つき

「ふさいで」「つないで」(著:一穂ミチ先生)の感想など。ネタバレご注意ください

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「ふさいで」「つないで」(著:一穂ミチ先生)の感想など。ネタバレご注意ください

記事一覧

したさかくじSS感想

くじSSたのしかった…!の感想というか感情。 ほぼ読んだ直後に書いたのでうるさいです。 ↓ 「結構得意」で「上手」…?え?わたし今読んでるのしたさかだよね?間違え…

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3年前
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祝・1位

「つないで」「OFF AIR2」、「このBLがやばい!」の小説部門1位おめでとうございます!!……泣きました。めちゃくちゃ嬉しい。本当に。 受賞をきっかけにイエスノーに出…

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3年前
1

したさか関連スポット

栄さんは全然お出かけ好きそうじゃないのに、なぜか関連スポットの特定率が高い気がするしたさか。 もう少し待てば公式から聖地巡礼マップが公開されるのに…と思いながら…

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3年前
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したさか作品タイトルまとめ

一穂先生がしたさかをたくさん書いてくださって本当に幸せ… ということで、現在までのしたさか全作品タイトルをまとめました!(自分が便利なように、そして単に並べてみた…

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3年前
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「ひらいて」の加筆修正②

前回の記事の続き。「ひらいて」の加筆修正箇所について、発見できた約190カ所の一覧です。もはや自分のメモ用なので、ただただ羅列します。 ※小説Dear+フユ号は「雑誌…

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4年前
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「ひらいて」の加筆修正①

小説Dear+フユ号に掲載された「ひらいて」が、この度めでたくディアプラス文庫「つないで」に収録されました! 読んでるときについ気になったのが、雑誌掲載時からの加筆…

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4年前
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「つないで」感想②

◆「月光浴(あるいは名和田深の憂鬱)」 ・タイトルが平仮名「〜て」シリーズじゃない!そしてなっちゃん!と目次でびっくりしてたこちらにようやくたどり着きました。つな…

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4年前
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「つないで」感想①

1冊読了するのに4時間半かかりました。半年以上、あれだけひらいてループしてきたのに4時間半…至る所で泣いたからですね… 9割方初読時の文章なので、テンションがおかし…

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4年前
3

「鏡」の話

「ふさいで」で印象的だった”設楽さん=鏡“という、栄さんと奥さまの共通認識。あのときの2人の会話の後も、しばしばこの表現が使われています。 そこで、「ふさいで」を…

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4年前
3

「栄」呼びの回数と割合

設楽さんは「栄」と言いすぎではないか問題。 実際何回言ってるんだろう?気になる〜!と夜中のテンションのまま出来心で数え始めてしまいました… 途中気が遠くなって後悔…

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4年前
1

「ふさいで」で描かれる光

「ふさいで」で描かれている"光"というか、栄さんが"光"を感じている描写が好き、というだけの話。 「したさかのイメージってどんな?」と聞かれたときの「うーん、薄暗闇…

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4年前
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相馬栄の心の動き③

ー「喪失」と残すことー栄と設楽との関係でしばしば登場するのが「喪失」というキーワード。「喪失」を惜しみ、残しておきたいと願う描写も見られます。 今回は、三芳の行…

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4年前
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相馬栄の心の動き②[追記]

やらせ問題の話で少し追記を。 「ザ・ニュース」は「視聴者目線に立っている」という話をしましたが、そもそもは三芳の「マイ・ドキュメント」もそうだったなと。 同番組を…

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4年前
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相馬栄の心の動き②

ー「テレビの嘘」とやらせ問題ー 「嘘」と「本当」に一旦の折り合いをつけた栄は、『ひらいて』で本格的に「テレビの嘘」と向き合うことに。 前回の記事でも少し触れたよう…

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4年前
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相馬栄の心の動き①

ー栄にとっての「嘘」と「本当」ー 『ひらいて』で取り上げられている「テレビの嘘」。 この問題と向き合う上で重要になるのが、栄にとっての「嘘」の捉え方の変化ではない…

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4年前
4
したさかくじSS感想

したさかくじSS感想

くじSSたのしかった…!の感想というか感情。
ほぼ読んだ直後に書いたのでうるさいです。



「結構得意」で「上手」…?え?わたし今読んでるのしたさかだよね?間違えた?いや合ってる…は?なんだこのかわいさ?
寝続けるんだからしたぴじゃなくて栄さんだよね、栄さんが「結構得意」「上手」とか言ってるってこと?えーーー…かわいい、かわいいね…🤦‍♀️

ていうかまた寝起きスタート!
栄さんがいっぱい寝

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祝・1位

祝・1位

「つないで」「OFF AIR2」、「このBLがやばい!」の小説部門1位おめでとうございます!!……泣きました。めちゃくちゃ嬉しい。本当に。

受賞をきっかけにイエスノーに出会い幸せになる人がいるかもしれない、それってすごいことだなと思います。
自分本位になってしまうけれど、私は今とても幸せなので…!
基本的には作品を好きなことと賞を獲る獲らないはあまり関係なく、好きな人が好きならそれでと思っていま

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したさか関連スポット

したさか関連スポット

栄さんは全然お出かけ好きそうじゃないのに、なぜか関連スポットの特定率が高い気がするしたさか。
もう少し待てば公式から聖地巡礼マップが公開されるのに…と思いながら「でもどこまでしたさかを取り上げてくださるか分からないし!」と作ってしまいました。大体は入ってるかと思います。

なお、話題に出ただけで実際は行っていないところも大いに含みますが悪しからず…(それすらも拾いたかった)

※地図上のアイコンを

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したさか作品タイトルまとめ

したさか作品タイトルまとめ

一穂先生がしたさかをたくさん書いてくださって本当に幸せ…
ということで、現在までのしたさか全作品タイトルをまとめました!(自分が便利なように、そして単に並べてみたかっただけです)

※リンク付きのものは一穂先生のnoteまたはTwitterに飛びます

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◆『ふさいで』(新書館、2018年12月)
 「ふさいで」
 「ゆるして」

「とど

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「ひらいて」の加筆修正②

「ひらいて」の加筆修正②

前回の記事の続き。「ひらいて」の加筆修正箇所について、発見できた約190カ所の一覧です。もはや自分のメモ用なので、ただただ羅列します。

※小説Dear+フユ号は「雑誌」、ディアプラス文庫「つないで」は「文庫」と表記

◆雑誌p6、文庫p7
ただ起こすだけの電話だったのだろうか。
→ただ起こすだけの電話だったのか。

◆雑誌p7、文庫p8
つるつると摩擦をなくし、
→つるつると摩擦を殺し、

◆雑

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「ひらいて」の加筆修正①

「ひらいて」の加筆修正①

小説Dear+フユ号に掲載された「ひらいて」が、この度めでたくディアプラス文庫「つないで」に収録されました!
読んでるときについ気になったのが、雑誌掲載時からの加筆修正。直された箇所から一穂先生や編集さんのこだわりが見えてくるようで、発見すると嬉しくなります!
……そんな嬉しさを抱えた勢いのまま、どのくらい加筆修正されているのか調べてしまいました。これまた大分果てしなかったです…が楽しかった…

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「つないで」感想②

「つないで」感想②

◆「月光浴(あるいは名和田深の憂鬱)」

・タイトルが平仮名「〜て」シリーズじゃない!そしてなっちゃん!と目次でびっくりしてたこちらにようやくたどり着きました。つないでで出てこなかったからなっちゃん目線嬉しい!そういえば企画書見てもらえたのかな?いつかその辺の話も詳しく知りたい…

・好青年な基くん。評価上々だけど…栄さんが現れまではね、そうだよね。なっちゃんセコムが発動されてる…

・ナウシカ!

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「つないで」感想①

「つないで」感想①

1冊読了するのに4時間半かかりました。半年以上、あれだけひらいてループしてきたのに4時間半…至る所で泣いたからですね…
9割方初読時の文章なので、テンションがおかしい上に大したことは言ってませんが、記念に残しておきます。
「ひらいて 」は割愛したものの、以下恐ろしく長いので先に一言。

栄さんが、元気に楽しそうに仕事をしてる、それだけで嬉しくて幸せです!!

◆「つないで」

・傘と星!星をとって

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「鏡」の話

「ふさいで」で印象的だった”設楽さん=鏡“という、栄さんと奥さまの共通認識。あのときの2人の会話の後も、しばしばこの表現が使われています。
そこで、「ふさいで」を中心に「鏡」について少しまとめてみました!
なお、特に結論などはないので悪しからず…

そもそも鏡のことを言い出したのは奥さま。

「街中とかでさ、急に鏡見てびくってする時ない?」
(中略)
「…設楽さんといると、時々そんな気分になる。全

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「栄」呼びの回数と割合

設楽さんは「栄」と言いすぎではないか問題。
実際何回言ってるんだろう?気になる〜!と夜中のテンションのまま出来心で数え始めてしまいました…
途中気が遠くなって後悔したものの、何とか完遂。

栄さんに直接呼び掛ける以外、例えば他者に栄さんのことを話すときの「栄」もカウントしています。
なお、正の字を書いて数えるという超アナログ手段を使ったので、数え間違いはあるかと…誤差の範囲と思ってお許しください。

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「ふさいで」で描かれる光

「ふさいで」で描かれている"光"というか、栄さんが"光"を感じている描写が好き、というだけの話。

「したさかのイメージってどんな?」と聞かれたときの「うーん、薄暗闇に光が射し込む感じ!」「…ふーん」「(あれ?伝わってない!)」というやり取りに端を発しております。

「ふさいで」は光の描写が多く、どれも印象的ですよね。やはり語り手の栄さん自身が光を意識しているからなんだろうなと思います。
まず冒頭

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相馬栄の心の動き③

相馬栄の心の動き③

ー「喪失」と残すことー栄と設楽との関係でしばしば登場するのが「喪失」というキーワード。「喪失」を惜しみ、残しておきたいと願う描写も見られます。
今回は、三芳の行ったやらせにも触れながら、栄にとっての「喪失」と残すことについて探っていきたいと思います。

◆三芳と栄の共通認識

やらせのことを、栄は「自分が落ちていたかもしれない穴、落ちるかもしれない穴」(ひらいてp49)と表現。同じテレビ番組制作者

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相馬栄の心の動き②[追記]

やらせ問題の話で少し追記を。
「ザ・ニュース」は「視聴者目線に立っている」という話をしましたが、そもそもは三芳の「マイ・ドキュメント」もそうだったなと。
同番組を見た栄は、次のような言葉で完成度を評価していました。

きれいにまとめない。うまく言わない。視聴者が疑問に思ったり、引っかかったりしそうなポイントで三芳が出てくることで目線が同じになり、作る側も同じ人間だ、と伝わる。(ひらいてp19)

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相馬栄の心の動き②

ー「テレビの嘘」とやらせ問題ー
「嘘」と「本当」に一旦の折り合いをつけた栄は、『ひらいて』で本格的に「テレビの嘘」と向き合うことに。
前回の記事でも少し触れたように、「テレビは虚構である」という意識がまず前提としてあります。

ルール上アウトかセーフかの線引きは別にして、テレビの中に「本当のこと」なんてひとつもないと、よく知っているはずなのに。(ひらいてp37)

「…むしろテレビから嘘取ったら、

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相馬栄の心の動き①

相馬栄の心の動き①

ー栄にとっての「嘘」と「本当」ー
『ひらいて』で取り上げられている「テレビの嘘」。
この問題と向き合う上で重要になるのが、栄にとっての「嘘」の捉え方の変化ではないでしょうか。
ここでは、作中における栄の「嘘」と「本当」に対する感情を探っていきたいと思います。

◆思ってもないことは言えない

そもそも、栄は「嘘」と「本当」をどのように捉えていたのでしょうか。『ふさいで』を中心に見ていくと…
物語序

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