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超短編小説『ナンセンス劇場』070

【ヒーローごっこ】

「鬼ごっこも飽きたから他の遊びしようぜ」

「じゃあ今度はヒーローごっこでもするか」

「さんせ~い!」

“ジャンケン、ポン”

「あ~、負けたぁ」

「じゃあリョウタがヒーローな。よし、みんな逃げろ!」

“ワ~!”

「ユウキ捕まえた! 今度はユウキがヒーローだぞ~!」


【大家族】

全員で12人の大家族、山田さん一家の日常を追ったテレビ番組が大好評だった。
ところがテレビスタッフの1人がある異変に気が付いた。

「ディレクター、山田さん一家なんですが・・・時々13人いるときがあるんですが」

「なに!?」

「これです・・・」

「どれどれ、1、2、3、4、・・・13、確かに・・・」

「ど、どうします?」

「黙っておこう、これを発表すると別な番組になっちまう。
大丈夫だ、沢山いるからバレん!」


【当たり前か?】

超能力者ウリ・ベラーが手をかざすと透明なケースの中に入れられたピンポン玉がコロコロと動き出した。

「お~っと! ピンポン玉が動き出しました!
このケースとピンポン玉はこちらが用意したものでタネも仕掛けもございません!」

出演者のタレント達がピンポン玉を調べたがなんの仕掛けもない。

「ちょっとヒカル君試しにやってみませんか?」

「え~、僕がですかぁ? 無理ですよ~」

司会者に促されヒカルがピンポン玉に手をかざすとなんとピンポン玉が動き出した。

”え~!?”

会場中から驚きの声が上がる。
ヒカルは得意気だ。

「さぁ、ここで種明かしです。
なんとヒカル君、1か月前から超能力の特訓をしていたんです」

「えへへ、みんな驚かせてゴメンね」

「な~んだ、1か月前から特訓していたのね。
それじゃ出来て当たり前だわ」



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