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#ネガティブな過去
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自分から人に声を掛けられず独りぼっちの中学三年間を過ごし、勉強するしかなかったののり子は地域でも有名な進学校に入学した。
そこは百数十年の歴史がある、地域でも有名な女子高だった。
その学校は自転車で片道45分位の「街なか」にあった。
これまで周りが田んぼだけの小中学校だったのり子にとって、「大人の世界」へ飛び込んだような気がした。
同じ中学からはのり子を入れて2~3人しか入学していない、
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入学式の早朝、のり子は自転車に乗り、中学校の玄関に貼られたクラス分けの表を確認しにいった。
「どうか、A君と違うクラスでありますように」
番長的立場のA君から1年間いじめを受けたのり子は小学校を卒業してから今日まで、指を組んで神さまに拝む姿勢を何度もしていた。
眠る時もその祈りは眠りに入るまで続けていた。
そして、彼とは別クラスになったことを知った時、初めて眼鏡をかけたあの瞬間のように、世