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超短編小説『ナンセンス劇場』069
小学校1年生のマナブ君は1人でバスに乗り親戚のおじさんの家まで遊びに来ていた。
「あなた、マナブ君たら凄いのよ。
まだ1年生だっていうのにもう掛け算の九九全部言えるんだから」
「ほう、そりゃ凄いな。
じゃあマナブ君七の段言えるかい?」
「おじさん、七の段を言わせようとするところがちょっといやらしいですね。
七の段は九九の中で1番難しい段ですからね。
心の優しい人なら二の段か五の段あたりを訊い
超短編小説『ナンセンス劇場』065
【シークレットシューズ】
「すいません、シークレットシューズ見せてもらいたいんですが」
「かしこまりました」
「これなどいかがでしょうか?」
「ああ、カッコいいですね。新製品ですか?」
「いつ作られたかは不明です」
「日本製ですか?」
「どこで作られたのかも不明です」
「これって本革ですか?」
「得体の知れない素材で作られています。
この靴に関する情報はすべて秘密にされているので