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#3分で見れる映画紹介『スウィング・キッズ』(ネタバレなし)

おはこんばんにちは。ぽんずです。

毎度のこと、印象に残った映画を、豆知識も踏まえながら簡単に紹介させてもらってます。

今回、ご紹介するのは「スウィング・キッズ」(2020)

本作は「パラサイト 半地下の家族」(2020)と同時期に日本で公開されたため、同じ韓国映画として埋もれてしまった印象はあるものの、引けを取らない程の良質な作品です。

とにかく、バリ良かったので、本作の見所を簡単にご紹介させて頂きます。皆様の映画選びの手助けになれれば嬉しいです。

では、いきます。

どんな人におススメか?

1.ミュージカル映画が好きな方。

本作の見所は、タップダンス! ミュージカル映画の高揚感っていいですよね。しっかりと味わえます。

2.歴史に触れた映画をお探しの方。

舞台は朝鮮戦争当時の巨済捕虜収容所。日本の隣国の歴史に触れながら物語は進んでいきます。歴史の勉強としても最適。

3.社会派映画をお探しの方。

人種やイデオロギー、現代に通ずる社会問題がバックグラウンドにあります。PG12作品ですので、結構踏み込んでいます。

あらすじ

1951年。朝鮮戦争当時、最大規模の巨済(コジェ)捕虜収容所。新しく赴任した所長は収容所の対外的なイメージメイキングのために、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。収容所で一番のトラブルメーカー ロ・ギス、4か国語も話せる無認可の通訳士 ヤン・パンネ、生き別れた妻を捜すために有名になることを望み、愛に生きる男 カン・ビョンサム、見た目からは想像できないダンスの実力を持った栄養失調の踊り手 シャオパン、そして彼らのリーダーであり元ブロードウェイのタップダンサー ジャクソンまで、紆余曲折の末、一堂に会した彼らの名前はスウィング・キッズ!それぞれ異なる事情を抱えてダンスを踊ることになり、デビュー公演が目前に迫っていた。国籍、言葉、イデオロギー、ダンスの実力、全てがちぐはぐな寄せ集めダンスチームは前途多難でしかないが・・・。

Firmarks映画情報

Filmarksでの平均スコアは4.1。かなり高いです。何となく「タップダンスを主としたミュージカル映画だろうなー、あんまりミュージカル好きじゃないし」と思ってた自分を恨みたいです。もっと早く見ればよかった。

豆知識

監督について

豆知識として、本作の監督や映画のテーマについて深堀。

監督・脚本は、カン・ヒョンチョル

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カン・ヒョンチョル

カン・ヒョンチョル(강형철、1974年 - )は、韓国の映画監督・脚本家。済州島出身。

Wikipedia

代表作といえば、「SUNNY 永遠の仲間たち」(2011)。私も大好きな作品であり、日本、アメリカ、インドネシア、ベトナムや香港などでリメイクされてます。(日本版だと広瀬すずさんが主人公でしたよね。)

監督曰く、本作は、ミュージカル「ロ・ギス」が原作になっているそうです。元々、ダンス映画を撮りたかった監督が本公演を見て、そこに、イデオロギーや理念などの要素をいれたのが本作だそうです。

巨済捕虜収容所について

「巨済捕虜収容所は、朝鮮戦争を圧縮したようなところなんです。」 とのことで、本作の舞台は巨済捕虜収容所。ちなみに、巨済捕虜収容所がある巨済島は釜山の南西にある島です。

スクリーンショット (48)_LI

巨済捕虜収容所混沌とした特異な場所だったと思います。そんな収容所でも、ダンスによってイデオロギーを超えられる、友だちができ、幸せを感じられるのではないかということを見せたいと考えました。

Pen編集部 https://www.pen-online.jp/article/007052.html

インタビューで監督は上記のような思いで、本作を描いていると述べています。ちなみに、本作の内容自体は史実には則してはないでしょう。(最初は、伝記映画だと思ってたのですが、色々調べていたらどうやら違うよう。)
実際に存在した場所・環境に新たな要素を組み込むことで、当時から今に通ずる問題を表現したのが本作になっています。

感想

「Fuckin the ideology!」

ここに集約された映画だと感じました。本作は多様な人種や主義が織りなされた映画です。ただ、結局のところ同種でも考え方の差で殺し合いに発展するんです。考え方の違いで争いが生まれるなら、資本や共産なんて考え方は捨ててしまえ。そういった意味での、「Fuckin the ideology」かなと。

バックグラウンドやテーマは重め。それを、なるべくコミカルに描いていた映画でもありました。クスッと笑えるシーンもありますし、テンポも良かったです。先ずは、コミカルに観客を映画に引き込ませて、伝えたいテーマを効かせる土台を作り上げようとする、監督の意図を感じ受けます。(どの映画でも基本そうだと思うけど。)

んで、本作の見所の1つである「タップ・ダンス」。これがカッコイイんですよ!気づいたら足をバタバタさせてる自分がいました。主人公のロ・ギスがタップダンスに魅了されると同時に自身も魅了されてました。それほど、ダンスの力は偉大で、人種や主義、言語の壁も超えてしまうのがダンスでありエンターテイメントなのでしょう。うーん、良い。


エンターテイメントとして消化しつつ、歴史・思想などのテーマに触れることができる。とても有益な映画です。

各所で配信されてる今のうちに見とくべきでしょう。抑えといてください。

予告編、載せておきます。

ではまた。



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