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ひとり出版社をつくることにしました。

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ひとり出版社を立ち上げるまでの経緯をつづっていきます。
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ひとり出版社をつくる㉒「書籍流通~注文出荷制~」

ひとり出版社をつくる㉒「書籍流通~注文出荷制~」

ひとり出版社をつくるシリーズ、当面お金の話で進めていくと宣言しておきながら、すみません、今回は趣向を変えてお送りします。当社2冊目の新刊書籍を問題なく発売できたので、書籍流通についての考え方についてすこしだけ述べたいと思います。

まず、昨日3月25日――。

出版社スタブロブックスの2冊目の新刊書籍、高橋惇さん著『一歩ふみだす勇気』の全国発売日を迎えました。

これから全国の書店で展開されていき

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ひとり出版社をつくる㉑「お金の話~初期投資~」

ひとり出版社をつくる㉑「お金の話~初期投資~」

ひとり出版社をつくるシリーズ、当面、お金の話で進めていきます。

今回は、「初期投資」の話。前回(ひとり出版社をつくる⑳「お金の話」)の流れからはちょっと逸脱しますが、この初期投資の考え方がいちばん大切だと思うのに書くのを忘れていたので、割り込ませます。

独立開業で気になる初期投資の存在「独立開業」を考え始めると、最初に気がかりになるのは「初期投資」だと思います。

たとえば飲食業を開業する場合

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ひとり出版社をつくる⑲「ネット書店の流通_番外編」

ひとり出版社をつくる⑲「ネット書店の流通_番外編」

2020年11月20日の本日、アマゾンをはじめとしたネット書店において、当社初の新刊書籍『いつか幸せではなく、今幸せでええやん!』(尾﨑里美著)のシステム上の発売日を迎えました。

ところが結論として、発売日早々にアマゾンの在庫が不足し、この記事を書いている19時45分現在、税込み価格1650円の商品価格が2000円を上回ってしまっています。

尾﨑さんの新刊を楽しみにされている皆様、大変申し訳ご

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ひとり出版社をつくる⑱「本格スタートその1」

ひとり出版社をつくる⑱「本格スタートその1」

2020年9月1日に取次会社のJRCさんと契約(実際にはJRCさんとの覚書を投函した日)させていただいて以降、本づくりを本格化して11月末、ようやく当社一冊目の新刊本『いつか幸せではなく、今幸せでええやん!』を発刊できる状態になりました。

さかのぼれば2016年くらいから出版社設立の情報収集をはじめ、いまこうして出版社としての活動がスタートできたということで、9月1日以降の動きを項目別というか、

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ひとり出版社をつくる⑰「JRC」

ひとり出版社をつくる⑰「JRC」

本日、取次会社のJRC(人文・社会科学書流通センター)と契約させていただきました。(正確には、JRCさんとの覚書を投函した)

これによって出版事業の最大の悩みどころだった流通のしくみを確定させたことになります。

このnoteにも書いてきたように、これまでトランスビューやサンクチュアリ出版にお話をうかがうなど、出版流通の取引代行について検討を重ねてきました。

取次会社の口座貸し専門の星雲社に初

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ひとり出版社をつくる⑯「ISBN」

ひとり出版社をつくる⑯「ISBN」

ちょっと更新がとどこおっていました。出版社の設立準備は地味に進めてきたので、前回の記事からの更新情報をとりあえずつづっておきましょう。

といっても、前回は「ひとり出版社をつくる⑮「部分と全体」」という、あまり出版とはかかわりのない話を書いているので、そのもうひとつ前の記事、「ひとり出版社をつくる⑭「社名」」からの続報(というほどのものでもないけど)になります。

まず予定どおり法人設立完了

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ひとり出版社をつくる⑭「社名」

ひとり出版社をつくる⑭「社名」

さて、2020年4月21日に神戸地方法務局に登記資料を提出し、設立手続きは完了したはずのひとり出版社の社名をお伝えします。

スタブロブックス株式会社

です。

簡易的な公式サイト(スタブロブックス)も立ち上げました。改めて、ちゃんとしたサイトをつくり直す予定です。※今回法人(co.jp)ドメインを取得し直したこともあり、まだ検索サイトには正しく認識されていません。

この「スタブロブックス」と

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ひとり出版社をつくる⑨「サンクチュアリ出版」

ひとり出版社をつくる⑨「サンクチュアリ出版」

新型コロナウイルスの影響が広がるなか、うちは娘が通う小学校が春休みまで臨時休校となり、3月2日から4月の始業式までどうやって仕事をしていくのか……という問題を抱えております。。

さておき。

先日、出版社設立の準備の一環でサンクチュアリ出版にお電話しました。

サンクチュアリ出版は出版流通機能を持っていない出版社に対して「営業代行」「販促代行」「流通代行」の3つをセットで提供しています。出版社は

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ひとり出版社をつくる⑧「資金」

ひとり出版社をつくる⑧「資金」

前回の記事(ひとり出版社をつくる⑦「再開」)を2019年11月12日にアップしてから年越しし、2020年を迎え、はやくも2月も後半にさしかかりました(笑)。

何をしていたのかというと、生きていました。それくらいいまの僕は生きるのに必死です。

ともあれ。

ひとり出版社をつくるための計画を虎視眈々と心の中で描き、いよいよ本当に動き出すことにしました。

前々回の記事(ひとり出版社をつくる⑥「星雲

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ひとり出版社をつくる⑦「再開」

ひとり出版社をつくる⑦「再開」

ものすごく久々にnoteにアクセスすると、開設3年目のバッジがプレゼントされました。もう3年……はやいなあ。

と同時に長期間、記事更新をほったらかしにしてしまいました。

理由は、動きがなかったからです(笑)。正確には、出版社を設立している場合ではなくなったというか。

前回の記事(ひとり出版社をつくる⑥「星雲社」)をアップしたのが2017年4月なので、およそ2年半ぶりの更新です。

いよいよ出

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ひとり出版社をつくる⑥「星雲社」

ひとり出版社をつくる⑥「星雲社」

「お世話になります。いま出版社の立ち上げを予定していて、口座貸しについてお話を伺いたいのですが……」

ぼくが星雲社に初めて電話をしたのは2016年11月29日。

電話に出た女性は開口一番、

「法人化はまだされていませんね。法人さまが契約の前提になるのですが」

と先制パンチ。

スマートフォンからかけたので、番号通知で法人ではないと分かりそう言われたのかも。

すかさず、

「法人化すること

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ひとり出版社をつくる⑤「取次口座」

ひとり出版社をつくる⑤「取次口座」

※今回から、気分で敬体はやめて常体で。

***

出版社を立ち上げるといっても、具体的にどうやってつくったらいいのか。

会社を設立し、出版社っぽい社名をつけて、本を制作する。これでも物理的なモノとしての本をつくることはできるけれど、いわゆる「出版社」とはいえない。

では何が必要か。それは出版業界の問屋に相当する「取次会社」に取引口座を開設すること。

本の流通は、出版社がつくった本を取次が集

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ひとり出版社をつくる④「三人四脚」

ひとり出版社をつくる④「三人四脚」

一冊の本づくりにはたくさんの人たちがかかわっています。著者と編集者を中心に装丁家、DTPデザイナー、校正・校閲者、印刷会社、ライター、そして出版元となる出版社です。

ざっとあげてもこれだけのプロがかかわり、一冊の本ができ上がります。

なかでも書籍ライターの立場でいえば、著者、編集者、ライターの三者のつながりが深いです。この三者が打ち合わせや取材などを通じて長い時間を過ごし、原稿についてあーでも

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ひとり出版社をつくる③「個人か、組織か」

ひとり出版社をつくる③「個人か、組織か」

書籍ライターに限らず、フリーランスのライターは経験を重ねるとふたつのステップアップの道があるように思います。

ひとつは、生涯現役でライターを貫いて書き続ける道。もうひとつは、ライターとしての経験を活かして個人から組織に飛躍する道。

それ以外にも講師やコンサルタント、作家などいろいろ道はあると思いますが(あるいは会社員に戻るのが多い?)、ざっくり大別すると、個人か、組織か、このふたつに集約される

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