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【開催レポ】本当に大切なものは「ここにある」。場を編む人・藤本さんの想いと挑戦が叶えるSDGsの目標③「すべての人に健康と福祉を」

こんにちは。つながるキャンパスインターン生の祐成です。

つながるキャンパス(以下つなキャン)は、「あなたの出会いと学び、挑戦をボーダーレスに」をコンセプトに日本全国の高校生・大学生および100を超える地域団体・企業・社会人サポーターが集うオンライン上の仮想キャンパスです。

本記事ではつなキャンが実施するキャリアセミナー「つなキャリ」で3月10日に実施した「経営者図鑑Vol.3」の様子をレポートします。経営者図鑑シリーズの詳細はこちらの記事をご覧ください。

1.series1「経営者のパーソナリティ×SDGs」

 経営者図鑑シリーズ、第1弾のテーマはSDGs。SDGsとは17のゴール・169のターゲットから構成される、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。その目標に対し、地域社会の中で、経営者たちは何を想い・考え、どのように取り組まれているのでしょうか。SDGsへの取り組みを通じて、挑戦し続ける経営者のパーソナリティに迫ります。(イベント詳細は下記よりご覧いただけます。)

2.GUEST|㈱ここにある 藤本 遼さん    

 第3回のゲストは、SDGsの目標①「貧困を無くそう」や③「すべての人に健康と福祉を」、⑧「働きがいも経済成長も」に関わる企業である ㈱ここにある の代表取締役 ・藤本 遼さんをお招きしました。あらゆる「違い」や、それに対しての「分断」が生まれる現代で、「すべての人が楽しみながら、わたしとしての人生をまっとうできる社会」を目指して活動する藤本さんと ㈱ここにある についてご紹介します。

㈱ここにある の根っこ

 藤本さんが現在の㈱ここにある を立ち上げ、様々なイベントやプロジェクトで活動しているのは、藤本さん自身の経験や考えが根本にあるのだといいます。

藤本さん:幼い頃から人との別れや、場・コミュニティーなどに馴染めない経験が多くあり、馴染めないなら自分で心地のいい居場所を作ってしまおうと考えるようになりました。

それをきっかけに少しずつ仲間や知り合いを増やし、約200人と一緒にイベントスペースを作り上げた藤本さん。様々な人と場所や取り組みを作るのが面白いと感じ、それが社会を変えるきっかけになるかもしれないと考えたそうです。

藤本さん:僕たちは生まれてからずっと与えてもらう存在なんです。例えば、どこかに「遊びに行く」と言ったら映画、ショッピング、食事などに行きますよね。でもそれって、お金を払って、楽しませてもらってるに過ぎない。それは「遊び」ではなくただの「消費」で、本当に「遊び」を楽しめていないと思ったんです。行政など、誰かが遊びを与えてくれる、まちを作ってくれるのではなくて、まちのみんなが一緒に動き、自分たちで遊びを生み出すことが楽しさになるのではと考えました。結果、現在のようなまちのみんなで、まちを作っていく、変えていくプロジェクトやイベントに繋がったんです。

藤本さんの取り組みが生む、多様な人のつながり

 「みんなで一緒に、自分たちで作る」が基にある藤本さんの活動は、多様な人と人をつなぐ手助けにもなっています。

藤本さん:作り手・使い手が分かれているものや、専門性があるものだと、どうしても多様な人がみんな集まるのは難しいです。障がい・福祉のイベントに心身に不自由を持たない人が、高齢者のイベントに若者が、専門領域に素人の人がどうやって関われるかなど、どうすれば多様な人が集まるかを常に模索しています。個々の閉じられた世界を開き、多様な人の繋ぎ役をしていきたいです。

▼多様な人を繋ぐ ㈱ここにある の取り組み▼

【ミーツ・ザ・福祉】
【おふろバー】
【カリー寺】
【畑作業】


3.つなキャン社会人サポーターが聴く藤本さんの価値観

 経営者シリーズは、つなキャン生・つなキャンの協働パートナーがモデレーターを務めます。今回は、社会人サポーター・北 佳世さんがモデレーターとして藤本さんに様々な質問をぶつけました。

北さん:藤本さんのプロフィールにある「場を編む」という表現について、どのようなイメージ、意味合いでその表現を使っているのですか?

藤本さんはまず、「日本語表現」の面でこの言葉を選んだといいます。

藤本さん:私は日本語が大好きで、その美しさや曖昧さに魅力を感じます。また、最近はカタカナ語が多くありますが、地域のご年配の方々はわからない人がほとんどですし、私自身もよく理解していません。誰にでもわかりやすい、綺麗な日本語を使うことが大切だと思いこの表現を使うことにしました。また「場を編む」に限らず、言葉遣いや表現へのこだわりが強いので、日々気を遣って生活しています。

さらに「編む」という表現への想いを語った藤本さん。

藤本さん:「編む」「編集」は、元々あるもの・「ここにある」ものを生かし、つなぎ直す、レイアウトし直すという意味を持っています。あるものをどう編集して、新たなアイデアやイノベーションを生むのかという所に面白さを感じました。また、「編む」ことは地域や歴史へのリスペクトにも繋がると思っています。取り組み始めた当初は、「全部俺が作ってんねんぞ!」と意気がっていました(笑)。しかし、今は先人が積み上げてくれたものの先っちょでやらせてもらっているだけということに気づいたんです。例えばお寺でカレーを食べる「カリー寺」というイベントでは、何百年も続くお寺の歴史が頭に浮かびました。「現在のお寺の背景には、自分の想いや時間を惜しみなく注ぎ続けてきた人が数え切れないほどいるのだ」と気づき、「編む」の意味の1つとして地域や時代を貫いたリスペクトが強くなったのです。自分1人がやっているわけではない、自分が自分が、となるべきではないと感じるようになりました。

北さん:「場を編む」を通して叶えたいことはありますか?

藤本さん:お金を生むだけではなく、人の心の在り方、文化、価値観を作っていく、変えていけるような働きかけがしたいです。先程も言ったように、今は全てを他者に依存している社会、お金が必要な社会です。そうではなく、自分で何かを生み出せて、お金が無くても生きていけるような社会にしたい。「自分たちで自分たちの人生を生きているのだ」、「自分たちが地域・社会を作っているのだ」と、1人1人が楽しく思える社会へと、場の編集を通してシフトしていきたいです。

藤本さんのお話の中で、

「元々あるもの・ことから新たなものを生み出す」
「すべての人が一緒に参画できる」
「自分達自身で社会を作り上げることで人生に楽しさや喜びを感じる」

ことが共通していました。これらが様々なイベントや、お金のためだけではない取り組みの土台になっていることがお話のここかしこから伝わり、自分の譲れない「軸」や「価値観」を持つことの大切さを感じました。

4. 最後の質問:3つのルーティーン

 最後に全ゲストにお聞きする「3つのルーティーン」についてご紹介します。

藤本さんの3つのルーティーン

①興味を持った人とは、必ずすぐにSNSで繋がり、メッセージを送る
 
あるイベントで一瞬だけ話した方が気になり、自分からメッセージを送ったという藤本さん。それがきっかけでお二人は今も交流が続いているだけでなく、その方自身も「メッセージがとても深く印象に残っている」と仰っていたそうです。「1、2分もかからないことだけれど、人の気持ちを掴むことができるのだ」と感じたその経験から、絶えず大切に継続しているのだといいます。

②問うのを止めない「考える」
 
色々な情報や問いをインプットをしておいて、他者との関わりの中で、答えを探してみたり、一旦寝かせたり、また引っ張り出してみたりなど、常に答えに磨きをかけているそうです。

③しゃあないやん、面白く生きようや精神
 
個人の力ではどうしようもできない問題の中で、苦しい・悲しい状況を受け止めつつ、それをどのようにうまくスライドさせ、ポジティブに受け止め直せるかを常に考えているのだそうです。「ある意味『編集』であるこの考え方が、僕にとっての『福祉』であり、『お笑い』です。

5.お知らせ

イベントの様子を限定公開中!

 ゲスト・藤本さんとモデレーター・北さんでお送りした経営者図鑑 第3回。今回は4名のつなキャン生に加え、2名の(株)ここにあるに関わりのある社会人の方、インターン生の方も参加してくださいました。本レポートの中では紹介しきれなかった素敵なお話がまだまだ沢山あるので、つなキャン公式LINEアカウントを友達追加してくれた方に限定でアーカイブ動画をプレゼントします!

動画をゲットする方法は簡単2ステップ!

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