シャッター音が鳴り響くスタジアムをそのままにしてはならない。
今年も24時間テレビが終わった。
1番印象に残ったシーンと言えば、タレントの堀ちえみさんが舌がんの手術(舌の6割を取り除く)後、初めてファンの前に立って歌を歌うコーナーだった。
もう一度みんなの前で歌を歌いたい。
その想いを叶えるために、言葉を発するのも難しい状況から、厳しいリハビリを乗り越え、このステージに辿り着いた。
この場面が印象に残っている理由には、堀ちえみさんの応援隊の方々が集まり、離れた場所から熱い応援や声援する姿が同時に中継されていたこともある。
堀ちえみさんの不屈の努力と、家族をはじめ周りの方々のサポート、そして熱いファンの存在。
これに勇気づけられた方も多かったに違いない。
ファンの存在は、いつの日も大きな支えになるし、前に進むチカラを生みだすことができるのだ。
ここでは、Jリーグのスタジアム観戦をした際の気づきを基に、そのファンの存在を、広げていくためのヒントを書いていきたいと思う。
1.感染対策が徹底されたスタジアム
同じ日に、浦和レッズ対ヴィッセル神戸を、埼玉スタジアム2002に観戦しに行くことができた。
Jリーグのスタジアムでは、新型コロナウイルスにおける感染対策として、観客数を減らすなど、様々な制限が行われている。
埼玉スタジアムでも6万人を超える収容のキャパシティがある中で、5000人までの観客を入れるという対策をしている。
バックスタンドは、こんな感じ。
スポンサーの看板が下段中央に並び、その周りを観客が間隔を空けて座っている。
かなりゆとりを感じられる。
2.心から楽しめていたのか?
ゴール裏もこんな感じだ。
前後左右2席ずつ間が空いていて、かなり広々としている。
屋外でこれだけの距離が保てていたら、感染の怖さを感じる事は少ない。
入場やトイレの導線でも、ソーシャルディスタンスが徹底されていて、安心して観戦することができた。
運営されているスタッフの皆さんやサポートしていただいているスポンサーの皆さんに、感謝しかない。
じゃあ、試合は楽しめたのか?
正直に言うとイエスではなかった。
けっして、試合に負けたことが原因ではない。
Jリーグのスタジアムの魅力であった、熱量が全く感じられなかったこと。
これが本当に残念だったのだ。
3.熱狂のスタジアムの記憶
先ほどの写真を昨年のスタジアムの写真と比べて欲しい。選手入場前のほぼ同じシーンだ。
この時のスタジアムは熱気に溢れていた。
ヒリヒリとした緊張感があった。
一緒に闘いチームを勝たせようと言う想いがスタジアム中にみなぎっていたのだ。
4.寂しさを感じる理由
もちろん、昨日の試合でスタジアムに集まった4435人のサポーターたちは、チームを勝たせようと最後まで必死に拍手を送っていた。
選手たちも勝利に向かって、必死に闘っていた。
それはわかる。
だけど・・・
拍手が収まった場面で鳴り響いていたのは、離れたところいるカメラマンたちのシャッターを切る音だったのだ。
寂しい。
そして、同時にものすごい危機感を感じている。
新型コロナウイルスの脅威はまだ収まっていない。
この先、何年も続いていくと言っている人もいる。
ワクチンが開発されたとしても、withコロナの生活様式は変わらないのかもしれない。
もし、この状況が続いてしまったら、あの熱狂的なスタジアムに戻れやしないのではと。
では、どうしたらいいのだろう。
5.熱狂を取り戻すために
ひとつには、コロナの対策を取りながらの応援の緩和があると思う。
今、サポーター達に与えられた応援手段は、拍手のみだ。
拍手で伝えられるのは、肯定の応援のみ。
相手チームにプレッシャーをかけられるものではないし、怒りや悲しみを伝えることもできない。
喜怒哀楽の表現ができないのだ。
SNSなんかにある、いいねマークだけでは本当の感情が伝えられないのと一緒だ。
これでは、スタジアムにいる意味が持てないという人も出てきてしまう。
そこで、サポーターたちの感情を表現しスタジアムの熱量を上げていくために、段階的であるがこんなことはできないだろうか。
●打楽器や手拍子の解禁。
(拍手がOKなら、ルールを決めればこの辺りも安全に運用してできると思う)
●デジタル、モバイル機器の有効活用
(音声アプリ、スタジアムスピーカーなどの活用)
●スタジアムビジョンの有効活用
(事前収録したサポーターのメッセージをスタジアムビジョンに投影するなど)
さらに、大型スタジアムでソーシャルディスタンスを保てれば、こんなことも検討をしてもいいかと思う。
●声出し応援の一部解禁
(エリアを制限した中で、フェイスシールド&マスクを着用義務化しての声出し応援の解禁)
6.とにかくチャレンジをしていくこと
他にもスタジアムの熱量を上げていくために、いろいろな事が考えられるだろう。
今のままを絶対に固定化してはいけない。
安全を守りながらも、とにかくチャレンジをしていくこと。
これが必要だと思う。
そこには運営側の努力も必要だし、サポーターたちの協力も絶対に必要だ。
それでも、あの熱狂的なスタジアムを取り戻すためにはやらなくてはいけないのだ。
歌を取り上げられたカナリアは、歌を忘れてしまうと言う。
愛するJリーグのスタジアムを、そうさせてはならない。
※8月26日追記
8月25日に改定された感染対策ガイドラインでは、9月7日以降の手拍子の解禁が書かれています。
まずは、一歩進んだ感じですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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