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終戦記念日に勧めたい本

今日は76回目の終戦記念日です。
「あの戦争」をめぐる言説は、年々危うさを増しているように思います。
特に、日本軍の外国への加害や、味方に多くの犠牲を出した無能さに目を背けてはなりません。

第二次世界大戦(太平洋戦争)についての教養を身に着けるためのお勧めの書籍を紹介します。

1.加藤陽子「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(新潮文庫)

近代日本が戦った日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・第二次世界大戦の4つの戦争がなぜ起きたかを解き明かしていきます。
「資源のない日本は、戦争をしてはならない国だ」という結論が重い。

2.吉田裕「日本軍兵士」(中公新書)

第二次世界大戦では、日本軍兵士の死因は餓死・戦病死が戦死を大きく上回っていました。部隊内でいじめ・自殺が頻発するなど、日本軍の持っていた欠陥はいまだ克服されていないように感じます。

3.辻田真佐憲「大本営発表」(幻冬舎新書)

信用できない情報の代名詞とされる「大本営発表」。大本営発表とは何か、なぜ嘘が横行するようになったのかを分析した良書です。

4.吉田満「戦艦大和ノ最期」(講談社文芸文庫)

戦艦大和に乗っていた海軍少尉が、戦後に書き残した手記。戦場の惨禍を目の当たりにした著者による壮絶な記録です。

第二次世界大戦を扱った書籍は多く出回っていますが、質を伴っているものは少数派です。「あの戦争はアジアを解放するための正義の戦争だった!」と主張する歴史修正主義の跋扈には危機感を覚えます。

上記はいずれも文庫・新書で入手しやすいです。最低限、過去を直視できるだけの教養が広まることを望みます。

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