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超短編小説『ナンセンス劇場』069

小学校1年生のマナブ君は1人でバスに乗り親戚のおじさんの家まで遊びに来ていた。

「あなた、マナブ君たら凄いのよ。
まだ1年生だっていうのにもう掛け算の九九全部言えるんだから」

「ほう、そりゃ凄いな。
じゃあマナブ君七の段言えるかい?」

「おじさん、七の段を言わせようとするところがちょっといやらしいですね。
七の段は九九の中で1番難しい段ですからね。
心の優しい人なら二の段か五の段あたりを訊いてくると思うんですが。
でもまぁ僕は九九を全部覚えているので七の段でも一向に構いませんけど。じゃあ行きます。
しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち・・・」

「あ、マナブ君、もういいよ、おじさん聞かなくても分かる。
マナブ君は七の段ちゃんと言える。
それと、あの、なんかごめんね。
チョコレートあるけど食べる?」


【見ざる聞かざる言わざる動かざる】

見ザルは目を瞑り、悪の秘密結社の悪行を見ないようにした。
聞かザルは耳を塞ぎ、悪の秘密結社の悪巧みを聞かないようにした。
言わザルは口を固く結び、悪の秘密結社の悪巧みを言わないようにした。

動かザルは悪の秘密結社の悪行と悪巧みを見て聞いて、そのすべてを大きな声で叫んだ。
すると悪の秘密結社が血相を変えてやって来た。

「テメェー、殺されてぇのかー!」

動かザルはその場にどっしりと座ったまま動くことはなかった。
そして天に召された。


【食わざる】

食わザルは生まれて2日後に天に召された。



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