torroja

あ、どうも。構造計算適合性判定員です。

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最近の記事

つれづれなる構造屋 vol.5

定期的な収入を得るために改定を繰り返す、という噂も。 構造設計と審査において最重要とも言える本で『建築物の構造関係技術基準解説書』というものがあります。 2007年版は表紙デザインが黄色のタテジマだったので『シマ本』とか呼んでましたが その後の版からシマシマなくなり『黄色本』の通称で定着したかと。シマシマはアイデンティではなかった。 さて、2025年に改定版が出る、という噂を聞きましたが果たして。 編纂はとっくにスタートしているものと想像しますが、2025年の法改正が

    • 構造審査よもやま話 第7話 ~構造は経験がものをいう世界、なんだけど。なんだけども。~

      単にその言葉を言いたいだけ、という可能性は流石に無い、たぶん。 建築物の基礎が杭基礎(支持杭)の場合、隣地低減や外部コア杭や液状化とか、まぁ色々考えなければならないわけですが その中の一つに「ネガティブフリクション」というものがあります。「負の摩擦力」とも言います。 一般的には、支持層が動かないものとして其処に杭を造成するわけで 杭が建物自重で沈み込もうとする時にそれを抑えようとして地盤と杭周面の間には摩擦力が生じます。 建物が沈まない向きなので上向きに働く摩擦力ですね

      • つれづれなる構造屋 vol.4

        別の意味で企画倒れの予感が充満。 いま漠然と考えていることがありまして 設計者が審査者に言われた理不尽と思える指摘を、私がなるたけ噛み砕いて解説できれば、設計と審査の橋渡しになり得るだろうか、と。 図書を見ないと何とも言えないことが多いので難しいだろうと思い二の足を踏んでいます。 一般的なジャッジは難しいのよ。 当たり障りない結論しか出せないなら意味ないしねぇ。 あと世の中の大多数を占める木造は私の専門外だし。 そもそも私の読者様は数えるほど、で需要が無いのでは。

        • つれづれなる構造屋 vol.3

          若い人にはそもそも伝わらなくて演出もクソもない。 みんな人間だもの、時に見栄を張ってしまうことって、あるよね。 鉄骨H鋼で、H-588*〇〇 を「ごーぱっぱ」と呼ぶのは私がベテラン感を演出したいからです。 ごーぱっぱって何だよ。 ファブでそう呼んでたのを真似たのですが止め時を見失いました。そっと使わなくするのも今更で少し恥ずかしい。

        つれづれなる構造屋 vol.5

          構造審査よもやま話 第6話 〜審査業界のデジタル化はまだまだ遠い〜

          システム内を書き換えられる権限が欲しい。 副本を設計者にお渡しする際にサインを頂く、受領書という書類が有ります。 来店してその場で書いてもらえば終わるんですが、電子だったり郵送だったりで後日になることも。 私はPDFをメールで送ってもらえれば良く、その旨とメールアドレスを書いてあるのですが 先日は大手のハウスメーカーの方から電話があり「受領書をFAXで送りたいのでFAX番号を教えてください」と。 メール、使えないの? 「PDFの方がありがたいのですが」まで言ったのです

          構造審査よもやま話 第6話 〜審査業界のデジタル化はまだまだ遠い〜

          構造審査よもやま話 第5話 〜安全証明書がそれ一枚で計算書の代わりに、とか活用の実態あるんだろうか〜

          餅は餅屋 ※ただし☆3.5以上に限る。 安全証明書とは委託者に対してその建物が構造的に安全でうんとかすんとか。 何十年か前の法律改正で添付が義務付けられましたが、今では何のために付けているのか意義がすっかり見失われた気がします。 この書類で何かトラブルから救われた人いるのかなぁ… とはいえ法律なのです。 私は構造適判なので安全証明書を見る機会はすっかり少なくなりましたが 逆に、イレギュラーな安全証明書の案件になる事も多く、そうなりますと体感では多くの方が苦労されてい

          構造審査よもやま話 第5話 〜安全証明書がそれ一枚で計算書の代わりに、とか活用の実態あるんだろうか〜

          つれづれなる構造屋 vol.2

          せめて、どっちか。 某月某日  朝10時 設計者から電話「通知書を発行してください。14時に伺いますのでそれまでにお願いします」 私「分かりました」 14時30分 設計者から電話「通知書できました?」 私「‥。出来てますよ」 設計者「今から取りに行きます」 私「分かりました」 17時45分 お使いの人が来店「物件名知らないんすけど受け取りに来ました」 私「だれ、そして、どれ」 社会人も20年以上になりますが、もう少し動じない心を身に付けたい。 17

          つれづれなる構造屋 vol.2

          構造審査よもやま話 第4話 〜法律にはまだまだ深淵がある〜

          「トリビアの種」って今から考えるとテコ入れ企画だったのかな。 告示594号第2 第三号ハ (水平震度による突出部分に作用する応力の割増) 地階を除く階数が4以上である建築物又は高さが20メートルを超える建築物であって、昇降機塔その他これらに類する建築物の屋上から突出する部分(当該突出する部分の高さが2メートルを超えるものに限る。)又は屋外階段その他これらに類する建築物の外壁から突出する部分を設ける場合 作用する荷重及び外力(地震力にあっては、当該部分が突出する方向と直交す

          構造審査よもやま話 第4話 〜法律にはまだまだ深淵がある〜

          つれづれなる構造屋 vol.1

          つれづれなるままにひぐらし硯に向かいてオチもなく。 構造の話と少しズレるのですが二級の建築適判試験が6月末に予定されています。 弊社でも何人か受験するので、昨年に一級を合格した構造分野の人、というレアモノの私は講師とまでは言いませんがサポートをしている状況です。 特別手当が欲しい。 さて先日、某アカデミー様の模擬試験がありましたね。 いやはや二級建築適判のコースを新設するとか、有難いことだなぁ。 (他に頼る所が無い人々からむしり取っているなぁ) 模試の内容は書けません

          つれづれなる構造屋 vol.1

          構造審査よもやま話 第3話 〜結局、使い慣れたものが一番〜

          のどもと過ぎれば後は野となれ山となれ 前回、仕様規定の話を書いていて思い出したことがあったので本日は一般的な仕様規定の話 仕様規定とは簡単に言うと守らなければならない法律、です。 そこそこ大手のゼネコンの構造設計者さんなんですが、「梁主筋必要量の仕様規定を満足していませんよ」という指摘を出したところ 「計算しているから仕様規定が微小に満足していなくても問題ない」 ときました。きやがりました。 ちゃんとした方だと思っていたんだけどなぁ… ただ、これ見落としでも技術

          構造審査よもやま話 第3話 〜結局、使い慣れたものが一番〜

          最新の知見は最新なのか、という話

          問題は問題が問題になるまで問題にならない。 技術と言いますか知見と言いますか、解釈は年々に変わっていくもので往々にして確認申請の世界では厳しくなる方向で進化?します。 5年くらい前は「そんな細かいこと‥」って話が今では当たり前、もザラかと。 今回はRC造における柱梁接合部の話。 今はほとんどの方がPw0.3%入れてくれますね。昔は説明に苦労しましたが。 RC基準のQ&Aに出てくれたのが大きいでしょうか。 ~~~~~~ RC造の設計において最も基本的な拠り所はRC

          最新の知見は最新なのか、という話

          「審査」と「指摘」って言葉が上から目線に聞こえるのかも、という話

          猿の惑星って、まだ続編つくるんだ。 さっそく愚痴なんですが 先日、審査結果の指摘を出したところ 構造設計者から「構造計算に使う階高には梁下げを考慮しない」旨の回答が来ました。 はぁ? しかも2件立て続けに別の設計者から同じ回答が来たんですよね。ちょっと深堀してみましょう。 ~~~~~~~~ そもそも構造階高とは。 構造計算において梁は線材(一本の線)に置換したものをモデルとします。 断面図で見て梁の中心に線材を仮定するので、線材は梁天端から梁せい/2だけ下がった

          「審査」と「指摘」って言葉が上から目線に聞こえるのかも、という話

          §蛇足 構造屋が挑む建築適判

          no+eの投稿が半年ぶりです。 いかがお過ごし?私は元気です。 また何か書きたくなる衝動が出てきた気がして筆を執っています。 折角ですので昨年から書いていた建築適判の話に結末を。 ・イヤらしいけど大切なお金の話 弊社の社内規定に基づき建築適判の資格手当としてお給料が2万円UPになりました。 また順番が前後しましたが、建築適判取得に絡めて昇進させて頂き役職級は3万円UPです。 もちろん会社によって異なりますが何処もこのくらいの条件ではなかろうか、と。 財テクや投資・節約

          §蛇足 構造屋が挑む建築適判

          §18 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験

          構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験  あとがき 本当は構造屋から見た意匠問題の解説、どこで苦しむか、どう考えたら分かりやすいか そんなことも書こうか、と思っていたのですが、来年の方のために早めのUPを優先しました。 構造屋さんに参考になったかどうか、、 底辺の人間でも受かってるわ、と思ってくれれば十分です。 構造屋にとって建築適判は無くても仕事が出来ます。ルート2主事の話もありますが、基本的には不要です。 私がこの記事を書いた目的ですが、 構造だけやってりゃ良いだろ

          §18 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験

          §17 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験

          ※※ ・私が受験した年の話であって最新の情報ではありません。 ・意匠が苦手なので間違えている箇所もあります。問題や法律の解釈はいたしません。 ・個人個人に適した勉強法が一番です、「これをすれば受かる」なんて断言は一切いたしません。 ※※ 令和5年 試験が終わって。合格のお知らせ。 プレステ5買いました。 それはさておき考査Aの自己採点が28点でした。あと1、2問欲しかった、、とその後しばらくモヤモヤすることになります。 考査Bは本気で何を書いたか思い出せません。ってか

          §17 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験

          §16 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験

          ※※ ・私が受験した年の話であって最新の情報ではありません。 ・意匠が苦手なので間違えている箇所もあります。問題や法律の解釈はいたしません。 ・個人個人に適した勉強法が一番です、「これをすれば受かる」なんて断言は一切いたしません。 ※※ 令和5年8月 試験前日、試験本番 試験前日、会場最寄り駅前のアパホテルに泊まりました。 去年はケチったが、もう金に糸目はつけられんのじゃ。 朝の電車3時間を省略することにし、前日の夕方にホテル入りです。喫煙可の部屋で思う存分タバコを吸

          §16 構造屋が挑む建築基準適合判定資格試験