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家族、親子、期待とその人生。 ~ ミュージカル GYPSY (ジプシー) ~

出来るだけ行くべきである、それは大竹しのぶさんの舞台です。

と、急に強く進める自分です。

チケット抽選に外れても外れても、くじけずに申し込みをするしつこさが喜びに繋がるのです!!!

怪しいエピソードの元、ミュージカル ジプシーへ行って参りました。

ここから感想を含めたネタバレが入って来ます、これから観劇予定の方は後ほどお読み頂けましたら幸いです♪


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物語の主人公であるローズこと大竹しのぶさんは、2人娘の姉のルイーズこと生田絵梨花さんと妹のジューンこと熊谷彩香さんをヴォードヴィル・スターにしたくて仕方ない猛烈なステージママ。

2人が受けたオーディションで知り合った、昔は界隈で活躍していたけれど今はお菓子の営業をしているハービーこと今井清隆さんと意気投合。

2人の娘に4人の男の子を加えた一座を作って、いろいろな地域の劇場へ売り込みに奮闘します。

巡り巡るうちに熊谷さんは歌と踊りで頭角を現しますが、生田さんはライバル視することもなく今一つうだつが上がりません。

劇場巡りを続けて行く内に一座の子どもたちも年を重ね成長していきますが、大竹さんは自分で娘たちをスターにしたいがため「子ども劇団」のような構成・演出に固執してしまい、熊谷さんに「年齢相応な俳優」のチャンスが訪れても強く口出しをしてチャンスを潰してしまいます。

これに我慢の限界を超えた熊谷さんは4人の男の子の内、ダンスの秀でたタルサこと佐々木大光さんと駆け落ちをしてしまいます。

これを期にして他の男の子たちも去ってしまいます。

それでもスターを作り上げたい大竹さんは、歌もダンスもイマイチな生田さんをスターにするべく、一座に女の子4人を新たに加えて劇場旅回りを続けます。

スターのいない一座には劇場から声がかかることもなく、とうとうバーレスクの劇場に流れ着きます。

2週間の契約ですが生田さんは前座として「脱ぎもせずチラ見せ」程度で舞台に立ち続けますが、舞台ではストリップを披露するしか仕事の無いおねーさん方が気合の入ったステージを繰り広げています。

裁縫の上手な生田さんがおねーさん達のステージ衣装を微々たる賃金で受注するなど、収入は厳しさを増しています。

契約が終わる日。

おねーさん方のひとりがステージに立てなくなり、穴が開きそうになりてんやわんやの状況を見て生田さんが「わたし、出ます」とストリップ出演を受けてしまいます。

もちろんお金のためでしたが、おねーさん方のステージを見ていた生田さんがぎこちないながらステージに立ちます。

すると思いがけない才能が花開き・・・


何が凄いと言えば、やはり猛烈なステージママの大竹さんのあらゆるものを蹴散らかしても娘たちをスターにしたい強い思い。

ローズこと大竹さんは両親が離婚した後、母に見捨てられ、自身もバツ3で元夫たちはローズから去っています。ハービーこと今井さんは大竹さんにゾッコンですが、娘のルイーズこと生田さんがストリップのステージに立つことを「これをきっかけにスターになれるかも」と逼迫したお金問題も含めて盲目になりつつある大竹さんの姿を見て、やはり去ってしまいます。

こういった書き方ですと、空気を読まない・人を出汁にして自分の夢を叶えるだけのわがままな人に見えると思いますが、ここが大竹さんの凄いところ。

確かにやることなすこと「そうするかね?」「それ言う?」のオンパレードだったりするのですが、チャーミングな語り口や仕草で嫌味加減を雲散霧消させます。本当は「ローズ自身がスターになりたかったから」

そして自分が知らなかっただけなのですが、集団アイドルだからなぁと思っていた生田さんの歌が上手いことにビックリ。知らないって罪だわぁと。

更に熊谷さんのダンスと歌には、「ワ・ワ・ワ!!!」と大感激。
一気にお二人のファンになりました。

今井さんも大竹さんの凄い演技をしっかりと受け止めつつ、優しさと愛で包む感じがステキでした。


驚くべきはこれが実話ということ。

場末のバーレスク劇場から、大竹さんと生田さんがどうなっていくのか。

親子の行方とお互いを思う気持ち。

微妙に近い業界で仕事をしていたことがあるので、感慨深く観劇致しました。

熊谷さん、生田さんのミュージカルがあったら、チケット争奪戦に参戦したいと思います♪

大竹さんは、言わずもがな(笑)


物語は通して軽い話では無いのですが、歌とダンスでコーティングされた舞台は見応え充分です!



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