T(私)

漠然とした吐き気に襲われながらも、周りの人間に恵まれているからこそ、何とか生きてけてい…

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漠然とした吐き気に襲われながらも、周りの人間に恵まれているからこそ、何とか生きてけている、無能男。 noteで語ることは主観とはいえノンフィクションのつもりだが、記憶違いが無いかと他問われると自信が無い。 不登校児、フリーター、大学生と通っていき、現在は社会人になるも……。

最近の記事

T(私)のフリーター時代③ 高永という女性について

真実の愛を知る時があるのならば、真実の恋を知る時もあって然るべきだ。 真実の愛に比べて真実の恋とは、そう探すことに難儀するものではないのではないかと私は考える。 たとえその想いが自分本位のものであっても、どんなところに惹かれていたとしても、心惹かれるのがその人しかいないという想いがあるのならば、それは真実の恋なのではないかと私は思っているからだ。 恥ずかしながら、高校生どころか中学生ですら既に知っていてもおかしくない真実の恋を私が知ることになったのは、フリーターとなってから

    • T(私)のフリーター時代③ 池山という男性について

      フリーターとして夢を追う人は珍しくはない。 私は東京で働くまでは小さな地元の中でしか生きてこなかった人間だから、そんな当たり前のことを忘れていた。 それを教えてくれたのは、書店の先輩である池山(いけやま)さんという男性だった。 池山さんは自分をフリーターと自虐していたが、フリーターらしからぬ人だった。 ジャンル問わず知識量は多く、その知識を無知な人間に伝える能力も高かった。 また、語学力に関しては目を見張るものがあり、決して少なくはない外国人客に対して、常に臆することなく英

      • T(私)のフリーター時代② 大西という男性について

        貴方は、本当の善人というものを見た事があるだろうか? 私はある。それが、書店で働く大西(おおにし)さんという男性だった。 歳は28。斜視なのか生まれつきなのか、ギョロッとした眼をしているのに邪気の無い笑顔を見せる、愛嬌のある人だった。 私の勤める書店は珍しく深夜帯まで営業している店舗であり、大西さんはその深夜帯をメインに働いているアルバイトの人だった。 私も当初は時給面の関係で深夜帯での勤務をしていたので、次第に話す事が増えていった。 彼は、本当に優しい人だった。普通、人

        • T(私)のフリーター時代①

          普通に生きることは難しい。 昔からそう思っていたが、昔も今もその気持ちに変わりはない。 普通に学校を卒業し、普通に会社に勤めて、普通に恋愛して、普通に結婚して、普通に子供を設けて、普通に家を建てて、普通に天寿を全うする。 それが難しいことであると感じ始めたのは、中学で不登校になり始めてからだっただろうか? 私は努力が嫌いな人間だ。特に、関心を持てないものに対してはなおさら努力ができなかった。 学校の勉強において、それは顕著だった。 努力しなかった理由は、ありがちな理由だ。

        T(私)のフリーター時代③ 高永という女性について

          T(私)の高校生時代②

          彼女が欲しい!!!!! さて、真の友人というものを得た私はまた一つ欲が出てきた。 ぶっちゃけて言うと、彼女が欲しくなった。 私も大名も同性愛者ではない以上、男同士では出来ない青春というものはどうにもならない。それ以外に無理に気の合わない友人を作ろうとする無意味さを察してしまったし、加えて言うと、大名は本当に自分の都合や気分が向いた時にのみ相手をしてくれる猫のような男(ただし可愛げは全くない)だったので寂しい時も多々あった。 色々と言い訳したが、ぶっちゃけ彼女がいる高校生活と

          T(私)の高校生時代②

          T(私)の高校生時代①

          私は馬鹿だ。 当然、学校の勉強も苦手である。 得意な教科は?と問われたら、国語と体育(の一部競技)しかないくらいに。そして高校の一般入試において武器となるのは国語一本のみとなるとそれはそれはご愁傷様であり、畳みかけに中学三年生時には不登校になって勉強を疎かにしていた末路は、偏差値が50あるかないかの志望校(女生徒が多いという猿のような理由で志望した)すら落ち、行き着く先は定員割れの偏差値40すらないかもしれない超底辺高校だった。 通って早々に、私は嫌気が差した。 ヤクザの

          T(私)の高校生時代①

          T(私)の中学生時代②

          部活に行かなくなった中学生のプライベートは、どっと増える。 塾にでも行っていれば話は別なのだろうが、私は行っていなかった。 そもそも勉強は嫌いだったので、勉強をしようという発想もなかった。根本的に、努力が嫌いだったのだろう。 では、私はどのようにしてプライベートを過ごしていたかというと、それは二次元の世界の満喫である。 さて、ここで一つ話を挟ませてもらうと、私には小学生時代から特に仲の良い二人の男友達がいた。 書きながら気づいたが、私の人生に関わる者すべてをアルファベット

          T(私)の中学生時代②

          T(私)の中学生時代①

          中学生時代から私は沼底に落ちることになる。幸い、底なし沼ではなかったが。 さて、中学生活が始まって、私は何を思ったのだろう? 期待?緊張?恐怖?歓喜?どれも正解な気がする。 幼稚園から小学校に上がった時と比べて自意識が確立していることで、環境の何もかもが新しくなったことを強く実感して、新鮮さを感じていたのではないかと思う。 部活や恋愛など、漫画でしか体験することが出来なかった体験が出来るということに対しての高揚。 クラスを見渡せば、同じ小学校だけでなく他校からの同級生も多

          T(私)の中学生時代①

          T(私)の小学生時代④

          私には、今の私が構成される切っ掛けとなったと言える事件が二つある。 そのどちらも私側に完全に非が無かったか?と問われると微妙なところではあるので、被害者ぶるのもおかしいかもしれない。 一度目の切っ掛けは、一人の転校生だった。うちの小学校は普通の市立小学校でしかないのにやたらと転校生が多かったのだが、ある時、Yという男がやってきた。 この男、私が恋したKとは違う意味で目を引く存在だった。 この男は俗に言う、不良だった。小学生にしては体格がよくて、金髪で、柔道をやっていて、

          T(私)の小学生時代④

          T(私)の小学生時代③

          私の思春期は早かった。 下の毛が生えるのは自分の知る限り誰よりも早かったし、声変わりも同じくらい早くに訪れた。だからだろうか? 異性に興味を持つ、ということも周りの人間の中では早かったように思う。 好きな子と付き合いたい、デートしたい。何なら、キスしたい。 小学四年生くらいの頃には、その明確な意思を持ちながら人を好きになっていた。 彼女の名前はK。 苗字はTで、実際には苗字呼びをしていたのだが、Tだと私の名前と被りややこしいので、Kとする。 Kは転校生だった。愁いを帯

          T(私)の小学生時代③

          T(私)の小学生時代②

          私は、目立つことが好きではなかった。 理由は二つ。 子供タレントという肩書を学年の大体の人間が知っていたから、好奇の目を向けられることが多くなり、それが耐え難かったこと。 そして、自覚こそしていなかったが、子役としての自分に自信が無かったこと。 というか、何に対しても自信が無かった。運動能力は平々凡々、勉強能力は平々凡々……より、若干下だったかもしれない。容姿は悪い方とは思っていいないくらいには己惚れていたが、ずば抜けていいとも言えないことくらいは理解していた。 半端な

          T(私)の小学生時代②

          T(私)の小学生時代①

          小学生時代、私は周りの子とは少し違っていた。 ただしそれは、別に天才だったとかいう訳ではない。 勉強能力、運動能力共に平均かそれより下くらいのものだった。少なくとも、小学校高学年くらいになるまでは。 何が違ったかというと、私は所謂、子供タレントというものをやっていた。 当然、私の意思などではない。母か祖母か、あるいはその両方かが芸能事務所に応募して、その結果として私は子供タレントとなった。 小学校を休み、オーディションや番組出演の為に様々な場所へ行き、幼いながらに様々な

          T(私)の小学生時代①

          T(私)の幼稚園時代①

          モテ期であった。 恐らくは、人生において一番か二番目くらいには。 人生で一度でもそういう時期があったということで羨みを覚える人間もいれば、それが人生での数少ないモテ期なの?と憐れみを覚える人間もいることだろう。 私自身は、どんな時期、どんな理由であれモテはモテと考えて誇りに思えるちんけな人間なので、割と自慢に思ってたりする悲しい存在である。 幼稚園ではキスができる両想いの子がいて、私にストーカーかというくらい猛アプローチをかけてくる子もいた。 にも関わらず、私は他の子にもち

          T(私)の幼稚園時代①

          T(私)

          私はT。 無論、本名ではない。 私の名前をローマ字表記にした上で、その頭文字を取っただけのものだ。 私は、Tという名前を気に入っている。特に、その名づけの由来をだ。 母から聞いたTという名前には、自由というテーマが込められている。 「あらゆる場所へ、何にも縛られることなく生きなさい」 由来を聞いた時、私は私の名前がとても好きになった。 訳あって、私は私の苗字があまり好きではなかった分、より誇りに思えたのだ。 そんな私の現在はというと、ある意味では、名は体を表すと言え