理論にも必死に食らいつき、若いものに負けまいと、上司らしく論理的な面も見せようとしていた素敵な方々でした。

だから、どうこう言うことはありませんでしたが、
今は後進にもしっかりと指導、説明しなければならないでしょうし、自分の数値管理上も理解が必要な範囲です。

つづく

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