コウタニ

小説 短編小説 ショート・ショート 暇な時にサラッと読める創作文章を書す。主に笑い。

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  • 超短編小説『ナンセンス劇場』

    ナンセンスな超短編小説

最近の記事

超短編小説『ナンセンス劇場』070

【ヒーローごっこ】 「鬼ごっこも飽きたから他の遊びしようぜ」 「じゃあ今度はヒーローごっこでもするか」 「さんせ~い!」 “ジャンケン、ポン” 「あ~、負けたぁ」 「じゃあリョウタがヒーローな。よし、みんな逃げろ!」 “ワ~!” 「ユウキ捕まえた! 今度はユウキがヒーローだぞ~!」 【大家族】 全員で12人の大家族、山田さん一家の日常を追ったテレビ番組が大好評だった。 ところがテレビスタッフの1人がある異変に気が付いた。 「ディレクター、山田さん一家なん

    • 超短編小説『ナンセンス劇場』069

      小学校1年生のマナブ君は1人でバスに乗り親戚のおじさんの家まで遊びに来ていた。 「あなた、マナブ君たら凄いのよ。 まだ1年生だっていうのにもう掛け算の九九全部言えるんだから」 「ほう、そりゃ凄いな。 じゃあマナブ君七の段言えるかい?」 「おじさん、七の段を言わせようとするところがちょっといやらしいですね。 七の段は九九の中で1番難しい段ですからね。 心の優しい人なら二の段か五の段あたりを訊いてくると思うんですが。 でもまぁ僕は九九を全部覚えているので七の段でも一向に構い

      • 超短編小説『ナンセンス劇場』068

        【酔っ払い運転】 「金持ちで頭が良く運動神経も抜群。それになんといってもこの美貌」 男は車を運転中にバックミラーで自分の顔を眺め、前方不注意により電信柱に激突した。 近所の人の通報ですぐに警察がやって来た。 警察が男の呼気を調べると基準値の10倍を上回るナルシスト濃度が検出され、男は自分酔い運転により現行犯逮捕された。 修学旅行最終日】 「え~、次に田原先生からお知らせがあります」 「昨日泊まった旅館で忘れ物をしたやつがいるぞ。 誰だこのパンツを忘れたやつは。 どう

        • 超短編小説『ナンセンス劇場』067

          【エサ】 「大漁、大漁。やっぱりエサを替えたのが良かったのかな」 男はクーラーボックスを抱え車が止めてある駐車場へ向かった。 その途中一万円札が落ちているのを発見した。 「おいおい、今日はツイてるぞぉ」 そう言って一万円札に手を伸ばすと体が突然動かなくなった。 さらに地中から次々と手が飛び出し男を地底へと引きずり込んでいった。 「う~ん、どうやらこの百円玉というものよりも一万円札というものの方が喰いつきがいいようだな」 【力丸】 「うちの犬、凄い芸ができるんだぜ

        超短編小説『ナンセンス劇場』070

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        • 超短編小説『ナンセンス劇場』
          69本

        記事

          超短編小説『ナンセンス劇場』066

          【特許出願中】 ミサトは傘の形状が気に入らなかった。 傘は左右前後対象に作られているが、体の中心で傘を持つことは出来ない。 そのためいつも背中や左右どちらかの肩が濡れてしまうんだとミサトは不満に思っていた。 そこで今までにない斬新な傘を自分で作ることにした。 ある雨の日。 「ねぇアオイ、ちょっと傘作ってみたんだけど使ってみて」 「え~、自分で作ったの? すごくな~い?」 「これなんだけどね」 「え? どうやって使うの?」 「そこの赤いボタン押してみて」 「これ?

          超短編小説『ナンセンス劇場』066

          超短編小説『ナンセンス劇場』065

          【シークレットシューズ】 「すいません、シークレットシューズ見せてもらいたいんですが」 「かしこまりました」 「これなどいかがでしょうか?」 「ああ、カッコいいですね。新製品ですか?」 「いつ作られたかは不明です」 「日本製ですか?」 「どこで作られたのかも不明です」 「これって本革ですか?」 「得体の知れない素材で作られています。 この靴に関する情報はすべて秘密にされているのです」 「そうですか、さすがはシークレットシューズ。 僕が探していた靴はまさにこ

          超短編小説『ナンセンス劇場』065

          超短編小説『ナンセンス劇場』064

          【妖怪大百科事典】 =妖怪いないいないばぁ~= 「いないいない、ばぁ~」 「おぎゃ~~!!!」 《解説》 『妖怪いないいないばぁ~』は赤ちゃんがいる家庭に忍び込み「いないいないばぁ~」と言って恐ろしい顔を見せ赤ちゃんに一生消えることのないトラウマを植え付ける。 主に老婆の姿をして現れる。 =妖怪だるまさんが転んだ= 「うん? あの子どうしたんだろう。泣いてるのかな?」 「だ~るまさんが」 「え?」 「こ~ろんだ!」 「う! うぐぐぐぐ」 ≪解説≫ 『妖怪だるまさん

          超短編小説『ナンセンス劇場』064

          超短編小説『ナンセンス劇場』063

          【謎の人物】  それは1ヶ月ほど前のことでした。  彼女が私にこう言ってきたんです。 「ねぇ、ちょっと目瞑って」 「え、どうしてだい?」 「いいから瞑って、お願い」 「分かったよ」  私は言われた通りに目を瞑りました。  そして30秒ほど経ってから彼女がこう言いました。 「目開けてもいいよ」  私が目を開けると目の前に知らないおばさんが立っていました。 「あれ? あなた誰ですか? キョウコは?」 「・・・」 「いや、ホントにあなた誰ですか?」 「・・・

          超短編小説『ナンセンス劇場』063

          超短編小説『ナンセンス劇場』062

          【だから何なんだ】 「さぁ、こちらに集まっていただいた5名の方々は全員が超巨漢。 その重量、合わせて644キロ!」 「こちらも負けていませんよ。 こちらに集まっていただいた方々は全部で16名。 皆さん標準体重でその総重量なんと977キロ!」 「ということは、そちらとこちらを合わせるとその重量、驚異の1621キロ!」 「今日は5名のご老人に集まっていただきました。 皆さん大変元気なんですけれども、全員の年齢を合わせるとなんと466歳!」 「こちらも負けていませんよ。

          超短編小説『ナンセンス劇場』062

          超短編小説『ナンセンス劇場』061

          【めそめそすんな】 「いつまでもめそめそしてないで早くお風呂に入っちゃいなさい」 「はーい」 「まだめそめそしてたのか。もういいかげん寝ろ。電気消すぞ」 「はーい」 「そんなにめそめそすんなって。明日めそめそ買って来てやるから」 「ホントに!? やったー!」 今子供達の間でゲームソフト『めそめそ』が大流行している。 【友達とは】 「ああ・・・頭痛が痛てぇ・・・」 「おいおい、マジかよ、いまだにそんな古典的な間違いを言うやつがいるのかよ。 頭痛が痛いなんて今どき小

          超短編小説『ナンセンス劇場』061

          超短編小説『ナンセンス劇場』060

          【伝説の剣】 勇者は魔王討伐へ行く前にある山へ向かった。 そこには選ばれた者しか使うことができないという伝説の剣があるのだ。 勇者が山へやって来ると1本の剣が地面に深く突き刺さっていた。 今まで何千、何万という者達が引き抜こうとし、失敗に終わった伝説の剣だ。 勇者は柄を握り渾身の力を込めて引っ張ると剣は大地を揺るがしながらその姿を現した。 5日程回り道をしてしまったが伝説の剣を手に入れ準備が整った勇者は魔王討伐へと向かった。 しばらく歩いていると、1人のきこりが木を切

          超短編小説『ナンセンス劇場』060

          超短編小説『ナンセンス劇場』059

          【悪夢】  男は大学の合格発表をネットで検索した。  もう二浪している男は、今年絶対に落ちるわけにはいかなかった。  男は恐る恐る自分の番号を探す。  しかし番号は無かった。  目の前が真っ暗になる。  夢にまで見たキャンパスライフ。  大学に入学したらやりたいことが一杯あったのに。  全てが水の泡と消える。 (俺の人生はもうお終いだ)  男は絶望し膝から床に崩れ落ちた・・・ という所で夢から覚めた。 「なんだ、夢かぁ」  男は安堵しほっと一息つく。  男が胸をなでおろして

          超短編小説『ナンセンス劇場』059

          超短編小説『ナンセンス劇場』058

          【最強拳法】 「こんな所で1人でどうしたんじゃ、青年よ」 「実は俺、学校で苛められてるんです」 「ほう・・・強くなりたいか?」 「なれるもんなら・・・」 「ならばお主にとっておきの拳法を授けてやろう。  酔えば酔うほど強くなる、その名も『酔拳』じゃ!」 「俺、未成年なんで酒は飲めません。  それに父も母も下戸で多分俺もアルコールには弱いと思います」 「う~む・・・ならばもう1つの拳法を授けてやろう」 「もう1つの?」 「そうじゃ、ワシのオリジナルの最強拳法じ

          超短編小説『ナンセンス劇場』058

          超短編小説『ナンセンス劇場』057

          【一郎と二郎】 「おい二郎、食べ放題の焼き肉屋に行かないか?」 「僕は少食だから別の所で食べるよ」 「よ~し、3,000円分絶対に元を取るぞ」  一郎はこれでもかと肉を焼き始めた。 「そういえば誰かが割り箸も割り放題とか言ってたな」 “パキッ、パキッ、パキッ” 「お客様、無闇に割り箸を割るのはお止めください」 「割り箸は割り放題じゃないのか。  とにかく焼き肉を食いまくるぞ~」 一方、二郎はファミレスへ行き、1,500円のステーキセットを注文し、食べ終えると

          超短編小説『ナンセンス劇場』057

          超短編小説『ナンセンス劇場』056

          【行列のできるラーメン屋】 「今日は行列のできるラーメン屋さんに来ています。  それじゃ中へ入ってみましょう」 「へい、らっしゃい」 「こんにちはご主人。今日はけっこう空いていますね」 「そうなんですよ。  まぁ取り敢えずこの自信作のラーメンを食べてください」 「うわ、美味しそう。それでは早速」  “ズズズ~” 「うん、これは魚介の出汁が利いていてとても美味しいです」 「そうでしょ? テレビも来てくれたしこりゃ明日から大忙しだな」 「ということで今日は完全に

          超短編小説『ナンセンス劇場』056

          超短編小説『ナンセンス劇場』055

          【感謝とアドバイス】 「手話の勉強始めてからどの位になるんだっけ?」 「1年ちょっとかな」 「結構使えるようになった?」 「日常会話位なら大丈夫だと思うよ」 「アケミって色々挑戦するよねぇ。  あ、そうだ、頂き物のクッキーあるんだけど食べる?」 「今ダイエットしてるんだけど食べちゃおうかなぁ」  2人でクッキーを食べていると隣の部屋から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。 「ナオキが起きたみたい」  そう言ってサトコは隣の部屋へ行き赤ちゃんを抱っこしてきた。

          超短編小説『ナンセンス劇場』055