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夜祭生活

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夜な夜な祭り。夜がふければふけるほど、現在から離れてしまう思考をただ徒然と。
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レゾリューション2024

レゾリューション2024

昨年の11月の世界大会で約10日間のアメリカ滞在を終え、自分がいなくても、そして戻ってきても何ら変わらず猛スピードで回る日常にグリス無しでゴリゴリと自分の体を挟み込み、摩擦に削り落とされそうになりながら働いて、なんとか年末年始を社会の歯車となって転がしていたら、世の中は2024年になっていた。

自分がそう思っているよりも、自分は自分の感情に鈍感になってしまったのかも知れないと訝しむほどに、悔しさ

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ひとりぼっちの世界

祖父が亡くなって3年が経とうとしている。
父方の祖父は自分が生まれる前に、そして祖母は9歳の頃に亡くなっている僕にとって、おじいちゃん、おばあちゃんと言ったら大阪の、母方の祖父母のことを指していた。

大学生くらいまでは永遠に仙人のように2人が生き続けていくような感覚が、ありえないけど確かにあった。その感覚が薄れていったのは大学生になった頃だった。人の命がいつか閉じられるのはもちろん理解していたし

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幸せバリアフリー

幸せバリアフリー

何を持って成長とするか、幸せとするか、その定義は非常に怪しいものだなぁと思う。

中身の全くない発言の最後に結局は、と前置きした上でしばしば用いられる、「人による」という締めの言葉に甘えてその意味を深く考えることは今までなかったけれど、私はいつしか苦いコーヒーをゴクゴク飲めるようになった。これを成長と呼ぶのは語弊がある気がするが、幸せと表現するのは間違っていないのではと感じる。

月一目標で書こう

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中央線に乗って

中央線に乗って

「俺はさ、朝起きたらまず塩洗顔」と言う言葉にパスタをフォークに巻き付ける手が止まった。

東京駅構内。今まで地下鉄しか使っていなかったが、引越しに伴い通勤経路の変更により、それまでは出張か帰省か、新幹線移動が必要な場合にしか潜らなかったJR東京駅の改札が生活の中に入り込んでくるようになった。

とはいえ、頻繁に電車を使うわけではない。在宅勤務が主であり、出社をするのは週一、ニといった具合だ。だから

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濃縮ウコンと空虚な時間

濃縮ウコンと空虚な時間

やまない雨はない。
明けない夜はない。
時間は有限。
命は限りあるもの。
今年の夏は今年しかない。
勝つまでやればいつか勝てる。
私以外私じゃないの。

事実の羅列だ。でも一つ一つの事実に勝手に勇気づけられたり、一方で目を背けたりする都合いい力も人間は持っている。
思考に思考を重ねて迷路のように行ったり来たりして、深呼吸して一歩引いて眺めてみれば何でもないことを、悶々とああでもないこうでもないと手

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ワインとネオン。

ワインとネオン。

変化はグラデーションを伴うのが常だと思っていたけれど、最近は色使いが荒くなってきたのだろうか、それとも自分がそれを捉える解像度が加齢による視力の低下と共に下がってきたせいだろうか、ついこないだまで自粛だ何だと言ってたのに、いつの間にか夜の街は人で溢れかえっているように見えて、その変容ぶりに少し慌てている。

その変化自体はとてもいいことだと思うのだけど、今まではこんなご時世ですからとオンラインで済

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想像しようそうしよう。

想像しようそうしよう。

”ボジョレーヌーボーには赤しかない。”
そんなことも知らずに東京にやってきた7年前、当時働いていた職場のあった京王線笹塚駅改札前から伸びる高架下商店街の中に在るカルディで、
「ボジョレーの白ください」と自信満々に言い放った自分に向けられた、店員さんの困惑した表情を今でもたまに思い出すことがある。

「お客様、ボジョレーに白はございません。」と店員さんに言われ、自分の顔は赤ワインのように真っ赤になっ

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春

春が来た。何かの比喩ではない。何かに合格したわけでも、どこかの国で民主化運動が始まったわけでもなく、ただ目の前に春がやってきた。平等に、他の人のところにやってくるのと同じ速度で。

何かを成し遂げたり、何かが終わったわけではないが、勝手に気持ちを新たにして、なんだか今まで積み重ねてきたことや中途半端になってしまっていることをほっぽりだして、スタートラインに並びたくなる春が来た。

振り返ると切った

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振り返れば奴がいる。

振り返れば奴がいる。

駅に着いたくらいで教えてくれれば準備をしてお出迎えできるのに、いきなりチャイム鳴らして「家の前に着いたからドア開けて」というような、生活のリズム感がクラムボンとミドリ(関西ゼロ世代のパンクバンド)くらい違う友人のように、私の便意はやってくる。

阿佐ヶ谷駅周辺を散歩している頃合で、ついさっきまで全然連絡を寄越さなかったのに、急にやってきた彼のために、近くで使えるトイレはないかなとベビーカーを押しな

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育休中に、おもい、はせて、こめて。

育休中に、おもい、はせて、こめて。

2022年は1日も出勤していない。

ああーオミクロンだかなんだかで、在宅なのねーと思った方、不正解。今年の初めに我が子が爆誕したため、休んでいる。

毎日死ぬほど下手なドラマーが胃腸バンドのリズム隊を務めているのか?と疑いたくなるほど不規則に排泄される糞尿、空腹という至極単純な2字熟語を伝えるためだけに流される涙、そしてそれを拭うために捧げた睡眠時間を餌に育ちに育った睡魔という悪魔と向き合う中で

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成人式の思い出。

成人式の思い出。

ランニングの途中、中野駅の前を通ると、この世に存在する色という色を詰め込んだような振袖衣装の女の子がチラホラ。今時流行りのタイトめなスーツをビシッと着こなしたお兄さんたちが肩で風を切って歩いてる。

“そんなんで和式便所座ったら破れてしまうで“と言おうもんなら「あなたみたいに太ってないので大丈夫です」と言われてしまいそう。コロナ禍で色々制限ある中(もちろんそんなの無視してどんちゃん騒ぎしている若者

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人生は旅だという。

人生は旅だという。

トップの画像は母親から送られてきた実家の裏にある畑。農作物などどこにも見えないが確かに畑。父が引退後、きゅうりやらトマトやら育てては、ドヤ顔で食卓に並べていたなと、ふと思い出した。

唐突に始まったこのnote。特になんだと言うこっちゃないのだけれど、時たまつらつら思ったこと、考えたこと、思い出したこと、思い出した末舌打ちして自分を呪い殺したく成るような出来事を自分の中で少なくともすべらない話のタ

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