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『嗣永伝 NO.13(完結編)』 〜嗣永が文学界や今の出版業界に、さらに深く切り込んでいく〜


著者と読者を、直接繋ぐ。

単純に考えれば、このnoteを通して、有料記事として作品を売ればいい。

そう考える人が、ほとんどだと思います。

けどそれでは、ほどんどの小説は、恐らく売ることはないでしょう。

(よほど知名度のある作家さんであれば可能かもしれませんが……)

おそらく、多くの読者はこう考えます。

「いやいや、お金を払ってまで、そこまで小説を読みたいわけではないし、そのお金を出すくらいなら、Netflixやその他のサブスクで映画鑑賞でもして、時間を潰しますよ……」

と。

じゃあ、どうすればいいのか?

ここからが問題です。

・作家は自分の書く作品を売って、利益を得たい

・読者はお金を支払うことなく、面白い作品を読みたい

そう、べつに時間を潰せるなら、小説じゃなくてもいいわけです。もっと厳しいことを言うなら、どこの馬の骨とも判らないアマチュア作家の書いた小説にお金を払うくらいなら、もっと無料で見れるようなコンテンツで時間を潰すだろうし、あなたの書いた小説(ぼくも含む)は、おそらく、無料だから時間つぶしのために読まれているのというのが実態だと思います。

もちろん、例外もいる(純粋に作品を楽しんで読んでくれている方もいる)でしょうが、ほとんどのnoteで小説を投稿している作家さんは、この上記のような状態に陥ってるわけです。

これではいつまで経っても、平行線です。

じゃあ、読者はなんのためにお金を払うの?

それはひとえに、ファンだからじゃないでしょうか?

思い返してください。

アイドルのファンは、なんであそこまでして、たった数秒の握手会のために、大金を叩くのでしょうか? グッズを買うんでしょうか? 旅費を費やしてまで、ライブに足を運ぶんでしょうか?

簡単です。

ファンだからです!!!

ということは、これを小説に置き換えたら?

小説のファンになってもらうことができれば、アマチュア作家でも利益を得ることはできるのではないでしょうか?

つまり、noteやその他のコンテンツを通して、作品を発表するのは売るための目的で作品を発表するわけではなく、自身のファンになってもらうために、作品を発表するわけです。

コンスタントに作品を世に送り出し、そこで固定客を獲得することで、その中から自分の顧客としてファンになってもらえる層にだけ、お金を払ってもらうわけです。

では、何に対してお金を払ってもらうのか?

そう、それが書籍です!!

現物として、ファンの方に、自分の書いた作品を、コレクションとして所有してもらうわけです。

皆さんも経験はないでしょうか?

この作家の作品は全部買って、手元に置きたい。集めたい。みたいな衝動!!!

そこなんです。

ネットでアマチュア小説家が利益を得られる場というのは。

アイドルの握手会やグッズやライブと、まったく同じ原理です。

小説という〝本に〟価値を持ってもらうんです。


それでは、出版社と何も変わらなくないですか?

そうお思いの方もいると思います。

たしかにそうです。

この案だと、例えば本を買いたいという、読者が1000人居たと仮定しましょう。

本を自費出版するとして、1000部の本を印刷しようとすると、大手の出版社に依頼する場合、それにかかる費用は、ざっくり計算したとしても、200万〜300万円ほどかかります。しかもその本を発送したり、その前の工程で表紙のデザインを作成したり、本の内容を校正、校閲したり、それに関わってく人の人件費なども考えると、最低でも1冊5000円以上の価格帯に設定しないと、赤字になると思います。10000円にしてようやく、まともな採算がとれるのかもしれません。ちゃんと計算したとこがないので、細かい内訳はわかりませんが、到底1000円〜2000円の価格帯では、出版社に印刷を依頼した金額だけで、完全に赤字です。

なので、本というのはあくまで、現物として本を手元に置いておきたいというほどの、コアなファン層向けに発行するためだけの、謂わば、二次的な取り組みに過ぎません。プレミア感のある書籍を、ニッチなファン層に向けて、多少、高額になろうが、出版物というグッズを架け橋に、著者とファンを結びつけようという話です。

そして、メインの事業は他に用意するわけです。

例えば、他の媒体やプラットフォームを利用して、ネット上で収益を上げるとか、広告事業に行うことで、広告収入による利益を拡大するとか、グッズ販売や映画化などによる二次的利用で採算を取れるようにするとか、具体的なプランは、現段階では浮かんでませんが、とにかく今の既存の出版業界の古いシステム(書籍を販売して利益を上げようとするビジネススタイル)のままでは、いつか必ず破綻するでしょうし、電子書籍などを活用しても仲介業者が介入している以上、同じことだと思います。

ただ、じゃあ活字媒体のモノを、YouTubeなどで拡められるでしょうか?

マンガやアニメ、ドラマ、映画などと違い、活字文化には画というものが存在しない以上、今流行っている動画メディアを活用していくのは、圧倒的に不向きとしか言いようがないです。(動画のテロップなど、補助的な役割は果たしてはいるが、活字そのものが主役にはなれていない)

ただ、だからと言って、ネットで一人寂しくシコシコ小説を書いてるんじゃ、今までと変わりません。出版社を通して本を販売しようとすれば、本が売れない以上、採算が取れません。

なので、このnoteという場を借りて、文学を愛する者同士で集まって、出版業界というほぼオワコンの業界の手は借りずに、新たなネットだけの出版社を立ち上げ、独自の仕組みとネットワークを構築することで、文学界を盛り上げようという提案なわけです。

そうじゃないと、既存の出版社に搾取されて、新たな小説家は育ちませんし、運良く小説家になれたとしても、宝くじを引き当てるような確率で、生き残っていくしかないのです。このままでは日本文学という文化は、ますます衰退していくでしょうし、遠くない未来で完全に消滅してしまうなんてことにもなりかねません。




次回へ続く……





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