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アンブシュアって結局何?( #今朝の一言_ラッパの吹き方 )

管楽器界隈では「アンブシュア」という言葉が頻繁に耳に入ってきます。
しかし、僕はレッスンでも自分の演奏時にもアンブシュアという言葉はできる限り使用しないよう心がけています。

なぜ「アンブシュア」という言葉を使わないか。理由は、どこの何を指しているのかさっぱりわからないからです。唇の形状?表情筋の働き?ほっぺた周辺のシワや筋肉の隆起?…みなさんはアンブシュアという言葉を使いますか?使っているのでしたら、どこの何を指していますか?

このような認識が曖昧な言葉を、レッスンで生徒さんに言うなんて、「食品って、美味いよね」とか言ってる人みたいじゃないですか。

それでもなお「アンブシュア」が何を指しているか定義付けをしなけらばならないのだとしたら、僕の場合は「演奏している時の口周辺のただの見た目」です。
その見た目は、表情筋や歯並び、顎や頭蓋骨の形、舌の位置や形状、口の中の空気圧の状態、首の状態、部屋の照明器具など様々な要因がアンブシュアという見た目を作っています。

世の中に誰一人として同じ人間はいません。歯並び、歯の大きさ、歯の角度、骨の形状、筋肉や脂肪のつき方、表情筋の日常的な使い方、年齢、唇の厚さ、皮膚感などが全員違います。一方でマウスピースというほぼ形状が決定している金属を唇と接触させるわけですから、それらを安定する位置や角度を個々の条件下で見つけていったら、全員違う状態になるのは当然だと分かります。
楽器を構えた時にベルの角度が他の人よりも低いとか、斜めを向いているとか、そうしたものはみんなその人のベストである可能性が高いのです。

したがって、演奏している人の口周辺の見た目について、他人がその表面的な状態についてあれこれいうことはできないし、すべきではありません。特にレッスンでそれをしてしまうと、受講生が逆らえない可能性もあるので、より危険です。

ただし、そうした条件下とは別で、例えば小さなお子さんの多いですが楽器が重くてベルが極端に下がってしまうなど、本来あるべき角度ではない不自然な状態になっている場合は、レッスンで一緒にベストを見つけていく必要があります。こうしたことを見抜けるかも講師の力です。

何にせよ、むやみに人の口周辺の見た目についてとやかく言わないこと、これが大切です。

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荻原明(おぎわらあきら)

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