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【10人→100人フェーズのスタートアップ必携書】『爆速成長マネジメント』全章の読みどころ紹介!

新刊や話題の本、業界で有名な定番本など、世の中には面白い書籍がたくさんあります。しかし、スタートアップの皆様はじめ、日々忙しく過ごしている人はなかなか本をじっくり読む時間がなかったり、新しい本と出会う機会が得られなかったりします。

そこで今月から、スタートアップ経営や新規事業創出、共創のヒントが得られそうな書籍の紹介を始めてみることにしました。私たちも皆さんと一緒に学びながら、情報をアップデートしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

今回取り上げるのは、イラッド・ギル氏の『爆速成長マネジメント』(日経BP、2021年)です。

ざっくり概要:10人→100人の爆速成長を達成するための、“超具体的”な指南書

創業チームづくり、資金調達方法、プロダクトマーケットフィット(PMF)の手順など、スタートアップ創業〜アーリーステージの課題とそれを乗り越えるノウハウは世の中に溢れるほど情報が蓄積されています。

では、10人程度の会社を100人規模にするための具体的な情報はどれほどあるでしょうか?

“毎年大量のスタートアップが生まれ、ほとんどが潰れてしまうか、爆速成長フェーズに入る前に他社に買われてしまう。その結果、起業経験者は多いものの、スケールさせた経験者は少数となる”

と著者が語るように、PMF達成後の爆速成長フェーズ(ハイパーグロース/スケールする/ブレイクする、などの言葉と同義)を経験者した人自体が少ないため、爆速成長フェーズで起きる課題や、その解決策となるノウハウは十分に体系化されていないのが現状です。

本書のターゲットは極めて明確です。それはすなわち、PMF達成後のレイターステージのスタートアップ創業者とCEO。あるいはエグゼクティブや事業責任者、もちろん社員も含めて、爆速成長フェーズのスタートアップに携わる全ての人が手元に置いておいて損はない一冊だと思います。

CEOの役割、経営チーム・組織づくり、取締役会のマネジメント、採用、マーケティング、広報、プロダクトマネジメント、資金調達、M&A…成長の過程で直面するありとあらゆる課題とそれを乗り越えるためのアドバイスを、「痛烈なほど具体的かつ戦術的」に網羅しているのが本書の一番の特長です。

「9割以上が途中退場する」と言われる起業の壁を乗り越えて爆速成長フェーズに突入した1割未満のスタートアップが、次々と襲いかかる困難にどう立ち向かえばいいのか。結論から言えば汎用的なアドバイスは存在しないのですが、初めて経験する爆速成長フェーズを戦い抜くうえで、本書は強力な武器となることは間違いありません。

著者紹介:GoogleやTwitter、Airbnb、Stripe…数多の“爆速成長”に携わったすごい人

著者のイラッド・ギル氏は、プロジェクト責任者、起業家、投資家としてスタートアップライフサイクルのほぼ全ステージを経験した希少な人物です。

彼は複数のシリコンバレー企業でプロダクトマネジメントや市場調査関連の役職を担当したのち、当時1500〜2000人規模のGoogleに入社。モバイルチームの立ち上げから軌道に乗せるまでのあらゆる面に関与したほか、Android開発チームを含む3つの買収案件に携わり、Google Mobile Maps立ち上げ時のプロダクトマネージャーも務めました。彼が約4年後にGoogleを退社する頃には15000人規模の大企業へと“爆速成長”を遂げています

その後、ギル氏はMixer Labsというスタートアップを創業。3年後に当時社員数90人程度だったTwitterに買収されたことがきっかけで、同社経営企画部のバイスプレジデントに就任。Twitterを1000人規模の企業に成長させる役目を果たします。2年半後に退職を決意した時にはすでに1500人規模の企業になっていましたが、CEOとCOOのアドバイザーとしてもう1年ほど残り、最終的に退社した時は2500人規模の企業に成長させたそうです。

現在は起業家、社外取締役、投資家として、Airbnb、Coinbase、Gusto、Instacart、Opendoor、Pinterest、Stripe、Square、Wishなど名だたる爆速成長企業に投資家として参加。いくつかの企業は直接的に支援も行なっています。

彼はこれまでの経験から、爆速成長企業には共通パターンがあることを発見し、また彼のところにやってくるスタートアップ創業者やCEO、経営幹部などから似たような質問や悩みを相談されることに気づきます。

そのアドバイスや知見を書き連ねた彼のブログ記事をもとに、シリコンバレーの中心人物との対談を多数収録したのが本書です。全460ページを超える膨大な情報の中に、爆速成長フェーズの荒波を乗り越えるためのヒントがこれでもかというほど詰まっています。

テーマはCEOの役割から経営チームづくり、採用、広報、プロダクトマネジメント、M&Aまで多岐にわたるため、本記事では第1章〜第9章まで全章の見どころ(読みどころ?)をピックアップして紹介したいと思います!

第1章 CEOの役割:燃え尽き症候群を回避するための、戦略的自己マネジメント

多くのビジネス書で語られるCEOの役割は、「事業戦略の設定」や「企業文化の維持」などですが、爆速成長型の企業ではセオリー通りに進めようとしてもCEOはそれらに時間を全く取れないのが現実だと、ギル氏は述べます。

では、CEOは何に取り組むべきなのか?

ギル氏は、「自己管理」「直属メンバーの管理」「取締役の管理」の3点を挙げ、「最優先なのは、自己管理だ。これに失敗すると、CEOは燃え尽き症候群に向かい、CEOと会社の両方が苦境に立たされることになる」と断言します。

自己管理の中でも重要になるのが、タイムマネジメント。会社が拡大するにつれてCEOが必要になる領域は増大し、数多くの利害関係者が話をしたいと言ってきます。そのような状況で最もレバレッジが効く判断を行うために、「権限委譲」や「カレンダーの振り返り習慣」「“ノー”という回答を増やす」といった要素の実践方法が紹介されます。

特に興味深かったのは、「大切に思うもの、ことに取り組む」というアドバイス。「創業者の燃え尽きは、自身が嫌いなことを業務として取り組み続けていることがきっかけ」となり、「最悪の場合、事業そのものをギブアップすることになりかねない」と、CEO自身にも会社にも甚大な悪影響を与えることを説きます。

もし、CEO本人が絶望的につまらないけれど、優先度を下げられない基幹業務に長時間取り組んでいる場合は、その業務を実行してくれる経営幹部を雇ったり、他の社員に権限委譲してでも、人生で本当に大切なものに時間を充てることがCEOに欠かせない仕事なのです。

第2章 取締役会のマネジメント:正社員としては関わってもらえないレベルの人物を取締役に

会社にとって取締役とは、採用する対象としては最重要人物になります。そのため、CEOが取締役に求めることを明確にするチェックリストや採用スペック表を作成し、手間を惜しまずに選考することが大事だとギル氏は述べます。これは取締役会が厳格に選定・運営されるアメリカならではの基準ではありますが、日本でも社外取締役の重要性は認識されているため、参考になる部分は大いにあるでしょう。

実際のアドバイスは多岐にわたりますが、候補者リストを作成する際のポイントが非常に印象的でしたので、下記に記しておきます。

“できることなら自分の会社にフルタイムで採用したいが、取締役でないと関わってもらうことすら叶わないような人物が理想だ”

取締役が担うことになる仕事は、経営戦略、エグゼクティブ層などの採用クロージング、資金調達、運用体制の構築、企業ガバナンスなど、会社経営の未来を左右する重要な役割ばかり。フルタイムでは雇えないレベルの人物であれば、相応の経験とスキルがあることはもちろん、強いパーソナルブランド、豊富な人脈を有するケースが多いので、この先に待ち受けている困難の数々に、あらゆる観点から強力なサポートをしてくれるでしょう。

また、本章の後半では取締役を解任する際の注意点や手段も具体的に紹介されています。アーリーステージとレイターステージで取締役の構成を進化させる必要があり、PMF後のスケール段階では取締役に求められる能力や人脈、必要なアドバイスの種類も変化する、というのがギル氏の主張です。

第3章 人材の募集、採用、マネジメント:オファーのスピードが内定承諾コンバージョンに直結する

ギル氏が爆速成長フェーズで直面する最大の課題の一つに挙げているのが、社員の採用方法の見直しです。

例えば、年間10人の採用から毎週10人の採用にスケールする際は、当然ながら人材採用の仕組みを整備する必要があります。

本書では「ジョブ・ディスクリプションを増やす」「全候補者に同じ質問をする」「多様性を意識する」といった具体的な採用プロセスのアドバイスが述べられていますが、その中でも面白かったのが、「すぐに対応する」という点。

ギル氏はこれまで関わった全ての会社で、「面接実施まで、オファーまでの素早さが内定承諾のコンバージョンに大きく影響する」と明言しています。各面接にかかっている時間を重要指標として扱い、オファーを素早く出せるように最適化することが大事というのは、数多くの企業で大量の採用業務に携わってきた同氏ならではの視点でしょう。

また、マネジメントのパートでは創業初期社員のセンシティブな取り扱いについても詳しく記されています。初期社員は企業文化や長期ミッションを深く理解し、創業者やCEOからの信頼が厚く、爆速成長フェーズにおいても非常に重要な存在であることは大前提として述べたうえで、「残念ながら一部の初期社員の中には、企業が拡大するにつれて場違いになる存在もいる」と言います。

例えば、創業期にCTOだった初期社員が1000人の組織のCTOにふさわしいとは限らない。毎日CEOとランチを共にして会社の意思決定に関与していた頃と比べて、仲間外れにされているように感じる。株式の公開買い付けなどで大金を手にし、仕事以外のことに意識が向いてしまう。などなど。

会社と共に成長できない初期社員に対して、創業期を支えてくれた恩義などからチャンスを与え続けたり、重要ではない役職に再配置して問題を先延ばしにしてしまうCEOがいるのも事実でしょう。

こうした問題に対処する方法を、かなり踏み込んで具体的に指南しているので、悩んでいる方は迷わずこの本を手に取ってみることをおすすめします。

第4章 経営チームをつくる:優秀なCOOや事業開発人材を雇う方法

この章では、初めて経営幹部を採用する際に心掛けることを紹介しています。

「経営幹部の採用では、12〜18か月先の会社に必要な経験を持つ人材を採用する(それより短期で考えると会社の成長スピードに噛み合わず、それより長期で考えるとオーバースペックな人物を雇ってしまうことになる)」「実際にその仕事に就く優秀な人物に会い、求める人物像や判断基準を明確にする(例えばCFOを採用したいなら、自社の数年先のステージにいる会社の優秀なCFOに会いに行く)」「数回の失敗は覚悟しておく」といったアドバイスは、経営チームづくりに悩む全てのCEOの背中を押してくれることでしょう。

ギル氏は様々な役職の中でも、これまで何人もの創業者やCEOから相談されてきたCOOの必要性や選任方法、そして採用の難易度が非常に高いという事業開発人材のスクリーニング方法に誌面を割いて解説しています。

また、経営幹部を解雇する際の正しいステップや準備についても実践的アドバイスを記載しているので、必要な時にリファレンスできるよう頭の片隅に入れておいてはいかがでしょうか。

第5章 爆速成長期の組織構造:企業文化の基準で妥協した採用は絶対にNG

大勢のCEOから最適な組織構造について相談を受けるというギル氏。彼は前提として「爆速成長中の企業は6〜12か月ごとに、まったく別の会社に変貌する」と述べ、当然ながら組織構造に正しい答えはないと明言します。

具体的な組織再編のステップは
 1. 組織構造を刷新する理由を明確にする
 2. 最も実用的な組織構造を明確にする
 3. 再編の実施前に関係者の賛同を得る
 4. 組織再編は発表から24時間以内に実施する
 5. 経営陣には再編について説明し、社員からの質問に応えられるようにする
 6. 不明点を残さない
 7. 誠実かつ、率直に伝える

と7つのポイントに整理して解説していますが、本章のハイライトは下記の記述ではないでしょうか。

“多くの会社は「有用な人材」や「ニーズに合う人材」を採用するためなら、企業文化を犠牲にしても構わないと考えている。これは短中期的に見て逆効果だ。企業文化の基準で妥協した採用は会社に混乱をもたらし、CEOは妥協したことを後悔する”

企業のスケールに応じて組織構造が変化すれば、企業文化も変わります。しかし、創業者やCEOには、「企業文化のどの部分を残し、どの部分を変化させ、どの部分を完全に取り除くかを決める責任がある」とギル氏。その文化形成に最も影響する意思決定の一つが採用なのです。

本章では、企業文化の基準を満たした採用を絶対に妥協しないこと、また採用後のマネジメントにおいて、パフォーマンスだけでなく企業文化の面でも評価しインセンティブを付与すること、企業文化に合わない人には早めに対処することなどを、ギル氏は具体的に解説しています。

第6章 マーケティングと広報:ブランド形成と顧客獲得に欠かせない存在

冒頭、ギル氏はこの20年で「マーケティングと広報を巡る状況は大きく変わったが、これらの取り組みはすべて会社のブランドの確立と印象形成、顧客獲得に寄与している点は変わっていない」と、マーケティングと広報の重要性を改めて説きます。

その上で、マーケティングと広報の各領域(グロースマーケティング、ブランドマーケティング、広報とコミュニケーションなど)を解説し、各領域に専任の担当者を配置することをおすすめしています

広報に関しては、創業後しばらくはフルタイムで広報担当を雇っても十分に活かせないかもしれませんが、少し成長した企業は1人か2人を採用し、さらに広告代理店など外部リソースも活用して広報活動することが多いそうです。

さらに、広報の役割として、「報道関係者と話すなど会社を代表して発言するメンバーに対してメディアトレーニングを行う」「事実関係を訂正する(ほとんどの企業がどこかの時点で悪い報道を経験している、とのこと)」「プロダクト開発の早い段階から広報チームを関与させる(Amazonはプロダクト構想段階でプレスリリースの見出しを考えている)」「危機管理対応」といった具体的な仕事内容が紹介されています。

印象的だったのは、「メディア掲載と成功は別物」というアドバイス。自社が肯定的に取り上げられると、友人や家族、時には有名人からも注目されますが、それは決して会社の成功を反映したものではないということ。「メディア掲載より、収益性やスケールできる売上の方がはるかに重要」であること、「いい報道が悪い経営判断をカバーできることはない」ことを覚えておくよう、ギル氏は指南します。

第7章 プロダクトマネジメント:会社の中で最も価値ある機能の一つになり得る

ギル氏はプロダクトマネージャーの役割をこのように定義します。

1. プロダクトの戦略とビジョンを定める
2. プロダクトの優先順位づけと問題解決
3. 計画の推進
4. コミュニケーションと調整

良いプロダクトマネージャーと悪いプロダクトマネージャーの見分け方は、上記4項目にどれだけの時間をかけているかで判断でき、理想としてはプロダクトの定義やトレードオフの判断、顧客の理解、ローンチに向けた各部門との調整、機能改善のための議論、関係者とのコミュニケーションに大半の時間が割かれるべきだと同氏は述べます。

そのうえで本書では、プロダクトマネージャーの採用面接におけるチェックポイント、採用後のオンボーディングを円滑に進める方法、プロダクトマネジメントのプロセス設計などが具体的に紹介されています。

「プロダクトマネジメントとプロダクト担当役員が素晴らしく機能すると、プロダクトマネジメントは会社の中で最も価値ある機能のひとつになる」と語るように、爆速成長フェーズにおけるプロダクトマネジメントの重要性を強調しているのが印象的でした。

第8章 資金調達と企業評価額:高すぎる企業評価額には要注意!

この章では、レイターステージの新しい資金調達元、セカンダリー取引、株式公開買い付け、新規株式公開について取り上げています。株式やファイナンスに関する記述はアメリカのルールに基づいているので注意が必要ですが、日本のスタートアップにも共通するポイントはあります。

一番のポイントは、スタートアップの成長に伴い、資金調達ラウンドに参加する投資家の種類が変わり、多様な投資家の登場で資金調達しやすい環境が整うということ。

例えば従来型のベンチャーキャピタルはシリーズAの企業を投資対象としているケースが多いものの、近年はレイターステージにも投資可能な規模のグロースファンドを持つベンチャーキャピタルも増えています。他にもヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、ファミリーオフィス、エンジェルSPV、外資の大手インターネット企業など、多様な投資家の中から資金調達元が選べるようになります。

その際の検討事項として、「フォローオンの可否」「株式市場での影響力」「戦略的価値」などを挙げるギル氏。その中でも特に注意を払うべきなのは、「優先株の条件」と「取締役になる権利」だと言います。これらの点については、詳しくは本書をご参照ください。

また別の観点からの注意点として、「高い企業評価額を追い求めすぎない」ことを挙げる同氏。高評価はPRや支払い面でのメリットがある一方で、以降のラウンドで時価総額の成長率を高めるのが難しくなる、投資家の期待値が変わる可能性がある、周囲の強いプレッシャーから経営判断を誤る、といったリスクを抱えることにもなります。

「特にレイターステージの場合、スタートアップが資金調達のピッチで説明した成長目標を達成できていないと、投資家がグロースをもっと追求するよう圧力をかけてくる傾向にある」とギル氏は創業者やCEOにかかるプレッシャーの大きさを危惧しています。

第9章 M&A:社員や役員の説得、M&Aで加わる社員の採用プロセスも重要

最終章は、爆速成長フェーズにおけるM&Aを活用したグロース方法について解説しています。ギル氏はGoogleやTwitterが必要なプロダクトや人材を加え、戦略を遂行するための重要な手段としてM&Aを積極的に行っていたことを振り返り、「企業価値が50億〜100億ドル以上の規模になったら、M&Aを会社の中心的な戦略に据えるのがいい」とまで言い切ります。

M&Aにはチームの買収やプロダクトの買収、戦略的買収など、いくつかの目的がありますが、共通して考えるべきなのは、自社の企業文化を乱さずに統合できるか?買収後の組織図や報告ラインはどうあるべきか?買収先のリーダーに任せられる部門はあるか?といった点です。

また、自身の経験から「社員や役員がM&Aに反対することはよくある」と述べるギル氏は、よくある反対意見と回答例を羅列して対処法を紹介しています。ほかにもM&Aで新たに加わる社員の採用プロセスなど、非常に具体的なアドバイスが網羅されているため、すぐにでも実務に応用できそうなのが嬉しいポイントです。

まとめ:一流のプロから、具体的かつ戦術的なアドバイスがもらえる

気がつけば、8000文字超えの長文レビューとなってしまいました…汗。

この本の感想をひと言で述べると、まさに「“超具体的”な指南書」!!

ただでさえ経験者が少ない爆速成長フェーズという荒波で起こり得る問題、それを乗り越える方法や解決策のヒントを、これほどまで詳細に、すぐにでも実践できるレベルでまとめたコンテンツは、唯一無二ではないでしょうか。

また、今回の解説ではあえて触れていませんが、本書では著名なベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ創業者マーク・アンドリーセンや、ストライプCOOのクレア・ヒューズ・ジョンソンなど名だたるシリコンバレーの中心人物たちとの対談が収録されており、こちらも非常に多くの示唆が得られる内容となっています。

一見、分厚くて重たい面構えに手に取るのを躊躇する方もいるかもしれませんが、通しで読まなくても気になる章だけ読める構成になっているのもポイント。

特定の課題に直面し、アドバイスや知見が欲しいときに参考書的に使える、しかも一流のプロフェッショナルからアドバイスがもらえる

これから爆速成長フェーズに突入するスタートアップの方はもちろん、アーリーステージのスタートアップの方やこれから起業を考えている方も、そして我々CVCやVC、スタートアップ支援に携わるすべての人々が、手元に置いておいて損はない必携本だと思いました。

爆速成長マネジメント』、おすすめです!


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