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松戸市・流山市の隠れた名城~根木内城・小金城・前ケ崎城

 千葉県松戸市・流山市といえば東京近郊のベッドタウンです。そんなところに城跡があるとは、思いもよらないでしょう。

 しかし、「城跡は日本全国どこにでもある」と言っても過言ではありません。今回は、交通の便利な住宅地の中に保存されている三つの城跡を紹介します。いずれも、下総の国衆・高城氏が築いた城です。


根木内城(ねぎうちじょう)

 常磐線北小金駅から南東へ徒歩15分ほどで、根木内城址公園につきます。戦国時代に高城氏の居城でしたが、天文6(1537)年に小金城に本拠地を移しました。

 さっそく、大規模な空堀が出迎えます。本来の城域のうちのわずかな部分しか残っていませんが、曲輪を囲む土塁などが確認できます。

 城の北東側は湿地帯になっており、こちらから攻めるのも難しかったはずです。

小金城(こがねじょう)

 根木内城から徒歩圏内の場所に、小金城があります。根木内城から移った後の高城氏の本拠地でした。
 小金城も、宅地開発で大半の遺構が破壊され、住宅地に遺構が点在するのみです。

 達磨口跡には、かなり規模の大きな土塁・堀切・空堀が確認できます。

 小金城址公園の見所は、この障子堀でしょう。遺構保護のために埋もれていますが、堀底に敵の動きを封じるための仕切りがありました。

 いくつかの曲輪が残り、周囲を土塁で囲んでいたことがわかります。

前ケ崎城(まえがさきじょう)

 小金城の北にある前ケ崎城は、小金城の支城として築かれました。現在、前ケ崎城址公園となって本丸周辺が保存されています。
 曲輪はかなり広く、周囲の土塁も分かりやすいです。

 南西部には小高く盛り上がった部分があり、櫓台として機能していたと考えられます。

 根木内城を起点として、小金城・前ケ崎城と頑張れば徒歩で回ることも可能です。首都近郊で、戦国時代を感じる歴史散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

※似たような「首都近郊の隠れた名城」には茅ヶ崎城があります。

 
 


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