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統合失調症-病棟記録

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私は、統合失調症です。その発症・入院・退院までの記憶と、精神科病棟の中で出会った人々のことを綴ったマガジンです。
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2020年6月の記事一覧

【閉鎖病棟】⓪保護室で過ごす日のこと

【閉鎖病棟】⓪保護室で過ごす日のこと

わかったのは、私は、生きているということ。

よかった。
今は、それだけでいい。

そう言えば、病院へ向かうタクシーの中。とても寒くて、酷く喉が渇いていたのは、こんな妄想があったから。
私は、さっき死んだのよ。
今から、お墓に入るわ。

だから、

綺麗にお化粧をして頂戴ね。
沢山お水をかけて頂戴ね。

「自分」について、
とても冷静に、不思議と心穏やかでした。

既に、どこまでが現実なのか、

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私が統合失調症で入院するまで。②自分がいまここにいる感覚

私が統合失調症で入院するまで。②自分がいまここにいる感覚

所々に抜け落ちた記憶。

いくつかの取り戻せない時間。
それでも不思議と覚えていることはあるんです。

心療内科受診から1週間後に、私は大学病院の精神科を受診しました。十分な睡眠と休息。
適切な服薬。
定期的な通院とカウンセリング。

全て、私には意味のないことでした。

症状はより酷く、明らかに。

間もなくして、
私は、母に連れ添われ学病院の精神科に向かいました。

強い恐怖心、不安感。
この

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私が統合失調症で入院するまで。①日常がストレスに変化した時

私が統合失調症で入院するまで。①日常がストレスに変化した時

発症のきっかけ?

きっと、
本心を悟られぬよう、笑って過ごすのが辛かったんです。

それまで、私の生活の中心は仕事でした。職場へは電車で30分程。

とにかく毎日が忙しくて、
終電が終わった後に、タクシーで帰宅する日が多くありました。
出張も頻繁で、しばらく家に帰れない事もありました。

ロクに寝ず、また仕事。
ロクに食べず、また仕事。

そんな毎日がちょっと格好いい。
だって、仕事は楽しかった

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