【新連載】真夜中の森を歩く 6-1
日々は遅滞なく進んだ。ミツロウはそれが不思議なことのように思えた。深夜の教会での出来事以来なにもやる気が起きず、倦怠感が身体を支配していた。前田さんもナナちゃんもその顔を見たくなく、携帯電話が揺れるたびにそれを見えないところに隠した。
仕事に対しても以前のような情熱を持つことはできずただ毎日をなんとなくやり過ごしていた。
朝目覚めるのがつらく、日中も眠気と憂鬱な気持ちに悩まされた。ときおり吐き気が込み上げてくることもあり、それは決まって夕方だった。頭は空虚さで満たされ、身