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【理論】品揃えと価格論⑯ プライスポイントに顧客がいる

いらっしゃいませ。
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プライスポイントを品揃えの中心にする

プライスポイントはその店のその品種で最も支持されている価格です。
780円がプライスポイントなのに、品ぞろえを強化しようというと、780円のちょっと上やちょっと下の品目を揃えようとしてしまいます。

780円を支持してくれる客層で成り立ってたこのお店が
違う方向へ舵を切ろうとしているのですから
顧客からみた品揃えのイメージはやはり変わってしまいます

多少、新規客層を取り込んだ分
「なんか最近変わってきた」と離れていく客も出てきます。

人気を高めようとするときは
強みの強化をすべきで、周りに手を付けるのはそのあとです。
ましてや自分の強みを捨ててしまうのは論外です。

では、人気No1の価格であるプライスポイントに集中して品目を増やすとどうなるか。

ここにバリエーションが増えると、商品の好みが合わなかっただけの顧客も取り込めるとともに、元々の顧客にも選択肢を増やしてあげることが出来ます。

その時の気分で買い分けることもできますから、「たまには違う品を」と、別のお店に行くことも減っていきます。
自分が最も好む価格と品質の商品を複数の中から選べるようになります。

倍々ゲームで売上げは伸びる

プライスポイントに集中させると単価は変わりませんが、
購買頻度が上がるというのは
 単純に客数UPにつながります。
来店頻度が上がるというのも
 単純に客数UPにつながります。

1人の常連客が
月に12回来店して、そのうち3回に1回買っていた品の売上は
12×1/3=月に4個です。

来店頻度と購買頻度が上がった場合はどうなるか
月に18回来店して、2回に1回は買うようになると
18×1/2で月に9個の売上です。

顧客数は同じなのに、1回で買うのはいつも1個なのに
売り上げは倍以上に増えています。

これだけお店のファンになったこの顧客は、「私は最近、あの店ばっかり行ってる」と口コミでほかの客も連れてきますから、顧客数そのものも徐々に増えていきます。

今、自店を利用してくれている顧客に、少し高めの商品や別の商品を買わせようとしたり、来てない客をあてもなく取り込もうとするのではなく、顧客の要求をさらに満たしてあげることです。

顧客満足度をさらに高めることで、来店頻度・購買頻度・顧客数、これらが増えていき、それらは掛け算で売上高を増やしていきます。

客数を伸ばすのは本当に大変

売上を上げる過程において、ある意味最も困難なのが顧客数の増加です。新店オープンではその話題性で一気に一見客を集められますから、これを機として顧客数、常連客の獲得を目指すのが新規開店セールです。

客数や売上が減り続ける既存店で最後の手として、この新店オープンセールと同じ効果を狙うのが、新装開店セールです。

売り場の改装や品揃えの変化を経て、従業員のマインドリセットも含めて、改めて強制的に来店客数を増やそうとする試みです。

店舗の規模にもよりますが、これには簡単なものでも数百万から数千万のコストがかかります。セールで数千万から数億の売上を上積みしたところで元が取れるものではありません。

その後の客数増に賭けているわけです。
客数を増やすというのは、それほどに難しいことであり、
企業やお店の運命を左右する決定的なものです。

それだけに、正攻法で客数を増やす方法は
真摯に、論理的に考え実行されるべきですが
ここには意外に真心などが論じられたりします。

そして技術面においても、注目を集める手段や
マーケティングの理論などのなかでも、単なる一時集客策が語られます。

目先を変えるための小手先の技や、
「多様性」を理由とした泡沫的な発想の
品揃えや売り場づくり、店舗づくりも乱発されます。

プライスポイントがわかっているのに、そこ以外を充実させようなどといった、小手先の策謀は、顧客に簡単に見破られ、客数に返ってはこないのです。

ここに必要なのは、「真心」とか「多様性」とかいったキーワードへの対応ではなく、単純に顧客の求めを真摯に見極め、そこに品揃えをまっすぐに返してやることです。

つづく

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