見出し画像

譜読みが苦手な方のお手伝い(ツキイチレッスンでできること9)

毎月複数回開催しているツキイチレッスン。音楽のレッスンの多くは、教室などに入会し、継続してレッスンを受講するため、生活の中に新たにスケジュールを組み込む必要が出てきます。もちろんその時間があることで生活に潤いを与えるのであればベストですが、仕事や学校、家庭のことと両立させるのが物理的に困難になることも少なくありません。そうなると音楽や練習することが途端にストレスになってしまい、本来楽しむためのものが苦痛になる可能性もあります。
それなら単発でも参加でき、意志さえあれば自分のペースで継続もできるレッスンがあれば良いのでは?と考えて作ったのが単発参加型のツキイチレッスンです。

単発レッスンであればスケジュール的には気軽に参加できると思いますが、1回のレッスンで何を見てもらえばいいの?という疑問が湧いてくる方も多いと思います。
そこで、数回に分けてこのブログで、どんなレッスンがオススメか書き出してみようと思います。「そういう内容だったら受けてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです。
なお、以下のリンクから開催日や詳細をご覧いただけます。

これまでにご提案させていただきた「ツキイチレッスンでできること」の記事はこちらからご覧いただけます。

それでは、今回はこんな提案をしてみたいと思います。


譜読みが苦手な理由

僕は中学校の吹奏楽部に入って初めてトランペットを吹きました。ただ、その頃は楽譜が読めませんでした。

楽譜が読めない、と言ってしまうと少々雑な表現かもしれません。正確には音の高さは少し時間がかかるけど理解できていて、それに合わせた運指もある程度は把握していました。問題はリズム。

多分ですが、当時の僕のように楽譜が読めない、苦手という方の中の多くは、楽譜のすべてがわからないのではなく、偏った理解度がそうさせているのではないでしょうか。
偏った理解度をすべて平均的なものにするための方法をこれから考えてみたいと思いますが、その前に楽譜にはどのような情報が書かれているか分解してみましょう。

テンポ
リズム
拍子
音の高さ
ダイナミクス(強弱)
アーティキュレーション(スラー、アクセント、スタッカートなど)
その他様々な指示や情報

こんな感じでしょうか。
これらのデータを同時進行で理解して、しかも楽器のコントロールや運指まで関係してくるわけですから、考えれば結構大変なことをしているのだなあ、と改めて思います。

分解して理解する

同時進行するから難しいので、分解していくつかの限定した情報だけに絞って理解をすすめるのがオススメです。例えば、

[テンポとリズムだけ]
音の高さを無視して、リズムだけを理解します。その際、音の長さを正確に捉えることが大切なので、可能であれば声に出して歌うか、楽器で同じ音で構わないので長さを正しく吹いてみるのが良いでしょう。手拍子でリズムを取ると、音の終わりがわからなくなってかえって理解が進まない場合も多いです。

[音の高さだけ]
音の高さ以外の情報を含めずに、スラーで順番に鳴らしていきます。トランペットのコントロールは舌や指や腹筋やらで音の高さや空気圧を変えたりタンギングをしたりピストンを押したりと、これだけで大変なので、スラーで特定の音に到達するコントロールを先に手に入れてしまいましょう。
音程を取るのが苦手な方は、可能であればピアノなど音の出る楽器あらかじめ音を確認できたらとても良いですね(ただし吹奏楽譜などの場合は移調読みの必要があります)。読み替えが苦手な方はハーモニーディレクターなどがあると便利かもしれませんね。

他にもスラーや強弱を付けてみたり、データを限定した状態でいくつかのパターンで演奏してみると、ある組み合わせではスムーズに演奏できるのに、一方で特定のデータが入り込むと途端にたどたどしくなってしまうことで、自分が何が得意で何が苦手か知ることもできます。

合体させる

様々なデータを限定した練習をしたら、今後は可能な限り合体させて演奏してみましょう。ただし、あまり長い範囲ではなく、1小節だけにするとか、4小節にしたり、次のブレス(として決めている部分)までにするなど、できる限り短い範囲で演奏します。最初は断片的であっても、ジグソーパズルのピースをつなげていくかのようにだんだん大きく、作品の形になってきます。
このような練習は、進行が遅く完成まで遠回りをしているような印象を受けますが、正しく、丁寧に理解しているので実はこのほうが短時間で済みます。むしろ間違って楽譜を読んでしまった場合の修正のほうがよほど時間がかかります。
集中して、丁寧な音楽作りを目指しましょう。

音源は複数のものを聴きましょう

また、別のアプローチとして音源を聴いて参考にする方法もありますが、そもそも楽譜を読むのが苦手な原因の場合、音源で覚えてしまったらなかなか克服できません。できる限り音源に頼らない譜読みをしてください。
音源を聴く場合は、それが絶対的な正解ではない、と理解した上で歌い方やニュアンスに偏りができないよう、いくつもの音源を聴いてください。また、できるだけそれぞれの音源が誰(何者)が演奏しているのかを知った上で聴くようにしましょう。


根性練習にならないように!

完成度を高めるために必要なことは、練習において極力間違えないことです。ゆっくりでも、断片的でも構わないので、違う音を出したり、スラーの付け方が適当(自分が吹きやすい状態になりがち)にならないよう、とにかく正確に取り組むことです。
一回一回の演奏を常にクオリティ高いものにする意識を持って取り組んでください。間違った理解がクセになってしまうと、それを直すのはとても時間がかかります。

ただし、まだ習得できていないテクニックを手にいれるための試行錯誤や、クオリティをより高くするために行う「研究」と「実験」はトライアンドエラーが前提になるので、上記の話とは別です。

ツキイチレッスンで正しく、効率的に!

ということで正しく理解するための譜読みの取り組み方について解説しましたが、これをひとりで行うのは正直結構大変だと思います。そもそも、今のこの状態が正しいのか、そうでないのかの判断は、最初は客観的に評価してもらったほうが安心なので、譜読みが苦手な方や、現在楽団や部活で取り組んでいる作品が難しかったり、曲数が多くて効率的な練習を必要とする場合はぜひツキイチレッスンにいらしてください。譜読みのお手伝いをさせていただきます!

今後の開催日やお申し込み等、詳細はこちらからご覧ください。

ご参加、お待ちしております!


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。