スクリーンショット_2019-11-02_14

椎名林檎×宇多田ヒカル。至上の”同期”コンビ再び。

本日0時、椎名林檎の新曲“浪漫と算盤 LDN ver.”の配信が開始された。

今回の楽曲のメイントピックは、やはり再び叶った宇多田ヒカルとの共演だ。”二時間だけのバカンス”以来、約3年ぶり3度目の実現となる。

1998年、東芝EMIから共にデビューした同期である二人は、この20年間にわたり、幾度となくJ-POPの歴史を鮮やかに更新し、僕たちを次の時代へと力強く導いてきてくれた。

だからこそ、2010年代が幕を閉じようとしている今、両者のタッグが再び実現したことには、あまりにも深い意義があるように思う。



今回の“浪漫と算盤”は椎名林檎が、前回の”二時間だけのバカンス”は宇多田ヒカルが、それぞれ作曲を手がけているが、並べて聴くと面白い。

お互いがお互いに愛と敬意を抱き合っているからだろうか。それぞれのソロ曲としても成立する強度を持ちながらも、二人の関係性そのものが、楽曲の軸でありメインテーマとなっていることに驚かされる。

椎名林檎の底深き情念と、宇多田ヒカルの透徹な祈り。その二つの間を縫いくぐりながら、心の奥底の本心に初めてタッチしてしまうような、圧倒的にスリリングな音楽体験がここにある。


《きっと、そう浪漫抱えたら算盤弾いて/両極のど真中狙い撃てお願い勇気をくれ》


これは“浪漫と算盤”の一節だが、ここでは、もはや感性や理性といった既存の概念では括り切れない、未知なる感情が歌われている。これほどまでにハイコンテクストな楽曲が、今、J-POPシーンのど真ん中で鳴らされることは、本当に凄いことだ。


《答え合わせ 貴方を知るほど/僕は正されて行く 捨てたものじゃない/ただ生きようと》


次の10年に向けて、彼女たちの次の変革の一手に期待したい。



【関連記事】



この記事が参加している募集

最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。 これからも引き続き、「音楽」と「映画」を「言葉」にして綴っていきます。共感してくださった方は、フォロー/サポートをして頂けたら嬉しいです。 もしサポートを頂けた場合は、新しく「言葉」を綴ることで、全力でご期待に応えていきます。